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自民党改憲案の粗悪な人権感覚

 人権問題の専門家らが2月21日、都内で会見し、自民党の憲法改正案が、これまで人類が築いてきた国際的な人権の基準から大きく離脱しているとして、その危険性に警鐘を鳴らした。

 明治大学のローレンス・レペタ教授(人権法)は、自民党の改憲案が基本的人権の尊重を謳った97条や、同じく基本的人権に触れている前文の削除を求めていることなどを指摘した上で、自民党案は「これまで人類が培ってきた人権の理解からの離脱を意味する」と、これを厳しく批判した。

 自民党の改憲案は、基本的人権の概念が削除されている他、表現の自由や結社の自由なども「公の秩序を乱さない限りにおいて」などの制約条件が設けられている。また、その際の公が何を意味するかも不明確であるため、レペタ教授らは基本的な人権への制約が拡大解釈される恐れがあるとの懸念を表明している。

 日本が抱える人権問題の最も重大なものとは何かを聞かれたレペタ氏は、刑事司法の制度をあげた。23日間の長期の勾留に、代用監獄での弁護士不在の取り調べなどは、国際的にも繰り返し批判を受けているという。

 レペタ氏は、裁判の法廷で記者クラブの記者以外の傍聴人がメモを取りことが禁止されていることが、憲法21条の国民の知る権利を侵害していると主張して、国家賠償法に基づく損害賠償を求めた「レペタ裁判」の原告として知られる。

 最高裁は形の上では請求を退け、レペタ氏の敗訴となったが、同判決の中で最高裁はメモを取る行為について、「特段の事由がない限り傍聴人の自由に任せるべき」と判示したため、それ以来すべての裁判所で一般傍聴人のメモ取りが許可されるようになった。

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