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好きな人と結婚するだけなのに…日本人が「小室さんバッシング」に熱狂する根本原因

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秋篠宮家の長女眞子さまが小室圭さんと結婚する。ドイツ出身のコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンさんは「この4年間は『国民総モラハラ』の状況だった。『眞子さまにはふさわしくない』という小室さんへのバッシングの背景には、日本人の結婚観の歪みがある」という――。

思いを貫徹する眞子さまと小室さん

秋篠宮家の長女・眞子さまが10月26日、婚約者の小室圭さんと結婚します。皇籍を離れ、晴れて「小室眞子さん」となります。


赤坂御用地へ向かうため自宅マンションを出る小室圭さん=2021年10月18日、横浜市港北区(写真=時事通信フォト)

眞子さまが小室さんと婚約内定発表の記者会見に臨んだのは、2017年9月3日のことでした。小室さんの地元近くの商店街では垂れ幕やのぼりが上げられるなど、日本は祝賀ムードに包まれました。

しかし直後に小室さんの母親の元婚約者を名乗る匿名男性が女性週刊誌に登場し状況は一変しました。「(小室さんの母親である)佳代さんに400万円を貸したが、いまだに400万円を返してもらっていない」と語ったことで、2人の結婚に関する話題が取り沙汰され、現在に至るまでバッシングが続いています。

結婚に親族や関係者の暴露話をするのは万国共通のようです。2016年から交際を始めて、その2年後に結婚したイギリスの元ハリー王子とアメリカ人の女優メーガン・マークルさんの場合も、交際の発覚後にメーガンさんの父親がマスコミに登場し様々な暴露話を披露しました。

ただ筆者が気になったのは、冒頭の「400万円」は「親の昔の恋愛沙汰」がらみの話にすぎないのに、あたかも「子供」である小室圭さんに責任があるかのような報道が相次いだことです。週刊誌だけではなく一般紙もこの「400万円」を繰り返し取り上げました。

小室さんは、眞子さまにふさわしくない――。眞子さまのためだからと、眞子さまの気持ちを無視したそんな「意見」が大勢でした。まさに国民総モラハラの状況です。この状況は、女性皇族の生きづらさに焦点が当てられがちです。しかし、筆者はニッポン人の結婚観に大きなゆがみがあると感じます。男性に課された重すぎる条件と過度な期待です。

反対意見のほとんどは「言いがかり」

この「400万円」の話が発覚してから、小室さん個人に対しても多くの批判が見られるようになりました。これも「ふさわしくない」という意見が大勢でした。

日本国内の弁護士事務所でパラリーガルとして働いていた小室さんについて、「弁護士ではなくパラリーガルという立場では給料も低く、眞子さまのお相手としてふさわしくない。そもそもなぜ銀行を途中で辞めたのか」といった「意見」をインターネットでよく見かけました。

米国ニューヨーク州の弁護士資格の取得を目指すべく、小室さんがロースクールに留学すると「日本から逃亡したのも同然」といった辛辣(しんらつ)な「意見」も出されました。今年4月に「母親と元交際相手の金銭トラブル」について説明文書を公表すると、今度は「長いばかりで、内容からは誠意が伝わってこない」と言われてしまいます。

週刊誌の報道に煽られ、それに同調する形で、「小室たたき」はエスカレートしていきました。インターネットの一連の批判から見て取れるのは、「小室さんが何をしても、気に入らない」と感じる人たちが一定数いるということです。


※写真はイメージです - 写真=iStock.com/pixalot

その後「小室さんが400万円を返す意図がある」と報じられると、「お金を返せば良いというものではない」という「批判」が起きました。また眞子さまが「一時金を辞退する意向である」ことが報道されると、「一時金を辞退すれば良いというものではない」という「批判」もありました。ああ言えばこう言う。この状況は異様だというほかありません。

男性に「難題な結婚の条件」が課されるニッポン

なぜ小室さんにこれほどまでに厳しい意見が多いのか――。その点を考えると、結婚相手が皇族という特殊で複雑な要素が絡んでいるため一言で説明できるものではありません。ただ小室さんの職歴や収入、家庭の事情に批判が相次いだことは、「日本の男性の生きづらさ」を象徴しているように思います。

筆者はドイツ出身ですが、ヨーロッパと日本を比べてみると、婚活をしている男性に対して「金銭面の期待」がやたら高いのがニッポンなのです。

日本では「恋愛と結婚は違う」と言う人がいます。「恋愛では自分たちの『気持ち」を中心に楽しめばよいが、結婚は『生活」である」といった文脈で使われることが多いです。男性の収入があまり高くない場合、女性が「そういう人と恋愛をするのはいいけれど、結婚には向かない」という文脈で使うこともあります。

「安定した収入が見込めない男性に結婚する資格などない」との極端な「意見」を聞くことも少なくありません。このように、結婚相手に求める条件を、ハッキリと言い切ってしまうのがニッポンの大きな特徴なのです。

もしドイツで「安定収入のない男性とは結婚できない」という発言をしたら、周囲から「計算高い女だ」と言われてしまうでしょう。もちろんドイツでは「結婚を相手の収入で決める」ことがないわけではありません。でも決して堂々と言っていいことではありません。

その根底には「結婚は恋愛の延長である」「愛はお金では測れない」といった社会の共通認識があります。そういった意味でドイツの人のほうが結婚について「ロマン」を求めている気がします。


※写真はイメージです - 写真=iStock.com/yamasan

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