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バイデン政権が供給網混乱を解決できないわけ

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ワシントンDCのイベントで話すバイデン氏(10月18日) 出典:Photo by Kevin Dietsch/Getty Images

岩田太郎(在米ジャーナリスト)

【まとめ】

・7~9月期の米GDP予想は前年同期比3.5%と大幅に伸び幅減少。

・国内外の物流の混乱、労働市場の人手不足、インフレ高進による消費の抑制が原因。

・物流問題と経済格差問題で無策のバイデン政権、11月の中間選挙で厳しい評価下るか。

新型コロナウイルスのワクチン接種を済ませた人々の割合が66%を超え、4~6月期の国内総生産(GDP)が前年同期比6.7%と、コロナ後の経済回復が順調であった米国。しかし、全米産業審議会による7~9月期のGDP予想は前年同期比3.5%と大幅に伸び幅が減少している。今夏のデルタ変異株の流行が影響しているものの、それだけが理由ではない。

実は、米経済にはリベンジ消費などの成長余力がまだ幾分残っているのだが、それを抑えている要因がある。それが、①コロナ禍による国内外の物流の混乱、②働く人たちの意識の変化で発生した労働市場の人手不足、そして、③供給不足と労働力不足により引き起こされたインフレ高進による消費の抑制、などの主要因である。

■構造的な物流混乱の原因

筆者は、9月に入って食品や日用品の買い物の際、スーパーマーケットやドラッグストアの商品棚で欠品が目立ち始めたことに気付いた。それは、コロナ禍初期にトイレットペーパーや消毒液など特定の商品だけが長く入荷しなかった時とは異なり、特に需要が急増しているように見えない冷凍食品や、普通の日用品が数日間消え、しばらくしてまた入荷するという、変則的なものだ。

▲画像 コロナ禍による欠品状態(2020年03月18日) 出典:Photo by Smith Collection/Gado/Getty Images

消費者の買いだめパニックを引き起こすような深刻な品不足ではないのだが、生産企業やロジスティックスに異変が起こっていることは、身近に感じる。事実、全米の完成輸入品受け入れの40%を占める基幹拠点であるロサンゼルス港とロングビーチ港における荷揚げ処理が人手不足で追いつかず、コンテナ船が沖合に多く滞留している様子は、テレビのニュースで頻繁に取り上げられるようになった。

さらに、パンデミック以前から不足気味であったトラック運転手が、コロナ禍を機に大量に離職するようになった。もともとトラック運転手は薄給で待遇も悪いため、パンデミックにより他業種で給与レベルが上がり始めたのをチャンスとばかりに、転職する人が増えたのだ。このため、全米で約2万人のドライバーが足らなくなり、陸上輸送が深刻な目詰まりを起こしている。

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