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北関東がワースト争い!魅力度ランキングに山本一太群馬県知事が法的措置を検討か

民間シンクタンクの「ブランド総合研究所」(東京・港区)が発表している「都道府県魅力度ランキング」(地域ブランド調査2021)が、北関東3県に波紋を呼んでいる。キッカケは9日に発表されたデータだった。茨城県が栃木県と入れ替わる形で再び最下位に転落、さらに埼玉県は38位から45位、群馬県も40位から44位に相次いで後退したことに首長の不満が爆発したのだ。

「この調査が特異なのは、順位以上に最下位の争いが大きな話題になることなのです」(調査業界関係者)

確かに意識調査にはさまざまなものがある。タレントなど著名人の人気調査のように、「ワースト」データを大きく発表するケースもあるのだが、民間のシンクタンクの調査と言えば、大抵が自治体や企業などの宣伝活動に利用してもらうことが目的となっている。よく「○○調査顧客満足度第1位」との文言の広告を目にするのもそのためだ。

「調査結果を利用することで、企業などはイメージアップを図ることが出来ます。また、調査会社もデータの使用料や名義料、さらには調査の結果分析などで大きな利益を得ています。ある意味でwin-winの関係となっているのです」(前出の調査業界関係者)。

トップよりワーストが話題になる魅力度ランキング


ところがこの「地域ブランド調査」の場合は真逆の方向に突き進んでいる。前出の調査関係者も、

「調査を行った研究所の認知度アップにはなっているのかもしれませんが、それほど大きな利益にならないのでは…。調査項目数が多いので、データ的に利用しやすい部分もあるのかもしれませんけど」

と疑問を口にする。しかも、ここ数年の流れを見る限り、順位を巡っての反発ばかりが目立っているのだ。

「そもそもトップ3の北海道、京都、沖縄は誰もが納得するものです。それ以下も東京や大阪、神奈川など大都市圏が続いていて大きな変化もなく、正直言って調査結果としての面白みがない。ところがこの調査では、埼玉や茨城、栃木、群馬の人気が異常に低いのです。北関東には温泉や観光地、名産物も多いので『なぜ?』と言う疑問の声もありますが、メディアの扱うネタとしては非常に面白い」

と週刊誌記者は言うが、その一方で、昨今の話題の一因には映画「翔んで埼玉」の大ヒットが背景にあるとも説明する。

「映画は埼玉県をディスるものでしたが、なぜか埼玉県民は好意的に受け止められ、大ヒットに結びつきました。映画のストーリーでは、隣接する千葉県と争うものになっていましたが、茨城県や群馬県に対してはディスると言うより、埼玉と比較しながら笑いにしていました。こうした見られ方が調査結果にも現れているように思います。

かつて、NHK朝の連続ドラマ『おしん』でも、おしんが佐賀の夫の家に身を寄せた時の姑の嫁いびりが大きな話題になり、視聴者からは『佐賀人が通った後はぺんぺん草も生えない』などと言われたことがありました。当時の佐賀県副知事がHK佐賀放送局を通して『何とかならないか』と善処を求めたとも言われています。その佐賀県も毎年、このランキングでは最下位を争っている状態ですからね」

最下位を脱出した栃木県の努力


昨年の調査で最下位に転落した栃木県。この時、福田富一知事は「残念ながら最下位ということでお詫び申し上げる」と陳謝したが、それでも腹に据えかねたのか「84項目ある調査項目の中の一つが魅力度。その魅力度だけを抜き出して発表するのは納得できない」「(ブランド総研に対して)近いうちに直談判する」と語気を強めていた。

実際、福田知事は研究所の社長へ直談判し、調査方法の改善などを要望。その一方で起死回生を狙って昨秋には県の取り組みとして「『47(そこ)から始まる栃木県』プロジェクト」を発足してきた。県の関係者によると、

「バスケットBリーグ1部、宇都宮ブレックスの田臥勇太選手やタレントの井上咲楽などの『とちぎ未来大使』がPRに務め、さらに栃木県の出身ではありませんが人気お笑いトリオの〝3時のヒロイン〟を起用して栃木の魅力を動画などで全国に発信してきました」

単にランキングのアップを狙った突貫的な対策とも言えなくもないのだが、それでも、努力(?)の甲斐もあって今年は41位にアップした。福田知事も「結果にかかわらず、県産品販売、観光誘客、移住・定住の三つの重点分野において、地域資源の磨き上げや情報発信に積極的に取り組むことで本県のブランド力向上を図って参ります」と、とりあえずは納得した感じだった。

しかし、その栃木県と入れ替わる格好で再び最下位に急落したのが茨城県。

同県は、今回の調査結果が発表される直前の10月8日に「7年連続最下位だった茨城県が語る!」と自虐的なキャッチをつけたニュースレターを各メディアに配信した。題して「魅力度最下位の過ごし方」。

内容的には「魅力発信の取り組みを大公開」として「恒例になったユニークなキャッチコピー」「魅力発信座談会」「PRキャンペーン」「パブリシティ」「アンテナショップ」「職員のPR」などで構成しているが、その冒頭では、

「茨城県は、ブランド総合研究所が実施している『都道府県魅力ランキング』に調査結果において、2013年から7年連続で47位(最下位)でしたが、昨年2020年に42位に浮上し、大きな話題となりました。(中略)間もなく今年のランキング発表の時期を迎えますが、茨城県は今後もランキングの結果に一喜一憂することなく、県内の魅力を多くの方に知っていただけるように、魅力の発信に邁進してまいります」

と、どうやら今回の調査結果には自信があったようだったが、出てきた順位には、さすがにショックを隠しきれなかったようだ。担当者は「意味がわからない」とし、報道陣に感想を聞かれた大井川和彦知事も「ランキング自体が賞味期限切れ」と言うのが精一杯で、「痛くも痒くもないと言うのが県民の本音」と強がりを見せていた。

ただ、県の職員を気遣ってか、魅力度アップの成果は上がっているとし「今後も取り組みは続けていく」と現状打破を目指していくことを明らかにしている。

群馬県の山本一太知事「法的措置を検討」


その一方で、この調査に「納得できない」と激昂したのが群馬県の山本一太知事だ。何と調査結果に対して「法的措置を含め検討を始めた」とブチギレた。

「なぜ、結果が下がったのか理由が判然とせず、根拠不明確なランキングによって県に魅力がないとの誤った認識が広まる」

と語気を強め、さらに「群馬県民に対して失礼だ」と激怒した。

山本知事の発言に対し、13日放送のTBS系「ひるおび」に出演した落語家の立川志らくは呆れ顔で「ギャグの一つぐらいに捉えればいい。まともに受け止め過ぎ。それより、他にやることがあるでしょ」と、コメントしていた。

もっとも、メディア関係者の中には「山本知事のパフォーマンスでは」などと皮肉る声も。

「昨年、栃木県知事が抗議して、今年はランクがアップしたので、だったらと、メディア向けに怒ったように思いましたけどね。もちろん県民に対しても頑張っている感を見せたかった部分もあったとは思いますが、さすがメディア慣れした政治家ですよ」

実は人気!?余裕の埼玉県


ところで、前回38位から45位にランクを下げた埼玉県はどうか?県の関係者に聞くと、

「個人的には最下位になった方が話題になって面白かったかも」

と楽観的な答えが返ってきた。それにしても、この余裕は一体、何か?

「住宅ローン専門金融機関の『本当に住みやすい街大賞2021』では川口が1位に輝いています。その他にも住みたい街ランキングの上位に浦和や大宮などがランクインしていますからね。確かに、東京のベッドタウンとして県への愛着度は低い部分があるとは思いますが、それ以上に住みやすさで満足しているので、このようなランキングはシャレとしか捉えていない人が多いと思いますよ」

数字に一喜一憂するのが日本人の国民性とも言えなくもないが、結局のところ、「都道府県魅力度ランキング」は、メディアでの扱われ方次第ということのようだ。

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