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ネット等を利用した選挙運動について

 インターネット等を利用した選挙運動の解禁について、各党協議が続いています。

 2月13日(水)午前、自民党と公明党から全党に呼びかけがあり、午後3時から11党が参加して開かれました。突然のスタートでした。
 その後、15日(金)、19日(火)、22日(金)と連続して協議が行われてきました。
 いまの公職選挙法は、「選挙運動」についてさまざまな規制を加えており、ビラや宣伝カーに、あれもダメこれもダメとする「べからず集」になっています。ネットやメールを使って「○○に一票を」と訴える「選挙運動」もできません。
 こんどの各党協議では、「ネット選挙運動」ができるようにするにはどうしたらよいかが議論されています。

 日本共産党は「ネット選挙運動の解禁は、有権者の選挙運動の自由を拡大するうえで必要であり、全面的に解禁すべきだ」と主張してきました。

 第一回目の協議でも、私は「選挙権と選挙の自由は、主権者である国民の基本的権利であり、本来、自由な選挙運動が保障されるべきだ。有権者がネットやメールを選挙で利用できるようにすることは当然」と主張しました。
 ネットを利用した「選挙運動」ができるようにしようという点では、各党とも基本的に合意しているのですが、問題はその対象や範囲をどうするかです。
 私が、最初に違和感を感じたのは、「第三者」という言葉です。
 協議では「候補者・政党等」と「第三者」に分けて議論されていますが、ここには「候補者・政党等」が選挙の“当事者”(主体)であり、それ以外のものを“第三者”(客体)と見る発想があります。
 私は「第三者」という言い方は、おかしいのではないかと言いました。主体は、有権者・個人ですから、「第三者」ではなく「有権者」とすべきでしょう。

 自民党や民主党が「第三者」という用語をつかった理由が、もうひとつありました。

 それは「第三者」のなかに、有権者だけでなく「企業や団体」を含めるとしていたからです。
 議論を通じて、そのことが浮き彫りになりました。
 私は、ネット選挙運動は有権者個人に解禁するのが原則であり、「企業・団体には認めるべきではない」と主張しました。
 なぜなら、会社法人、企業、団体は、選挙権をもつ有権者ではなく、選挙・選挙運動の主体ではないからです。
 主体でない企業・団体が、巨大な資金力や組織力をもって選挙運動を行うことが可能になれば、有権者の選挙運動の自由、参政権そのものを侵害することになりかねません。
 私が、こう指摘すると、民主・みんなの案は「第三者」を「一般有権者を含め全ての者」と表現を変えました。

 私は民主党に「それは企業・団体を含むのか」とききました。

 回答は「当然含みます」というものでした。
 「一般有権者を含め全ての者」と表現を変えても、内容はまったく変わらなかったのです。
 自民党・公明党だけでなく民主党・みんなの党が「ネット選挙運動を解禁せよ」と言うとき、「企業・団体にも解禁せよ」という内容が含まれるのです。
 この点は、よく見ておかなければなりません。
 自民・公明案は、「第三者」の解禁対象をWEB(ホームページやフェイスブック、ツイッタ―など)に限定しています。
 しかし、民主・みんな案は、WEBだけでなく、電子メールにも広げるという違いがあります。
 もしも、大手企業が営業活動の中で手に入れた膨大な顧客のメールアドレスを利用して「○○に一票を」という選挙運動ができるようになったら、その影響ははかりしれません。

 有料ネット広告についてはどうでしょう。

 「選挙運動」用の有料ネット広告の解禁については、私たちは反対の立場をとっています。それは、資金力の多寡によって選挙の公平が損なわれるからです。
 ただし、現在でも認められている選挙期間中の政党の政治活動用「政策広告」は、政治活動の自由の観点から保障されるべきだと考えます。
 何人も「政治活動」の自由があることは、憲法に保障されており、個人はもちろん企業や労働組合などの団体も選挙期間中に「政治的な主張」(選挙運動とは区別して)を発信することは自由であるべきです。

 この協議内容については、まだまだ国民のなかで十分に知らされていません。一部で、近いうちに結論を得るとも報道されていますが、しっかりした議論が求められます。

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