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【演説全文】岸田文雄氏「今求められるリーダーは私だと確信」 自民党総裁選・所見発表演説会

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人の温かさ、つながりが感じられる社会を目指す

私は民主主義を守り抜くために、国民の皆さんに3つの約束をいたします。

第1に、国民の声を丁寧に伺います。私自身が現場に足を運び、国民のみなさまの声を聞き、政策に反映してまいります。

第2に、個性と多様性を尊重する社会を目指します。若者も高齢者も障害のある方も、そして女性活躍を進め、性別にかかわらず、全ての人が居場所をみつけ、生きがいを感じられる社会を目指します。

第3に、みんなで助け合う社会を目指します。コロナ禍を通じて我々は改めて家族、仲間の絆の大切さに気付かされました。もちろん自助の精神は大切です。しかし、人は1人では生きていけません。デジタル化が進む現代だからこそ、もう1度、人の温かさ、つながりが感じられる社会を目指します。

新自由主義的政策を転換する

政策面でも国民の生活を守り、国民の所得を増やす3つの政策をお約束いたします。

第1に、コロナ対策です。コロナとの戦いには国民のみなさんの協力が不可欠です。そのためには政府方針に対する納得感が不可欠です。私は方針の内容、必要性、決定に至るまでのプロセスを自ら丁寧に説明いたします。また危機管理の要諦は最悪の事態を想定することです。「多分良くなるだろう」ではコロナに打ち勝つことはできません。常に最悪の事態に備えながら対策を講じてまいります。そして当面の目標は、ウィズコロナを前提に、季節性インフルエンザと同様に従来の医療提供体制の中で対応可能なものとし、通常に近い経済社会活動を1日も早く取り戻すということです。病床、医療人材の確保、徹底した人流抑制とそのための数十兆円規模の経済対策、ワクチン接種促進、治療薬の開発、普及などの対策を、全体像を示しながら実行してまいります。

特に経済対策については、非正規、女性、子育て世代、学生などコロナでお困りの方々、自粛に協力いただいている事業者の方々、米価の下落に大変苦しんでおられる農家の方々、こうした方々にきめ細やかな対応をしてまいります。その上で感染症時代を迎えた今、将来の感染症危機発生にも備えた法改正、そして司令塔機能を持つ健康危機管理庁の設置、取り組んでまいります。

第2に、新しい資本主義の構築です。新自由主義的政策を転換いたします。

市場や民間に任せればいいという時代は終わりました。国と民間が共同し、産業を興し、守り、そして国民生活を豊かにする、そうした経済が求められています。新自由主義政策は成長をもたらしました。しかし一方で富めるものと富まざるものの分断が生じています。またコロナによって格差が拡大いたしました。今こそ成長と分配の好循環による新しい日本型の資本主義を構築し、全国津々浦々、すべてのみなさんに成長の果実を実感していただくときです。

まず成長については頑張る民間企業の挑戦、投資、大胆に支援いたします。産学官連携による科学技術とイノベーションを政策の中心に据えます。そして科学技術が生み出したシーズが海外でなく、我が国国内で産業化できるよう、スタートアップの徹底支援などを通じて、新たなビジネス、産業創出に努めてまいります。

分配については、まず民間における分配、強化いたします。最近の日本企業を見ていると、利益が出ても賃上げは十分に行わず、配当を増やすなど短期的な利益を追求しています。企業が長期的な視点に立ち、株主のみならず多くの関係者を大事にする「三方よし」の経営を行うことができるよう、四半期開示の見直しなど基本的なルールの見直しを検討してまいります。こうした民間における取り組みを補完するのが公的な分配です。中間層の拡大に向け分配機能を強化し、所得を引き上げる「令和版所得倍増」を目指してまいります。例えば子育て世帯にとって大きな負担になっている住居費、教育費への支援、強化してまいります。民間に賃上げを求める以上、国自身も努力しなければなりません。

賃金が公的に決まる看護師、保育士、介護士、こうした方々については公的価格を見直し、収入を思い切って引き上げます。さらに成長の果実を地方に大胆に分配してまいります。新しい資本主義の象徴は地方です。5Gをはじめとするデジタルインフラの整備を進め、都市と地方の物理的距離を乗り越える「デジタル田園都市国家構想」を実現してまいります。また田園都市国家を支え、国際競争力を維持する交通、物流などのインフラを整備するとともに、災害に強い地域づくり、そして東日本大震災からの復興を進めてまいります。そして地域に寄り添い、現場を重視した、多様な豊かさをもつ農業、農村を実現してまいります。多面的機能の維持や、食料安全保障の観点から、中小家族農業や中山間地農業の支援を強化するとともに、米をはじめ、国産農畜産物の需給、価格の安定など農業者の所得向上に向けて政策を総動員してまいります。

そして第3に、国民を守り抜く外交、安全保障です。世界の平和と我が国の安全を断固守り抜いていく、そのために3つの覚悟をもって臨みます。まず、自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的な価値を守り抜く覚悟です。権威主義的な体制が勢いを増す中、台湾海峡などの課題に米国、欧州、インド、豪州、あるいは台湾、基本的価値を共有する国、地域とともに毅然と対応してまいります。次に我が国の領土・領海・領空を断固として守り抜く覚悟です。海上保安庁の能力強化、自衛隊との連携強化、ミサイル防衛力の強化、国家安全保障戦略の改定、インテリジェンス機能の充実などに全力で取り組んでまいります。

また地球規模課題において世界を主導し、人類に貢献する覚悟です。温暖化問題、核廃絶、宇宙海洋の開発利用、防災などの課題でリーダーシップを発揮してまいります。以上私はこの3つの政策を通じ、すなわちコロナ対策においては国民の皆さんに協力をお願いし、そして新しい日本型の資本主義に置いては格差にしっかりと向き合い、多くの皆さんの所得を引き上げ、そして外交安全保障政策においては国民の皆さんの命や暮らしをしっかり守っていく、こういった政策を通じて、国民が一体感を実感できる国を作ってまいりたいと思っております。

この総裁選挙の先には衆議院選挙、そして来年夏には参議院選挙があり、安定した政治、寛容で丁寧な政治を実現することで、この二つの選挙に勝利し、国民の負託に応えていこうではありませんか。以上申し上げて出馬表明とさせていただきます。ありがとうございました。

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