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高速鉄道だけじゃない〜ダダ漏れに近い国産技術の中国流出

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 中国高速鉄道事故を受けて25日から26日にかけて主要紙社説はこれを取り上げています。
【朝日社説】中国鉄道事故―背伸びせず原因究明だ
http://www.asahi.com/paper/editorial20110725.html
【読売社説】中国高速鉄道 安全軽視が招いた大事故だ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110724-OYT1T00746.htm
【毎日社説】中国鉄道事故 安全より国威発揚優先
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/archive/news/20110726ddm005070169000c.html
【産経社説】中国高速鉄道事故 安全置き去りの国威発揚
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110726/chn11072603130004-n1.htm
【日経社説】官民一体で中国から国産技術を守ろう
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE1E0EAE1E2EAE4E2E0E7E2E5E0E2E3E38297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D
 社説タイトルからも明らかですが、朝日、読売、毎日、産経の論調はほぼ一致しています、事故は国威発揚優先するあまり安全軽視が招いたものであるとの論ですが、特に朝日社説はタイトルの「背伸びせず」も含めて「上から目線」な少しばかり挑発的ともいえる表現が多いです、朝日社説の結語から。
 中国当局は日欧の協力も求めて事故を徹底的に調査し、安全第一の基本を確立しなければならない。それができなければ、交通機関にとどまらぬ幅広い分野で進む急成長に対して、技術の安全さを危ぶむ、中国リスク論さえ招きかねない。
 「日欧の協力も求めて事故を徹底的に調査」すべきと指摘をしたうえで、このまま「安全第一の基本を確立」できなければ「幅広い分野で」「中国リスク論さえ招きかねない」と結ばれています。

 この朝日社説に代表される日本メディアの論調は中国メディアにも取り上げられているようですが、それはともかく興味深いのは一人異彩を放つ「【日経社説】官民一体で中国から国産技術を守ろう」であります。

 社説は「中国の高速鉄道で惨事が起きた。多数の犠牲者が出たのは残念だ。」と冒頭こそ事故に触れていますが、すぐに「中国版新幹線」の特許申請の動きを警戒します。
 一方、日本の技術を使った別タイプの「中国版新幹線」では特許申請の動きを見せる。「改良し国産といえる水準に高めた」との主張だが、そうした強引な手法も気にかかる。
 鉄道に限らず、自動車やハイテクでも、中国政府が現地生産を認める代わりに中核技術を開示させたり、合弁相手の中国企業に設計を自由に変えていい権利を認めさせたりと要求をエスカレートさせている。技術を出せば「独自技術」と言い出さないか。企業には大きな不安だ。
 産業分野問わず、まず「現地生産を認める代わりに中核技術を開示」させ、さらに「合弁相手の中国企業に設計を自由に変えていい権利を認めさせ」、やがて「独自技術」と言い出すのが中国の手口だと指摘します。

 次に、国産技術を中国に取られないためには民間だけでは限界があると主張します。
 競争力の源泉である国産技術を中国に取られないために、企業は何ができるか。有力市場で事前に特許を押さえておくなどの目配りは経営の基本だ。ただ知的財産権を守る法的措置だけでは十分ではない。

 中国市場への進出を目指す外国企業は、中国の規制当局から工場立地の許可や事業認可を受けなければならない。許認可の見返りとして技術移転を要求されれば、現実には抵抗するのは難しい。

 たとえ世界貿易機関(WTO)協定に抵触する可能性があっても、中国との関係は悪化させたくない。要求を拒み、中国が米欧のライバル企業に許認可を与えるのも困る。苦渋の決断を迫られ、泣く泣く先端的な技術を中国の合弁相手に開示する日本企業は少なくないはずだ。
 中国から国産技術を守るためには、欧米諸国を見習って官民一体で交渉すべきだと結びます。
 そのためには、日本の競争力に関わる重要な案件では、官民一体で交渉にあたり、不当な要求に対抗する必要がある。経済産業省や外務省は個別企業の問題だとして看過せずに、交渉の前面に立つべきだ。
 米国や仏独の政府は企業の対中進出の交渉の要所で外交力を発揮し、企業の利益を守っている。首脳外交で企業の個別案件を取り上げる場合も多い。日本の対中外交の当事者に企業の利益を守る気概はあるか。
 他紙が事故の原因が中国当局の安全軽視にあると指摘、日欧の最新技術を中国が駆使しきれないことを指摘しているのに対し、日経一人、そんな未消化の「中国版新幹線」技術ですら「独自技術」と主張し各国で特許申請の動きまでおこしている中国の手口に警鐘を鳴らしているわけです。

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