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実刑確定の河井克行は買収作戦の「協力者」、「首謀者」は自民党幹部だ

田原総一朗です。

10月21日、2019年参議院選挙の買収事件で裁判中だった、元法務大臣の河井克行被告が控訴を取り下げ、懲役3年の実刑が確定した。そもそもこの事件は、何だったのか。

当時の参議院議員広島選挙区は、自民党の溝手顕正氏が現職だった。ところが、当時の安倍晋三首相に対し、溝手氏が批判をしているという情報が、自民党に入った。党の幹部たちは、「けしからん、落選させろ」といきりたった。

対抗馬として白羽の矢が立ったのが、安倍首相の側近河井克行の妻、河井案里被告である。しかし、定員2名の広島選挙区は、現職の溝手氏と野党議員1名で長年安定しており、自民党広島県連としては、この出馬に大反対だ。県内の主な首長、有力者たちは溝手氏を応援した。

自民党幹部は、広島県連に圧力をかけた。そして、河井克行被告に金をバラまかせたのだ。自民党から河井案里陣営にわたった資金は、なんと1億5千万円。ちなみに溝手陣営への資金は、その10分の1、1500万円だったという。

広島県の首長や有力者たちは、金を受け取ることをいやがった。それは溝手氏への裏切りとなるからだ。すると幹部たちは、「受け取らないことは、自民党への裏切りだ」などと、脅しをかけるようになる。その結果、「買収作戦」は成功し、案里氏が当選、溝手氏は落選した。

しかし、その後、河井案里陣営の公職選挙法違反が、次々と発覚したのである。この経緯を改めて考えると、首謀者はどう見ても、自民党幹部である。党から渡された金を配った、河井克行、案里両被告は、いわば「協力者」ではないか。

案里氏もまた、懲役1年4か月、執行猶予5年の判決を受けている。協力者である2人が有罪判決を受け、首謀者たちは、のほほんとしている。私にはまったく理解できず、怒りがこみあげてくる。法治国家日本として、こんなことでいいのだろうか。検察は何をしているのか。

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