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アメリカは市場原理主義の国か?-2

前回は配当課税の国際比較を簡単に見た。アメリカの配当課税は決して低くないし、今後税率が引き上げられた場合にはG10の中で最も高い税率になるというものだった。

今回は法人税に関してみてみよう。世界中の国が法人税の引下げ競争を行っている時代だ。アイルランドなどは12.5%という低い税率を活かして数多くの企業を誘致している。不動産バブルで国家財政は破綻の危機に瀕したがその後最も迅速に回復の道をたどっているのも低い税率によって経済の潜在成長率が底上げされているからなのは言うまでもない。スターバックスなどもイギリスではなくアイルランドに欧州の本社を置いている。

またフランスも経済の競争力を回復するために、消費税(VAT)を挙げる一方で法人税を引き下げることを決定した。あの社会主義的で市場が大嫌いなフランスですらそういった方向の改革を行っているのだ。では、アメリカの法人税率というのはどれくらいなのだろうか?下のグラフにあるように日本と並んで世界で最も高い部類である。


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(CNN  U.S. corporate tax rate: No. 1 in the world より)

もちろん言うまでもなくアメリカでもこの高すぎる法人税を引き下げようと言う議論がある。金持ちたたきに熱心なオバマもこれに関してはノリ気のようで来年にかけて法人税制の抜本的な改革が話し合われるとの見かたが有力なようだ。

日本では野田政権が消費税をあげたがそれを財源にさらに法人税を引き下げてほしいものだ・・・。

いずれにしてもアメリカは市場原理主義の国というのはこれを見ただけでもなんか違うかもしれないというのがわかるだろう。いや。アメリカは市場機能を大切にする国ではあるが異常なまでにそれを突き通している国でもないし、貧富の差は大きいがだからといって企業部門が異常に優遇されているわけではないというのが少なくともわかるはずだ。

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