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出る杭を打つ日本に疑問 女性の活躍から見る日中社会 - 安藤美冬×齋藤ソフィー対談

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男女平等の度合いを示す「ジェンダー・ギャップ指数」が156カ国中120位(3月31日、世界経済フォーラム発表)と、先進国のなかでは最低基準である日本。

「女性の活躍」という言葉が叫ばれて久しいが、変化は起きているのか?

そんな疑問を胸に、フリーランスのパイオニアとして様々な挑戦を続けてきた安藤美冬さんと、日中両国のビジネス業界で活躍する齋藤ソフィーさんに対談インタビューを敢行。

「女性の活躍」を皮切りに、日本で感じる違和感や日中の違い、現代日本に必要なものなど幅広く語っていただいた。


「女性の活躍推進」にピンとこなかった

ソフィー:私は中国生まれ中国育ちで、日本の大学に留学する2003年までは上海にいました。中国では、普通に女性が社会の中で活躍していたこともあり、「女性の社会進出」を意識して考えたことはありませんでした。

働くのも結婚するのも当たり前、どんどん管理職になるのも当たり前。それが日本では"普通"じゃないと実感して初めて意識するようになりました。

安藤:私は東京で生まれ育ちましたが、前職の出版社では女性が当たり前に活躍している職場でした。

その後、フリーランスとして働くなかで、子育て・結婚生活と仕事を両立しながらバリバリ働いている人や、あえて結婚しない選択をして仕事に邁進する人など、いろんなタイプの女性に出会ってきました。だから、「日本で女性の活躍推進を」と言われても、あまりピンとこないというのが率直な感想です。

年齢を聞く日本の文化に違和感


安藤:一方、日本で違和感を抱くのは、ニュースなどで"女性"政治家や"女性"コメンテイター、"女性"起業家などと「女性」の冠がつけられることです。メディアでは人を紹介する際に年齢を表示することが多く、バラエティ番組やワイドショーでは未婚か既婚かを話題にすることもあります。

ソフィー:ええ!結婚しているかどうかも伝えるんですか?

安藤:「独身の大物女性芸人」と言った表現を目にしたことはありませんか?

これまで60カ国近くの国に仕事やプライベートで足を運び、いろんな人たちと接してきましたが、年齢を質問するのは日本人特有だと感じています。日本では、出会ってすぐの人にも年齢を聞きますから。

ソフィー:韓国もそうですよね。敬語を使うか否かを確認しないと、会話が始まらないという文化の違いもあると思います。

安藤:確かにそうですね。でも日本は少し事情が違う気がします。

ソフィー:上下関係の確認とは違うんですか?

安藤:例えば「相手が年下であることを確認して安心したい」とか。

ソフィー:なるほど。

優しい日本とバイタリティーのある中国

ソフィー:日本と中国の間でも違いは多くありますよね。

例えば、中国で男性が「結婚したら仕事を辞めてくれる?」なんて女性に言ったら、多分、その男性は一生結婚できなくなるんじゃないでしょうか(笑)



ソフィー:また、ビジネスも含めて日中の大きな違いとして感じるのは変化のスピードです。

日本で「女性の活躍」というのは10年以上前から言われている気がしますが、いまだに変わっていない。私は日本に来て10数年が経ちますが、その間に女性の働く環境が大きく変わった実感はありません。

もちろん、日本にはたくさんいいところがあります。一番思うのは社会が優しいこと。

中国は男女関係なしに成果主義なので、ある意味では非常に厳しい社会と言えます。できる人はどんどん活躍していきますが、できない人、挑戦しない人は容赦なく置いていかれてしまう。だから、皆がどんどん挑戦していく。中国社会は数年経てばがらりと変化します。

安藤:すごくバイタリティーがありますよね。

ソフィー:サバイバルです(笑)

日本はみんなが優しいから、「そんなに変わらなくても大丈夫だよ」と受け入れてくれる。起業の面でもそれはあって「女性だから大目に見てあげる」「女性だから仕方ないよね」というマインドは感じます。だからこそ、色眼鏡をかけられて、男性と比べたらチャンスが少なくなってしまうといったことが起きるのかもしれません。

女性の挑戦が個性として受け入れられない


安藤:日中どちらも、良いところやそうでないところはありますよね。日本はみんな親切だし、とても整列された国だと思います。

ソフィー:本当に生きやすいですよね。

安藤:でも、横にきちんと揃っている、整列されているからこそ「出る杭は打たれる」という考え方が生まれます。中国だとみんな「出る杭」になろうとしているから、そういう意識はないんじゃないですか?

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