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北朝鮮核実験/核廃絶求める世論への挑戦/安保理決議違反、国際公約踏みにじる 無条件で「6カ国協議」復帰を

安保理決議違反、国際公約踏みにじる 無条件で「6カ国協議」復帰を


 北朝鮮が12日、3度目の核実験を強行しました。これは核兵器のない平和な世界を求める国際世論への重大な挑戦であり、「核実験またはいかなる挑発もこれ以上実施しない」よう迫った国連安保理決議2087(1月22日採択)にも違反するものです。北朝鮮の今回の実験強行は、同国がどんな理屈を持ち出そうとも決して正当化できるものではありません。

 安保理決議2087は、昨年12月に北朝鮮が強行した「ロケット」(事実上の長距離弾道ミサイル)発射を非難したもので、これまで慎重な態度を取ってきた中国やロシアも賛成に回り、全会一致で採択されたものです。

 この決議は、「すべての核兵器及び核計画を、完全な、検証可能な、不可逆的な方法で放棄する」ことを要求しています。

 北朝鮮は1月23日の外務省声明で、この決議採択について安保理を批判。「核抑止力をも含む自衛的軍事力を質量的に拡大・強化する任意の物理的対抗措置を取ることになる」と述べ、3度目の核実験強行を「予告」しました。

 いま、世界は核兵器廃絶に取り組む機運が着実に広がっています。昨年10月、北大西洋条約機構(NATO)加盟のノルウェーとデンマークを含む国連加盟34カ国が、軍縮・国際安全保障問題を扱う国連総会第1委員会で、核兵器の非人道性に懸念を表明し、「核兵器が使用されない唯一の保証は全面廃絶だ」「すべての国は核兵器を非合法化する努力を強めねばならない」とする共同声明を発表したことはその一例です。北朝鮮の核実験強行は、こうした国際社会で高まる核廃絶の声に真っ向から対立する行為にほかなりません。

核兵器と同時に「ロケット」開発

 北朝鮮は、「ロケット」を非難した安保理決議2087が、同国への「敵対的措置」で、それへの反撃だとして核実験を正当化しています。

 さらに、韓国が今年1月末に人工衛星を打ち上げた際、これを容認した米国に対して「南側の打ち上げをかばうのは、恥知らずな二重基準だ」と非難しました。

 しかし、「ロケット」と称する北朝鮮のミサイル発射が批判されているのは、北朝鮮が2005年2月に核兵器の「保有」を宣言し、核実験とミサイル実験を同時並行で繰り返してきたからです。

 北朝鮮が実際に核兵器開発を続ける国だからこそ、各国は核兵器を搭載可能な長距離ミサイルともなりうる「ロケット」開発を問題視し、国連安保理もその発射を厳しく非難してきたのです。

 北朝鮮の核実験は06年、09年に続くもの。国連安保理は2度目の核実験直後に決議1874を採択し、「いかなる核実験または弾道ミサイル技術を使用した発射もこれ以上実施しない」ことを要求しました。

 今回の行為はこれら安保理決議に違反するだけでなく、北朝鮮が1992年に韓国と交わした「朝鮮半島の非核化に関する共同宣言」や、核兵器計画の放棄に同意した「6カ国協議共同声明」(2005年)にも反しています。北朝鮮自身が国際舞台で約束した公約を反故(ほご)にする態度です。

経済発展のためにも核開発放棄を

 安保理決議2087は6カ国協議への支持を再確認し、その再開と目的の達成、かつ朝鮮半島の非核化と北東アジアの平和と安定を維持するための道筋を示した、05年の共同声明の迅速な履行を求めました。また北朝鮮のいかなる行為に対しても、国際社会は軍事的対応を厳しく戒めました。

 潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は決議採択後、「朝鮮半島の非核化と地域の永続的平和を実現する唯一の道は対話だ」と強調。6カ国協議の再開へすべての当事者が努力するよう呼び掛けました。

 北朝鮮が核開発に固執し、国際法や国際合意に違反するなら、国際社会からの非難はますます強まり、一層の孤立は避けられないでしょう。北朝鮮が取るべき道は、核兵器やミサイルの開発ではなく、6カ国協議による対話と交渉に再度踏み出すことです。

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党第1書記は、元日に行った「新年の辞」で、「経済強国建設と人民生活の向上」「南北対立の解消」などを重点項目に掲げました。

 核兵器やミサイル開発の放棄と、国際的な無法行為を清算してこそ、北朝鮮は国際社会の責任ある一員として認められます。そこにこそ、経済発展や国民生活向上という目標の達成への道があります。

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