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「10年以上無職のダメ人間だと妻に言えず」生活費欲しさに結婚詐欺を繰り返した夫

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怒りで体を震わせ涙を堪えながら意見陳述した被害者

Getty Images

続いて行われたのは、被害者の意見陳述。裁判官が認めれば被害者が証言台に立って陳述書を朗読する事ができますが、ほとんどは代理で弁護士が朗読したり、衝立を立てたり、姿を隠した状態で行われるものです。

それが、Aさんは顔を隠すこともなく(口元はマスクで覆われていましたが)、傍聴席から立ち上がると堂々と証言台まで向かって意見陳述を始めました。

捜査に関わった関係者に感謝を告げると、真横に座っている被告人への想いを極めて冷静に朗読。被告人が6年間騙し続けていたメールなどを読み返し、怒りで体が震える日々を送っていること。50万円を無心された時は親戚を頼って欲しいと一ヶ月も断っていたこと。何度も累積金額を被告人に伝えていたのに、前回の法廷で被告人が「2000〜3000万円かと思っていたんですけど」と述べていたのがお金を借りていたという認識をしていた態度とは思えないこと。

去年8月の謝罪の時に「今は建築会社で月15万ほどの収入、あと夜はコンビニのバイトをして月6万円稼いでいる」と言っていたのに前回の法廷で本当は無職だと判明。ずっと被告人の謝罪文を拒否していたが意見陳述の為に読むと5行しか書いてなかった…など、途中怒りで体を震わせたり、涙を堪えたりしながら20分ほどの意見陳述となりました。

真横に座っている被告人は当然黙って座ったまま聞いていますけど、被害者もよく冷静でいられるなと。

この後、検察官の論告です。

結婚を前提に交際をして、複数の女性に虚偽の書類を見せ、ウソにウソを重ねて合計で490万円を騙しとった悪質な事件。しかもAさんに関しては起訴していないものも含めると6年間で3000万円もの被害。Aさんの事件発覚後にBさんの事件を起こしているため再犯の可能性も高いという事で、懲役3年を求刑です。

一方、弁護人は監督する妻もいるし、前科もない。定職に就いて全額返済すると約束しているとして執行猶予判決が相当だと弁論していました。

裁判官「被告人、証言台に来て立って下さい。これで審理を終えますけど最後に何か言っておきたい事があればどうぞ」
被告人「被害者に対して、浅はかで思慮に欠けた言動で精神的に経済的に苦痛を与え、悔やんでも悔やみきれません…」

加害者側があんまり「悔やんでも悔やみきれません」とは言わないよなと思ったら、傍聴席に座っていたAさんが勢いよく立ち上がって法廷の外に出て行ってしまいました。その後も1~2分続く被告人の最終陳述。反省とは自分に言い聞かせるものなのか、一体なんなのだろうと。

裁判官「被害弁償を考慮すると、次回公判は11月上旬ですかね」

弁護人と検察官の予定をすり合わせ、判決は11月10日に決められました。裁判官としては被告人が次回までに50万円を払う想定で期日を決めたようです。

それにしても法廷内の受け答えを見ていると、被告人のモジモジした感じとか、自分の職歴も覚えていない頼りない感じとか、人を騙す能力に長けている人物という印象はありませんでした。言葉巧みに詐欺をしていたのだろうなと思います。

本当に人は見掛けによらないもの。頼りないからこそ助けてあげたいと思わせる何かがあるのかも知れないけど。

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