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  • ヒロ
  • 2021年11月08日 10:44

ウォーレンバフェット氏の苦悩

ウォーレンバフェット氏率いるバークシャーハサウェイ社の7-9月決算が発表になり冴えない結果となりました。純利益は前年同期比66%減の1兆1千億円程度で投資先の株価が上がっていないことが同社の決算に強く出ています。また手元資金が17兆円にもなるのにそれを有効活用できない点も長く問題視されています。ちなみに同社は配当がないので投資家は株価だけが頼り。その株価は同社が自社株買いをするなどして買い支えている面もあります。

巨漢の投資会社が病む問題とは何か、我々が学ぶことは何か、考えてみたいと思います。

まず、同社の5大投資先です。アップル、バンクオブアメリカ、アメックス、コカ・コーラ、クラフトハインツです。特にアップルへの投資残が1200億ドル(13.5兆円)と突出しています。同社がアップルの株価に左右されやすいのはもはや一心同体といってよい状態です。これはバークシャー社が巨大になりすぎたため、何処にでも投資できないという悩みを抱えているからです。

例えば日銀のようにETF(投資信託)を介して企業株を取得すればいつの間にか日銀が筆頭株主だったということもあるのですが、バークシャー社は直接の買い付けですから彼らが売り買いするという噂だけで株価が跳ね、正常な価格で株式を取得できないというそもそもの問題があります。

次に上記5つの会社の株価を見ると7-9月のパフォーマンスは決して良かったとは言えないのです。どの企業も成熟企業で巨大ですから株価の動きは緩慢にならざるを得ないのです。ということは同社の成長率はダウ平均など一般的な指標成長率にリンクしやすくなり、かつての神話的な成長は期待できないことになります。

では同社がなぜ、将来性のある企業に投資できないか、といえばそれらの新興企業の現在価値が小さすぎて同社の投資対象になりにくいこと、仮に投資をすればソフトバンクファンドのように生死を共にするという体質になりやすく、それをバフェット氏が望んでいないことがあると思います。

私は時々アメリカが歳を取ったといいますが、バフェット氏が91歳になったことと成長の壁に突き当たったことは新陳代謝がどれだけ難しいのか、ということを表しているともいえるでしょう。

将来への投資となれば例えば気候変動や脱炭素関係の企業は思い浮かぶと思います。私もカナダ最大級の風力発電の会社に一時期投資をしていましたが、だいぶ前に売却しました。一つは企業成長性が見られないことで技術的ブレイクスルーして収益につなげるには遠い道のりだと判断したのです。

今回のCOP26では世界の銀行が気候変動対策事業への積極融資姿勢を見せましたが金があってもハードルが高いのは理念と現実の最大のギャップでそれは株式市場で現実のものとして見せつけられます。(日本ではレノバが頑張っているのは承知です。)

もう一つは図体の大きさの問題です。バークシャーに限らず、巨額の資金を運用するファンドは数多くあります。しかし、最近はそれらのファンドのパフォーマンスはまちまちです。それぐらい投資先の選択は難しく、案外、腰が引けていることも多い、これが私の実感です。

例えば私はカナダ市場を中心に約50銘柄ぐらいに投資していますが、私はハイテクは長く投資していません。また、本気で儲けるなら長期ではなく中期のスイング投資で身軽にやるしかないと思っています。また割安株を探し、5-10%で利益確定を繰り返し、その時々のトレンドを読み込む、これが最も効率的ですが、私はそれが本業ではないのでそこまでは手が回りません。

私は手持ち銘柄の半分以上が高配当銘柄で占めているのでそれらは放置ですが、キャピタルゲイン狙いの投資姿勢は完全に別モードで業界と企業を読み込みます。バークシャーが手堅い銘柄を得意とし、ソフトバンクやキャシーウッド氏のアークがハイテクを得手としているように自分の得意分野を作ることも大事です。私はカナダが世界有数のオイル&ガス系企業と中小鉱山会社がずらりと並んでいるのでそちらが得手なのです。

私の投資額は推して知るべしです。それでも出来高が少ない銘柄は極力避けています。日本でもカナダでも新興株だと1日の出来高が10万株も出来ない企業が沢山ありますが、そんなところに投資したら売るに売れないという苦戦を強いられます。日本でも投資指南家が誰も聞いたことがない銘柄をイチオシしているのですが、出来高がほとんどないところを買い推奨して爆上げしても直ぐに元に戻るのでは一種の相場操縦のようなものだと思っています。

バークシャー社は今後、巨額の配当を元手に一定の成長はすると思いますが、次の一手を打ち出さないと埋もれた会社になるとみています。申し訳ないですが、バフェット氏の影響力が大きすぎて舵を切り損ねたような気すらします。バフェット氏が引退したら高配当をする全く違う体質の企業になるかもしれません。それぐらい投資は難しい、とも言えます。

では今日はこのぐらいで。

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