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「産学共同」の可能性について考えてみる

何度も同じ事をいって恐縮だが、若者に取って20代の過ごし方は本当に大事だと思う。 第一の理由は、人材のボーダレス化が加速し日本人だけで競争していて良かった時代が終わってしまったからである。

「正社員」という「身分」で説明した様に、三菱商事の如き日本を代表する名門企業であっても中核部門がすっぽりシンガポールに移転してしまう。

結果、先ず、シンガポールに移れる人材とそうでない社員の仕訳が行われる。幸い、シンガポールに行きに選別されたとしても、世界中から集められた有能なグローバル人材との競合に打ち勝たねばならない。

今一つの理由は、日本企業に嘗ての勢いはなく、「正社員」であったとしても何時雇用調整の対象になっても何の不思議もないという事実である。

「正社員」という「身分」は、嘗ては「年功序列」と「終身雇用」を保障してくれたが、現在は「トカゲの尻尾」に過ぎないという事である。従って、何時切られてもおかしくはない。

従って、若者は20代の内に研鑽を積み30才の時点で世界で通用する人材にならねばならない。

しかしながら、若者を取り巻く環境は決して芳しいものではない。

若者が失ったものは「修行の場」では?で説明した通り、企業での職業訓練の場を失ってしまったからである。
大学は相変わらず職業訓練には消極的である。多分、将来も何もしないであろう。
一方、企業は疲弊しそれどころではない! 人事施策といえば、65歳定年延長への対応であるとか、バブル世代の企業からの引き剥がし(要はリストラ)で手一杯という所ではないのか?
「基礎教育」に専念すると称し20年前の教科書の説明を永遠に継続する積りの大学と、新人の職業訓練にまで手が回らない企業との間には大きな溝がある。

そして、若者はことごとくこの溝に落ち込み二度と這い上がって来る事はない。誠に以ておぞましい光景である!

私は、「産学共同」に事態を打開できる可能性を感じている。

そういう経緯もあって、今月27日開催予定の月例勉強会講師を従来からの勉強会メンバーである、株式会社日本ヒューマンバイオ代表取締役、内山 憲一氏にお願いした。

私が同社に注目したのは、実際に大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科と「特異抗体を用いた新規治療法の開発」のテーマで共同開発を展開されているからである。

何より良いな!と感じたのは大学院学生も授業の一環として参加し、大阪府立大学での抗体技術の伝達が行われているという事実である。

内山社長によれば、今後具体的な「商品化」のステージとなれば同社から大阪府立大学へマーケティングも含めフィードバック予定との事である。

大学院学生が参加した「基礎技術開発」が実際に商品化され「商流」に乗り「市場」で販売され「富を生む」事を一気通貫、リアルに体験出来る訳である。

知財を活用し、民間企業が大学との共同開発を行い、知的財産を蓄積しそれをマネタイズ化する。又、情報を互いにフィードバックし合う事で新たな市場の開拓に直結さす。

正に、好ましい、成功、繁栄に向けてのあるべきスパイラルであると思う。

既存企業の垢にまみれた現役世代が「レッドオーシャン」から抜け出すのは難しいと思う。抜け出すための発想が出来ないからである。

学生が、こういった共同研究の場に身を置く事で「知的財産」の価値を知り、「知的財産」を武器としてどう使いこなすか研修する。

更には、先端技術の価値と方向性に対し高いリテラシーを持つ。

次いで、決して独りよがりの陥穽に落ちる事なく市場トレンドを見据え「商品開発」を行う。その際、ある程度は具体的な「商流」のイメージが持てれば更に善しといった所か。

言い換えれば、「ブルーオーシャン戦略」を実感として体験するという事かも知れない。

尚、当日の勉強会には「知財」分野の第一人者と称される先生(東大教授)他大学関係者にも出席戴き、「知財」や「大学」の立場からご助言を戴ける予定である。

又、昨日のアゴラ記事、精神を病むに至った若者をどうやって救済するか?で紹介したグロービット代表取締役の大竹由将氏が急遽マレーシア、ペナンから駆けつけてくれる事になった。

次のステージとして期待出来る「アジア新興産業国への横展開」のテーマで内山社長も交え議論する積りだ。

注:株式会社日本ヒューマンバイオ、大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科間共同研究内容は内山社長よりお聞きしたもので、大学への取材はしておりません。

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