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  • Dain
  • 2021年11月15日 09:19

イギリスの歴史の教科書に嘘は書いていないが本当の事も省かれている

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世界史を学ぶほど、イギリスが嫌いになる。

奴隷貿易、インド支配、アヘン漬け、三枚舌外交など、悪い印象しかない。アフガニスタン紛争やパレスチナ問題など、今なお続く厄介な問題を手繰っていくと、きっとイギリスの悪行が見つかる。にもかかわらず、イギリスが代償を支払ったことは見たことがない。

仮に、歴史の審判なるものがあるのなら、その目はイギリスを素通りしている。でなけりゃ、審判自体が存在しないか。

そんなイギリスが、自国の教科書に何と書いているか?

植民地支配を「なかったこと」にしているのか。あるいは、不都合な事実を歪曲してほっかむりをするのか。さもなくば、嘘八百を並べ立てているのか。

イギリスの中学の教科書『The Impact of Empire/帝国の衝撃を読んでみた。



イギリスには、日本のような教科書検定制度は無い。

だが、学習指導要領に相当する、ナショナル・カリキュラムに準じる必要がある。カリキュラムの「指示」に従い、「イギリス帝国の存在が、イギリスと、海外の異なる地域や人々に与えた影響力を学ぶ」方針に沿って執筆されたのが、これだ。

イギリスの教科書に書いてあること

結論から言うと、嘘は書いていないけれど、本当のことも省かれていた。

まず、植民地支配の歴史は書かれている。

日の沈まぬ国としての大英帝国の栄光の記録が、教科書の大半を成している。どんな試行錯誤を経てインドを支配するに至ったか、帝国の建設者となったのは誰かといった経緯が、物語られている。

奴隷貿易も書かれているし、虐殺は虐殺として書かれている。

例えば、セポイの反乱への鎮圧は、「正義」を超えた報復だとも認めている。

反乱者だと思われる人を片っ端から捕え、裁判抜きで処刑する。さらに、普通に殺すのではなく、大砲の口に縛り付けて粉々に吹き飛ばしたことも書いてある。ヒンドゥー教とやイスラム教徒が確実に地獄に行けるよう、強制的に牛や豚の肉を食べさせた後に処刑したことも書いてある。

あるいは、偽の外交文書で騙したことも書いてある。

アフリカのベナン王国と貿易条約を結ぶ際、英語を読める人が少ないのを良いことに、「ベナンの支配権を譲渡する」という文言を滑り込ませたという。当然、関係は険悪化するが、近代兵器で武装したイギリス人の敵ではなく、都は焼き払われ、財宝はエクセターの博物館に運び去られたことも書いてある。

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