記事

小選挙区制が導入された理由は? 金権腐敗があったからではない 中選挙区制度に戻すの筋

北海道新聞の2021年10月12日付夕刊の記事が少々、気になりました。
 「政治改革道半ば カネ巡る事件 後を絶たず」

 この記事ですが、それまでリクルート事件やロッキード事件などは、中選挙区制に原因があり、自民党の派閥間抗争が危険腐敗を生み出していた、その改革が小選挙区制の導入という論調です。

 えっ?
という感じです。もともと小選挙区制の導入は自民党の悲願でもありました。中選挙区制度の問題だという論調は自民党の腐敗問題の原因を選挙制度に押しつけるものであり、自民党の腐敗の免罪でしかありません。

 小選挙区導入が叫ばれたときも「政治改革」という中味のないキーワードばかりが強調されていましたが、腐敗の問題が意図的に選挙制度の問題にすり替えられました。

 にもかかわらず、道新記事は、小選挙区導入が腐敗の問題があったからだという理解しかないから小選挙区制になったらカネの問題が解決するかのような論調になり、「道半ば」などといい加減な記事になるのです。

 小選挙区制は比較第一党が議席の大半を占めるというプレミアム付きという制度で、自民党が狙っていたのも当然でした。

 それは同時に社会党を解体するということでもありました。

 中選挙区制度では定数は3~5人となり、必ず社会党議員が1~2議席は獲得できます。そうなると改憲政党である自民党では絶対に3分の2を確保できません。永遠に改憲ができないということになるため、小選挙区制の導入は自民党にとっての悲願だったわけです。

社会党の解体の歴史 今や保守なのに「リベラル」だから排除 暗黒政治へと突き進む政党の右翼的再編

2021年10月3日撮影

 この小選挙区導入は同時に財界の悲願でもありました。革新政党は不要で、保守二大政党制の実現を求めていました。やはり前提は社会党の解体です。自民党が支持を失ってもそれが別の保守政党が受け皿になれば革新側に支持が集まることはないという目録見です。

 新自由主義構造改革を切望していた財界は同時に自民党などの政党の権力強化も求めていました。それは自民党議員が個々の利益団体の利権を代弁してしまうために構造改革の足かせになっていたためです。党執行部が公認権を握り、小選挙区で1人しか公認しないとなれば統制が可能になります。

 その典型例が小泉総理による郵政解散ですが、これは構造改革を断行するにあたって強力な統制でした。

 民意を正確に反映しない小選挙区制が民主主義に反するものであることは明らかでしょう。死票を大量に生み出すことこそ、小選挙区制の決定的な弊害なのです。 「道半ば」というものでありません。むしろ中選挙区制度に戻すことこそ筋です。

あわせて読みたい

「小選挙区制」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    ラーメン店と4℃が元で男を振ってしまう愚かなあなたへ

    いいんちょ

    10月26日 10:04

  2. 2

    小林よしのり氏、眞子さま小室さん会見に「素晴らしい記者会見だった!」

    小林よしのり

    10月26日 17:11

  3. 3

    ロックダウンせずコロナ封じ込めに「失敗」したスウェーデン 日本人移住者が語る生活のいま

    田近昌也

    10月26日 09:03

  4. 4

    世田谷一家殺人事件 21年めの新展開!警視庁が異例の実名出しで所在を追う「焼き肉店のアルバイト店員」

    SmartFLASH

    10月26日 17:16

  5. 5

    好きな人と結婚するだけなのに…日本人が「小室さんバッシング」に熱狂する根本原因

    PRESIDENT Online

    10月26日 11:22

  6. 6

    自民党に訪れている深刻な人材不足 力ある政治家を育てなかったツケ

    内田樹

    10月26日 16:08

  7. 7

    橋下氏&岸博幸氏が“脱成長”論を猛批判「自分の年収を100万にしてから言え!」

    ABEMA TIMES

    10月26日 12:25

  8. 8

    維新大躍進の予想 背景には庶民感覚を失った公明と共産の存在

    田中龍作

    10月27日 10:28

  9. 9

    どうなる衆院選!?前代未聞のコロナ禍で100年に1度の選挙となるか

    毒蝮三太夫

    10月27日 09:04

  10. 10

    にぎわい戻る日本に「油断しないで」 コロナ感染女性が綴る闘病と復帰後の苦しみ - 吉沢さりぃ

    BLOGOS編集部

    10月26日 09:31

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。