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ひろゆき「"年金なんて払うほど損する"と考える人が根本的に間違えていること」

「どうせ年金はもらえない」「払うほど損をする」。現役世代にはそう考えている人が少なくない。しかし、2ちゃんねる創設者のひろゆきさんは「それは間違いだ。年金は金融商品と考えれば、意外に優秀だ」という――。

※本稿は、ひろゆき『ひろゆきのシン・未来予測』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu

「年金はもらえない」の噓

ネット記事などで「年金は損するから払うな!」と書かれているのをよく見ます。

なぜか僕も「年金払うな側」の人間だと思われがちなのですが、僕のスタンスは「年金は払っておいたほうが将来トクをする」です。年金は意外と、優秀な金融商品なのです。

年金ではなく、投資などで貯蓄を増やしていこうとすると、給与から税金を天引きされた残りが原資になります。

一方、年金だと、まず給与から年金の保険料分を差し引き、そこに税金がかります。つまり、税金の徴収額が少なくなる分、年金のほうがトクをするのです。

また、今の若者世代であっても、おおよそ支払った分くらいの年金はもらうことができます。

みずほ総合研究所が出したデータによると、1995年生まれの人が平均余命まで生きたときの国民年金支給額は支払った分の1.2倍から1.5倍です。また、厚生年金であれば、支払い分の2倍以上を受給することができます。

こうやって年金の仕組みやデータを見ていくと、「年金はもらえないから払うと損をする」という発言は間違っていることがわかります。

自分自身で老後予算をすべてつくり出せるカリスマ投資家以外は、しっかり年金を払っておいたほうがいいのです。

でも、それだけでは暮らせない

ただ、勘違いしてほしくないのですが、「年金だけで暮らせる」と言いたいわけではありません。年金はある程度もらえますが、生活費すべてをまかなうほどの額にはならないでしょう。

元金融担当大臣の竹中平蔵さんが、ネットで持論を展開し炎上したことがありました。そのときの竹中さんの発言内容はおおまかに以下のようなことです。

「今の日本の問題は、老後は国が支えてくれると国民が思い込んでいること」

「年金で高齢者全員を生活させるのは無理」

「生きる分のお金は自分で用意しなければダメだ」

これ、竹中さんが自分の願望を述べたわけではありません。ただの事実を伝えただけです。僕もまったくその通りだと思っていますし、ちょっと考えれば当たり前のことなのです。

もともと日本の年金制度は、将来の自分の分を自分で用意する「積立方式」ではなく、「賦課方式」を取っています。賦課方式とは、お金を稼いでいる現役世代が、年金受給世代の必要とする分を国に納めるというものです。

実は、このシステムが考え出された当時、日本人の平均寿命は約66歳。60歳で定年を迎えてからの数年間を暮らせるように、というレベルだったのです。

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yusuke Ide

ところが、今は80歳過ぎまで生きるのが当たり前になって、年金を受け取る年数が長くなりすぎています。また、多くの人が長生きすることで、年金受給者の絶対数も増えます。

一方で、これから現役世代の人数は減っていくわけです。となれば、年金制度が誕生したときのような役割をずっと果たすのは無理に決まっています。

介護保険も25年で5000円以上の負担増に

ちなみに、制度疲労を起こしているのは、介護保険も同様です。

自治体は3年ごとに介護保険事業計画の策定および見直しを行うことになっていますが、そのたびに保険料が跳ね上がっています。

2000年には2911円だった全国平均の保険料は、20年後の2020年に6771円にまでアップしています。そして、それから5年しか経たない2025年には8165円にまで上昇すると見込まれているのです。

介護保険は「65歳以上の高齢者または40歳から64歳の特定疾病患者のうち介護が必要となった人を社会全体で支える仕組み」とされています。そのため、40歳になると加入が義務づけられ、保険料の支払いが生じます。

実際には、40代、50代で介護が必要となるケースはまれでしょうから、ここでも年金制度のように、働き盛りの世代が高齢者を養うという構図が生まれます。

しかしながら、今後さらに高齢者が増えていくことを考えれば、介護保険制度の維持は非常に困難だと言えるでしょう。

「老後2000万円問題」とは何だったのか?

日本の人口構成は、1950年頃の理想のピラミッド型から、上から下に向けてだんだん細くなっていく形に変化していきます。NHKのドキュメント番組では「棺桶型」などと言われていました。意味深なネーミングですね。

人口構成を見る限り、今の現役世代が年金受給世代になったときには、もはや資金の出所が足りないのは明らかです。政府ももちろん、それはとっくにわかっているから、たびたび年金の受給年齢を引き上げるなどの見直しを行っています。

また、竹中さんが口にしたような「事実」を少しずつ国民に見せ、自立を促したりもしています。

「老後2000万円問題」はその典型です。

年金制度に不安はあるけれど、そこで思考停止していた多くの国民は、ある日突然「老後に夫婦2人が生活していくためには、2000万円の貯金が必要です」と言われて大きなショックを受けたわけです。でも、まともに計算していた人には「何を今さら」という感じでしょう。

2000万円という数字の根拠は、総務省の「家計調査(2017年)」における高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)をモデルケースに算出されています。

このモデルケースの場合、年金を中心とした収入が20万9198円、支出が26万3717円で、毎月約5.5万円の不足が出ます。そこで、あと30年生きるためには以下が必要だというわけです。

月5.5万円×12カ月×30年=1980万円

ひろゆき『ひろゆきのシン・未来予測』(マガジンハウス)

つまるところ、今の現役世代は(あるいはさらに若い人たちは)、自分の老後のために、徹底した準備を自分で整えなければならないのです。

もっとも、これは日本だけの問題ではありません。どの国に住んでいようと、お金がなければずっと働き続けなければなりません。北欧や中東の豊かな一部の国を除いて、どこも同じようなものです。

年金はあくまで生活の一部を支えてくれるもの。足りない部分は自分たちで用意しなくてはいけない。こうした考え方にシフトして、今のうちから備えをしている人だけが、数十年後、幸せな老後生活を送れるのです。

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ひろゆき(ひろゆき)

2ちゃんねる創設者

本名は西村博之。1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、『無敵の思考』『働き方 完全無双』(大和書房)、『論破力』(朝日新書)などがある。

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(2ちゃんねる創設者 ひろゆき)

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