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「eBayの逆バージョン」と呼ばれるマーケットプレイス型ECサイト

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Rewarder」は「Reverse-eBay(eBayの逆バージョン)」と呼ばれるユニークなマーケットプレイスだ。「売りたいものを登録するマーケットプレイス」であるeBayに対して「欲しい物を登録するマーケットプレイス」それがRewarderだ。

Rewarderではモノだけではなく「ナレッジ(知識)」も販売可能だ。これらをひっくるめて「ニーズ」とよんでいる。購入希望者がニーズを登録し、そのニーズを応えられる人が販売者となり取引をする。

正規版のサービスが始まったのは2012年10月とかなり最近だが、その前に運営されていたベータ版のときすでに10万人以上のアクティブユーザーを集めており、投稿された報酬の総額は1000万ドル(1ドル91円のとき、約9億1000万円)にのぼっていた。

このベータ版での成功が認められ、ベンチャーキャピタルからは700万ドル(同上、約6億3700万円)の資金提供をうけている。

今回は、この問答無用にユニークなeコマースを見ていこう。

世界中のナレッジや専門知識をマッピング

Rewarderを創業したのは、Kendall Fargo(写真、以下ファーゴ)氏とGraham Rasmussen氏の2人である。

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「Rewarderの最もエキサイティングな点は、誰もが持っているユニークなナレッジや専門知識を高く評価し、他者の手助けをした人に対して報酬を与えるということです。世界中の専門知識をマッピングすることによって、Rewarderは世界中の人々に、よりパーソナルなeコマース体験を提供することができると信じています」(ファーゴ氏)

人は誰もがユニークなナレッジを持っており、誰かにとって価値のある人間なのだという。彼は、人々にRewarderを通して「自分は価値のある人間なのだ」と感じてほしい、それがファーゴ氏の願いだという。

AmazonでもeBayでも解決できない「ニーズ」とは?

ひとくちに「ニーズ」と言ってもピンとこないと思うので、まずは投稿されているニーズのカテゴリーをご覧いただこう。

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Rewarderに投稿されるニーズには、大きく分けて「モノ」と「情報」の2種類がある。「モノ」の場合、もしあるユーザーが、誰かが探している「モノ」を持っているのであれば、それを送ってあげることができる。しかし、もしそれを持っていなかったとしても、入手できる方法を知っているならばそれも解決法の1つとなり得る。「情報」の場合は、情報を提供するだけなのでシンプルだ。

たとえば、「Easy to Win(簡単に解決できるもの)」カテゴリーには、

「サーベイに回答してください」(報酬1ドル)
「私たちのウェブサイトのベータテストに協力してください」(報酬10ドル)

などの比較的簡単なニーズが並ぶ。しかし「Unique Request/Need(ユニークなニーズ)」カテゴリーには、

「昔プロの写真家だった、今は亡き祖父が撮った写真を探しています」(報酬50ドル)
「クイズショー●●の、私の母が出演した回の録画版を探しています」(報酬75ドル)
「今はもう販売中止になってしまったスナック菓子●●を探しています」(報酬300ドル)
「レディー・ガガの未公開曲●●のフルバージョンを探しています」(報酬400ドル)

といったAmazonやeBayでは解決できないようなニーズがズラリとそろう。

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「Clothing(衣類)」カテゴリーや「Cars and Car Parts(車やそのパーツ)」カテゴリーには、ブランドや型を指定したアイテムが並んでいる。

「Hard to Find/Collectible(レアもの、コレクションもの)」カテゴリーには、限定販売ものなどのレアアイテムが並ぶ。「世界一のダイスコレクションを持つ男」としてギネス記録を保持するKevin Cook氏は、さらなるコレクションを求めてRewarderでレアなダイスを探している。

そのほかにも、「Looking For Someone(人探し)」カテゴリーで自分の父親を探している人がいたり、「Solve a Crime(事件解決)」カテゴリーで事件の手がかりを探している人がいたり、ニーズの幅は果てしなく広い。

このようなニーズに対して自分が解決できると思ったら、ニーズのページの「Win this Reward!」ボタンから投稿者に向けて解決法を送信する。そして投稿者がその解決法に承諾すれば、設定された報酬を勝ち取ることができるというわけだ。

Rewarderがとる今後の戦略

ファーゴ氏は、2013年の目標について次のように語っている。

「2013年に向けての目標は、Rewarderのコミュニティをより大きくすることです。そうすれば、人々は地球上のどこにいても、Rewarderの持つナレッジやリソースにアクセスすることができるようになります」

Rewarderの成功の鍵はまさにこのコミュニティの拡大にある。参加者が多くなればなるほど、ニーズを解決できる販売者が増え、このサイトの満足度に直結する。

そして、この目標は意外と早く達成されるかもしれない。

Rewarderがベータ版のときに実施した消費者アンケートでは、75%の回答者が、彼らの探しているものを見つけてくれた人には報酬を払いたいと回答。また、86%の回答者が、もし友人や家族が解決できそうなニーズを見つけたらその人に教えてあげたいと回答した。

今のところ、Rewarderは利用者に好意的に受け入れられているようだ。このままのペースで拡大を続ければ、多言語化もすすみ、我々日本人がアメリカ人のニーズに応える日も訪れることだろう。

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