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  • 2013年02月14日 18:50

レーダー照射と中国の文民統制について

 山田厚史元朝日新聞編集委員が『ダイヤモンド・オンライン』に書かれていた「揺らぐ日中の『文民統制』 レーダー照射の背景に透ける危うい構図」が興味深かったので、これについて少し。

1 記事の紹介

 これは、中国軍艦によるレーダー照射問題に関連して「中国側に「政府の意思」と「軍の行動」の乖離があったのではないか。共産党と人民解放軍に亀裂が生じている」のではないかという記事です。

 「中国の統治は共産党が国家=政府と軍を指導・掌握」し、「習近平が間もなく国家主席になる中国政府にとって」、日本は経済関係もあり大事な関係だが、「解放軍の立場は違う」としています。

 「毛沢東や鄧小平は文字通り指揮官として戦った」が、江沢民のように「軍に足場のない指導者がトップに立つようにな」ると「軍と党の間にすきま風が吹く」こととなり、「共産党の腐敗・劣化」を原因とする人民解放軍内部の「共産党離れ」が問題を更に複雑にしていると指摘しております。

 こうした中国に対応するには、「親日勢力を育てていくことを戦略的に進めていくしかない」が、今回のレーダー照射事件の日本側の対応は、どうだったのかと疑問を呈し、「本来なら外交ルートを通じて中国側に憂慮を伝え、善処を求めて公表の可否を検討することが筋だろう。場合によっては中国側の面子に配慮する懐の深さがあってもいい」と述べています。

 そして「首相と防衛相があたふたと公表を決めた今回の手法に『政治的は未熟さが露わになった』という声もある。」として終わっている記事です。

2 個人的感想

 この記事は表題にもあるように日中の文民統制に疑問を呈したもので、日本側では、「『防衛省の突出」があ』り、「外務省を飛び越え『中国の暴挙』を国際社会に訴えた」ことはどうだったのかというわけです。

 ただ、今回の問題の公表を最終的に判断したのは、文民である阿倍首相であり、自衛隊(防衛省)は文民に統制されており、これをして「防衛省の突出」とか「外務省を飛び越え」と批判するのは如何なものかと思った次第です。

 もちろん今回の問題については、強硬論一辺倒で片がつくとは思っていませんし、日本側の対応も全く問題が無かったとは考えていません(中国に「レーダー照射」に対する日本の対応)。

 ただ、今回レーダー照射という度を超した挑発行為をしてきたのは、中国の海軍であり、より詳しく人民解放軍の問題について言及していただければと考えたのが本当のところです。

 というのは、記事ではあくまで共産党の腐敗や、現場との乖離などが原因で「軍と党の間にすきま風が吹く」としております。確かに共産党の腐敗は目に余るものがありますが(副省長の視察の締めくくりは女性とホテルに入ること?)、これは何も共産党に限った話ではなく、人民解放軍の腐敗もかなりひどいものがあります。

 軍がビジネスをして、勝手に金を儲けているという話を聞いたこともありますし、嘘か本当か、あそこは軍が運営しているホテルだから、中で売春をしようが何をしようが公安は関与できないということを、まことしやかに教えてくれる中国人もいました。

 また、習近平は軍の力を利用して権力闘争を勝ち抜いたという面もなきにしもあらずなので、彼がどこまで軍に睨みをきかせることができるかとなると確かに疑問符もつきます。

 そういう意味で、現場が衝動的に何かをしでかしてしまうという可能性は無きにもあらずで、「文民統制」というのなら、こうしたところも含めていろいろ教えていただければなと考えた記事でした。

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