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分配の財源や野党協力などで論戦 党首討論会

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日本記者クラブ主催9党首討論会(2021年10月18日) 出典:立憲民主党

Japan In-depth編集部(阿部翔太郎)

【まとめ】

・衆院選を控え、国政政党9党の党首が公開討論会に臨む。

・複数の政党が公約に掲げる消費税減税や、その財源について意見交わされる。

・野党側、選挙協力は20項目の共通政策に限定と主張、与党は批判。

衆議院総選挙(19日公示、31日投開票)を控え、日本記者クラブ主催の与野党9党党首討論会が18日午後開催された。

出席したのは以下の9党首。

岸田 文雄  自由民主党総裁

枝野 幸男  立憲民主党代表

山口 那津男  公明党代表

志位 和夫  日本共産党委員長

松井 一郎  日本維新の会代表

玉木 雄一郎  国民民主党代表

山本 太郎  れいわ新選組代表

福島 瑞穂  社会民主党党首

立花 孝志  NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で 党首

今回の討論会では、まず各党党首がそれぞれ最も伝えたい政策などを冒頭発言として述べた後で、各党党首が任意の他党党首を使命し討論を行った。そして、党首同士の討論セクションの後には、討論会を視聴している記者などから寄せられた質問を参考に、会場にいる日本記者クラブ企画員が代表質問を行った。

■ 各党党首発言

冒頭の党首発言では、自民党の岸田文雄総裁から各党首が順番に30秒の持ち時間で自分の党の最も伝えたい政策などを述べた。

まず自民党岸田文雄総裁は、病床確保と合わせて大型の経済対策を用意するなど、コロナ対応に力を入れることを強調した他、総裁就任後繰り返してきた「新しい資本主義」への転換と、現実的な外交安全保障にも触れ、この3点を中心政策として訴えていくと述べた。

▲写真 岸田文雄自民党総裁(2021年10月17日) 出典:自民党

続いて発言を行った立憲民主党の枝野幸男代表は、「支え合う社会を作る」ことを強調し、コロナによる打撃を受けた商売や暮らしの回復や、アベノミクスで固定化された格差や貧困の解消に積極的に取り組む姿勢を示した。

▲写真 立憲民主党枝野幸男代表 出典:立憲民主党

続く公明党山口那津男代表は、0歳から18歳までの子供に一律10万円の給付を行うことなど、「日本の未来を担う子供たちを全力で応援する」ことを強調し、子供世代のための政策に力を入れると述べた。

▲写真 公明党山口那津男代表 出典:日本記者クラブ 動画:9党党首討論会よりキャプチャ

共産党志位和夫委員長は、政権選択選挙であることを強調し、「格差と貧困を酷くし、国政私物化疑惑にまみれ、コロナ失政で多くの犠牲を出した安倍菅政権を引き継ぐ岸田政権には日本の政治を任せられない」と、自民党政権を批判した上で、「政権交代を実現し、国民の声が生きる新しい政権を作りましょう」と呼び掛けた。

日本維新の会松井一郎代表は、日本がこの30年成長をしていないのは、行政制度や規制の改革が進んでいないことが原因と述べ、大胆な改革に取り組む姿勢をアピールした。

国民民主党玉木雄一郎代表は、「給料が上がる経済の実現」を訴え、50兆円規模の緊急経済対策などの大胆な積極財政への転換によって、賃金デフレの脱却を目指すことを強調した。

▲写真 国民民主党玉木雄一郎代表 出典:国民民主党

れいわ新撰組山本太郎代表は、コロナ以前から続く不景気の解消には消費税の廃止が必要不可欠だと説明し、「消費税廃止を含む徹底的な積極財政」を掲げた。

社民党福島瑞穂党首は、命、暮らし、人権を守ることを強調し、ジェンダー平等の実現、大企業の内部留保への課税などの政策を主張した。

▲写真 社民党福島瑞穂党首 出典:日本記者クラブ 動画:9党党首討論会よりキャプチャ

「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の立花孝志党首は、NHKのスクランブル放送化を目指していくことを主張した。

▲写真 NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で 立花孝志党首 出典:日本記者クラブ 動画:9党党首討論会よりキャプチャ

■ 消費税や法人税巡り、与野党で見解分かれる

冒頭発言が終わると、党首同士の討論セクションに移った。ここでは、各候補が他の候補一人を指名した上で、その候補に対して自らの主張を交えて質問を行い、これに対して指名された候補が回答、さらにその回答を踏まえて質問者がもう一度発言をするという形式で討論が行われた。

党首同士の討論で特に目立ったのは、複数の党の政策に含まれている消費減税や法人税の引き上げなどの税制改革についての話題だ。また、自民党岸田総裁や、公明党山口代表、日本維新の会松井代表からは、選挙協力を進める立憲民主党をはじめとした四野党が政権をとった場合に、どのような政権運営が想定されているのかという点にも質問が及んだ。

討論会の中で最も多く話題に上った消費税の減税については、選挙公約の中でも減税を訴えている立憲民主党枝野代表や、共産党の志位委員長と、減税に否定的な自民党岸田総裁の間で見解が分かれる形となった。

冒頭発言でコロナ禍で打撃を受けた暮らしの回復を強調した枝野氏は、消費税減税についても、「当たり前の日常が取り戻される」までの比較的長い期間に渡って行う考えがあると述べ、コロナ禍で落ち込んだ消費の回復に積極的に取り組んでいく姿勢を鮮明にした。

また共産党の志位氏は、自民党が消費税は社会保障の財源であると繰り返し説明してきたにも関わらず、今年の5月に消費税を財源に入院ベッド数の削減に繋がる法案を採決したことを批判した上で、「コロナで傷ついた暮らしと営業を立て直すために消費税5%への減税は最も効果的だ」と主張した。

これに対して自民党岸田総裁は、消費税が「社会保障を支える大変重要な財源である」ことを改めて強調した上で、消費税を引き下げるとなると、それに伴う買い控えや再増税の際の消費減退が懸念されることを指摘した。またそれを踏まえ、経済対策については消費税のような恒久財源ではなく、機動的な財源を使うべきであると主張し、現段階での消費減税に慎重な姿勢を鮮明にした。

また、岸田総裁は立憲民主党などが掲げる法人税率の引き上げについても、「企業の海外への流出など、経済への様々な影響がある」として、慎重に考えるべきだと指摘した。

これを受けた立憲民主党の枝野代表は、資本金が100億円を超える企業が、資本金一千万円以下の企業より実際の法人税の負担率が低くなっていることを指摘し、法人税を引き上げることの正統性を再度主張した。しかし岸田氏はこれに対しても、法人税率の変更には「経済全体の活力や循環」を踏まえた丁寧な議論が必要だとして慎重な姿勢を崩さず、議論は平行線に終わった。

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