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新しいハウステンボスの魅力

ハウステンボスに行ってきました。ハウステンボスは創立以来ずっと赤字だったのですが、HISの会長さんが社長になって、1年で黒字になったそうです。

今回、ハウステンボスに行ったのは初めてなので、どう変わったかのかは実感できなかったのですが、あえて何も情報を得ずに感想を書いてみたいと思います。


まず、大きな勘違いをしていました。私はハウステンボスはオランダの町並みに花が敷き詰められた庭がついているような所で、お土産売り場やレストランがあるだけの施設と思っていました。


しかし、実際は、テーマ毎に6-7個のブロックに分かれており、それぞれにユニバーサルスタジオのようなエンタメ施設が用意されていました。ディズニーランド的といってもよいでしょう。


それぞれの施設の入館料は300-600円前後で、2800円くらいのチケットを買えば、無料で入れるモノも多数ありますが、中には100円だけ値引きとか、一切値引きがない施設もあります。

例えば、ワンピースのサンザンドサニー号に乗船するのは、一切値引きがありませんでした。

基本的に人気があるモノはそのチケットが使えないようです。



さて、何を変えたのかはわかりませんが、そういう前知識なしで感じたことを挙げていきます。


1)従業員の数がぎりぎりまで減らされている。

だいたい中小の施設だと一つの施設に店番的な人が1人しかいません。


2)従業員のホスピタリティーは各人に委ねられているようにみえる。

それらの施設の運用は割と各人に任されている感じ。

たとえば、うさぎをみつけられなかったミラー迷路では、他の客がいなかったこともあり、逆からうさぎのところまで案内してくれました。

また、人気で席が埋まってしまったエンタメ施設があったのですが、翌日だと割引を受けられません。すると、明日その旨を言って貰えれば、「たぶん」値引きしてくれますよ。とか。

彼は「たぶん」といったので、そういうことがルールとして決まっているわけではないようでした。


2回も大きく、経営母体が変わっているので、当初の見積もりに反して全然受けがよくなかった施設の建築費はサンクコストとして無視できます。

すると、一番響くのは、季節毎に入れ替える花だったり、従業員の給与になります。


それは1)のようにカットしましたが、スマホを始め、無料で遊べる娯楽があふれかえっている上にメインの顧客が老人の現代において、昔のように新しい娯楽施設が出来たというだけでは客は引っ張って来られません。



一番大事なのは、人と人のつながりです。



人とのコミュニケーションがあって、はじめてまた来ようと思えるのです。だから、ディズニーランドはホスピタリティーに力を入れて、それだけの従業員を揃えています。


しかし、ハウステンボスは花を入れ替えるという大きな経済的負担がかかるため、それができません。


そのため、二つのことをしているようでした。


3)選択と集中で、企画モノのイベントには人が割かれている。

その時は仮面舞踏会というイベントがあり、仮面を来た何もしていないスタッフが多数一日中広場をうろついていました。


仮面舞踏会の雰囲気を作るためです。


4)街角で、多くの大道芸人が芸をしていました。

彼らは最後チップを要求してくるので、恐らくハウステンボスからは経済的な支援はないのでしょう。

しかし、施設の利用料が最低300円くらいなので、チップもそれに合わせて高止まりする傾向があり、彼らも普通の街角でやるよりは実入りが良さそうでした。

実際、私が最後に体験した大道芸人にはあまりに面白かったので1000円払ったほどですから。


面白かったといっても、芸の内容が面白かったのではありません。



大道芸人って、圧倒的な芸を見せて、人々がその技術の高さに感動してお金を払うという仕組みのようにみえますが、実際は違います。


一番の違いは、払う金額は客が決めるということです。


しかも、比べる相手があまりいないので、どれくらい凄いモノなのかを客に実感してもらう必要があります。



そこで、彼らが使う演出テクニックは以下のようなモノでした。


i) 拍手の大きさを指定する。客には難易度がわからないため、難易度に合わない反応に対して注文をつけます。

ii) 「うわっ、できるかな~」など、不安な様子を客に見せます。(これは決まったお金を取るプロとの大きな違いです。)

iii) 失敗してもやり直す。

iv) 後ろの方で小馬鹿にする客もいるわけですが、「やれるもんならやってみろ」的なあおりを冗談っぽく入れて、前の方にいる客との精神的な分断化をはかり、前の方の客のロイヤリティーを上げる。

v) よく見えないだろうからと理由を付けて、前の方に来るように客に指定したり、最前の人を座らせる。そうすることで、客を増やし、前の客は立ち去れなくする。

vi) 必要なアイテムを持ってくるのを忘れたとうそぶき、かわりのものでやりますと一見難易度が上がったように思わせる。その時は、ジャグリングの棒の代わりにナイフを使っていました。

vii) 客にどこに入れるか指定させ、その答えに対して、それは出来ませんとうそぶき、でも、頑張りますといって成功させる。

viii) 難しい技に関しては、ちゃんとこれはさっきまでのと違って、かなり難しいんですと説明する。



これらに共通する目的は、応援してあげようという気持ちを客に持たせることです。



人を好きになるというのは、人と人のつながりでもっとも強力かつ次の動きに効果的な心の動きです。


一対多、その場その場の客の反応で勝負している大道芸人を沢山使うことで人と人のつながりを演出する、実は、ハウステンボスの一番の肝となるサービスだったりします。



一方、アメリカのユニバーサルスタジオはこれを、出し物の小屋の中でやっていました。赤の他人とのコミュニケーションが気軽に出来るアメリカだからこそ成功したモデルでしょうが、残念ながら、傍観者となって、初めて観るパフォーマーと積極的に絡もうとしない日本人には向かない方法です。だから、ハウステンボスの小屋の見世物ではほとんど人が演出に絡まず、3Dや大画面、水しぶきなど人ではないものに頼ったモノが多かったです。


大道芸人は昔からいたみたいなので、赤字解消のキーポイントではないでしょうが、積極的に海外からも大道芸人を呼んでいたりして、その点の方向性はぶれていないようでした。


ちなみに私が最後に見たパフォーマーはまだ高校生みたいでした。

その初々しさもよかったんですよね。

Performer SATOYAの活動日記

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