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マルコムX氏暗殺、2人の有罪取り消しへ 判決から55年

マルコムX氏は39歳の時に凶弾に倒れた | GETTY IMAGES

米ニューヨーク市マンハッタン地区の検察当局は17日、1965年の黒人公民権運動活動家マルコムX氏暗殺をめぐり殺人罪で有罪とされ服役した男性2人について、有罪判決の取り消しを求めると発表した。男性2人が公正な裁判を受けられなかったためとしている。

有罪が取り消される見通しなのは、ムハンマド・アジズ氏(83)とカリル・イスラム氏(2009年に74歳で死亡)。

マンハッタン地区検事のサイラス・ヴァンス・ジュニア氏は、米紙ニューヨーク・タイムズに対し、米連邦捜査局(FBI)と警察がアジズ氏らの無罪判決につながりそうな証拠を隠していたと語った。

検事は同紙のインタビューで、法執行機関を代表して、アジズ氏とイスラム氏の家族を失望させたと謝罪した。

「これは歴史を通して、法執行機関がしばしばその責任を果たせていない実態を示すものだ」

「彼ら(アジズ氏ら)は公正な裁判を受けられなかった」

検事は17日にさらなる情報を提供するとツイートした。

再捜査の要求

ニューヨークのマンハッタン地区検事局は2020年、マルコムX氏殺害をめぐる有罪判決について見直しを開始した。これは、不当に有罪判決を受けた人の正義を求める非営利組織「イノセント・プロジェクト」との面会を受けてのもの。

今年2月には、マルコムX氏の娘たちが、暗殺に至った経緯について再捜査するよう求めた。暗殺をめぐり、ニューヨーク市警とFBIが共謀して殺害したとする新たな証拠が浮上したためだった。

ニューヨーク市警の元警察官で昨年11月に死去したレイモンド・ウッド氏が遺族に残した手紙には、暗殺の数日前にマルコムX氏の警備チームを逮捕して警備を手薄にすることが、ウッド氏の役割だったと書かれてあった。

マルコムX氏は黒人のエンパワーメント(力づけ)を提唱するカリスマ的存在だった。黒人と白人の分離を提唱する政治・宗教運動組織「ネーション・オブ・イスラム」の著名なスポークスマンとして活動した後、より穏健な路線へと転じた。

マルコムX氏の暗殺事件は、1965年2月21日、アッパー・マンハッタンのハーレムにあるオーデュボン・ボールルームで起きた。マルコムX氏は家族の目の前で射殺された。

翌年、ネーション・オブ・イスラムのメンバーだったアジズ氏、イスラム氏、トーマス・ヘーガン氏(80)の3人が有罪となり、それぞれ終身刑が言い渡された。その後全員が仮釈放された。

(英語記事 Malcolm X murder convictions to be quashed

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