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NHKプロフェッショナル保健師さん特集がなぜ中途半端なのか?編集力と構成力のなさ

先日、NHKプロフェッショナル仕事の流儀で保健師さん特集をしていたのだが、非常に中途半端な構成でもったいない番組だなと思ったのだが、そんな感想を投稿するやいなや保健師さんと思われる知らない方々から「テーマを絞れないんじゃなくいろんな仕事をやっているんです!」「とってもいい番組だと思いましたよ!」「保健師さんはコロナだけではないんです!」といったようなリプが送られてきた。

いやいやだからまさにそうだからこそ番組の作りがもったいないと。テーマを1つに絞らないなら「こんなにもいろんな仕事をやってるんですよ!」紹介にすればいいのに、そうはなっていなかったのだ。

はじめに「コロナ最前線」というテロップが出てきて、コロナ対応から入るのでてっきりコロナと保健師なのかと思いきや、それは中途半端に終わっていろんなことをやってますよー紹介に入る。

ただそのいろんなことやってますよー紹介も中途半端に終わり、なぜか1人のママさんのお子さんがアレルギーで体重が減って困っていて、このママさんを説得させて病院に行かせることができるかどうかということに時間が割かれ、それで終わってしまうのです。

え?この番組は何を伝えたかったの?と。

保健師さんはコロナだけではなくいろんなことをやってるんです、ということを伝えるなら冒頭のコロナの扱いもコロナ特集に思わせず通常業務のある中で、コロナ対応もしているという位置付けで紹介すれば「こんなにもいろいろな仕事しているのにコロナ対応もしていたのか!」ってなる。でも現状の番組はそういう位置付けでコロナを持ってきていないので、違和感を感じさせてしまうのだ。

また「いろんな仕事やってます!」を伝えたいなら1人のママさんの支援話は現状の1/3ぐらいに時間を縮めて、ただ単に新生児ママさんの支援だけでなく他にもこんな仕事もしているということに時間を割くべきだ。ようは編集力がない。構成がめちゃめちゃなのだ。

ということをYouTubeの動画で解説したんだけど、多分その動画はみてなくって下手するとNHKの番組もみてなくってSNSの「中途半端だった」「テーマが絞りきれてない」という言葉だけとらえて「いやいやそうじゃないんですよ!保健師はいろいろやってるんですよ!だから番組は素晴らしかったと思いますよ!」というリプになってしまう。

何かを取り上げる時に何を伝えたいか、1つに絞りそこに向かって取材したものを取捨選択し、順番を考え、構成を考えていき視、聴者、読者に伝えたいことを伝えていく。

たとえばこの保健師特集なら3つの構成が考えられたわけで
1:いろんなことをやっているという特集にする
2:コロナと保健師に絞る
3:1人の新生児ママとのエピソードに絞る
になるわけだけど、この3つがごっちゃごっちゃになっているので、わかったようでわからないというかピントがぼけた番組になってしまっている。

しかも美談だけを取り上げすぎていて、いやいや実情はもっと大変じゃないの?とか変なクレームとか文句言われたりとか、人員が足りないとか手に負えないとか、そういう問題点とかはないの?と思うところは全スルーしてしまうので、ものすごく作られた感のある美談感動物語になってしまっていた。

ドキュメンタリーなんだから問題点とか失敗とか悪いところとかも取り上げた方がよりリアリティが増すのに。

その点でいうとフジテレビが日曜14時からやっている「ザ・ノンフィクション」はすごい。美談だけじゃなくリアル。ありありとその実情を伝えてくれる。

それにしてもコロナで注目された保健所や保健師さんの仕事って結局あまり知られていなくって、だからこそ中途半端な番組でもNHKが保健師を取り上げただけで保健師さんたちは「素晴らしい番組だった!」と口をそろえていうんだけど、でも保健師さんをあまり知らない一般人が見て、私だけでなく番組見てあんまりよくわからないよねって風になったら単に保健師さんの自己満足番組になっちゃうんじゃないかなと。

ただ保健師さんの仕事が理解されていないって結局発信力がないから。保健師さん自らこんなこともしてます 、あんなこともできます、こんな仕事なんです、こんな時に相談できます、こんな問題にも対応してます、って発信していれば一般人のその仕事の素晴らしさや、大変さが知れ渡るはずなのに発信力がないからあまり知られないまま「報われない」で終わってしまう。

自ら発信して仕事や職種の理解を一般の人たちに広めないことにはどれだけ素晴らしい仕事でも理解されずに終わってしまい、下手するとコロナ対応の時みたいに批判されることにもなっちゃうんじゃないかな。保健師さんは何も悪くないのに理解がされていないから。

それはともかくNHKプロフェッショナルの保健師さん特集は中途半端だった。いろんなことやってますという特集なら、コロナの位置付けを変えて1人の新生児ママとの特集時間を減らし、バランスよくこんなこともあんなこともやってるすごい仕事があるみたいな紹介にすればよかったのになーと。

伝えることは1つ。それに向かって何を選び何を捨てどう構成していくか。それはみなさんの発信でも同じ。 あれもこれも中途半端に入れ込むと「それで何を伝えたいの?」って話になりかねない。

まあこの記事もいろいろとテーマを盛り込みすぎではありますが(笑)

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