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1ヶ月の間にミス相次ぐ 朝日新聞に批判の一方、今後に期待の声

朝日新聞社が運営するニュースサイト「朝日新聞デジタル」で、一度は公開した記事にもかかわらず急に読めなくなる事態が、今月15日までの1ヶ月間に少なくとも3件相次いだことが同社への取材で分かった。

記事の事実関係が不確かだったり使用した写真の撮影者が特定できなかったりするなど、初歩的なミスが原因とみられ、同社は三つの記事について「公開終了」、もしくは「取り消し」扱いにしている。

アフガン報道は「画像の撮影者や撮影日時特定できず」

一つ目の記事は、「『米国の失敗』 20年間のアフガン戦争の大義どこに」との見出しで、8月17日に朝日新聞デジタル上で公開された。9.11同時多発テロがあった2001年以降のアフガニスタン情勢について、フリージャーナリストを名乗る男性が解説する内容だった。

記事には、アフガニスタンで撮影された写真が複数使用され、いずれも「現地にいる通訳者から画像を入手」などの文言とともに男性が提供したことが示されていた。

一方、Twitterでは他人の写真を引用した著作権侵害にあたるとの指摘が上がり、朝日新聞社は同日中に記事の公開を終了。公式アカウントでは「複数の画像について撮影者や撮影日時などが特定できなかった」と説明した。

サイト開設者に誤り 4ヶ月後に公開終了

二つ目は、「海外大学受験の教材、譲ります 灘高OBがサイト開設」との見出しの記事。5月10日に朝日新聞デジタルで公開されていた。

海外の大学に出願するのに必要な試験の教材が高価で入手も難しいとされる中、記事は使い終えた教材を譲渡するためのサイトが開設されたことを伝えた。

問題となったのは、サイトを開設したのが誰かという点だ。記事では、進学校としても知られる灘高(神戸市)OBの男性と明示されたものの、記事の公開後、今秋からアメリカに留学した女性がTwitterで、立ち上げたのは自身であることを明かした。これに対し、灘高OBの男性も記者には女性が立ち上げたことを説明したと添えていた。

海外大学受験の教材に関するサイトを伝える記事について謝罪した(朝日新聞デジタル公式ホームページから)

女性のツイートによると、記事が公開されてからの約4ヶ月間、朝日新聞社との交渉を続けていたという。朝日新聞社は今月11日になって、女性の主張を認める形で、「見出しと記事ともに不正確でした。おわびします」として記事の公開を終了している。

写真に偽り 記事「取り消し」も地元自治体は抗議

さらに、今月12日に朝日新聞デジタルで公開した「富士山の景勝地付近にツキノワグマ 登山の女性、枝折れる音で気づく」との記事は、新聞社としては致命的な「記事取り消し」の対応を迫られた。

記事は山梨県富士吉田市の山中で、登山中の女性がツキノワグマに遭遇したとする内容だった。

女性がスマートフォンを使って撮影したとする写真が、「新倉山の標高1100メートル付近で撮影されたツキノワグマ=2021年7月30日午前9時47分」などのキャプションとともに掲載されたものの、Twitter上でこの写真が昨年10月に公開された記事中の写真に酷似していることが指摘された。

朝日新聞は記事が公開された12日の夜になって、「取材を受けた人が撮影したものではありませんでした」などと説明。写真はクマに遭遇したと言う女性が撮影したものとして提供を受けたものの、朝日新聞が過去に長野県から提供を受けて配信した写真と同一であると判断したとして、謝罪。記事を「取り消す」ことを伝えた。

NHKや地元テレビ局の報道によると、「記事は全世界へ配信され、危険な地域として印象を持たせるだけでなく、情報源も確認しないまま大きく取り上げる姿勢に憤りを覚える」として、経緯の速やかな説明と、市民と市への謝罪を求めて、富士吉田市が朝日新聞に抗議する事態となったという。

教材譲渡サイトとツキノワグマの記事は、朝日新聞デジタル上に加え、朝日新聞の紙面にも掲載され、お詫びしている。

マスコミ関係者 批判とともに今後への期待も

いずれの記事も、朝日新聞社による公開終了や取り消しといった対応の前に、Twitter上で記事の誤りが指摘されていた。朝日新聞OBのアカウントからも十分な説明を求める声が上がっている。

マスコミ関係者からも厳しい声が上がる。

関西地方で働く朝日新聞の男性記者(30代)は、記事の公開を終了したり取り消したりした朝日新聞の対応について「何が問題でどう検証すべきかについて丁寧に説明する姿勢が見えず、社外の人が考えるきっかけすらなくしてしまっている」と批判する。

他社の記者からも同様の声が上がる。産経新聞のある男性記者は「朝日がデジタル展開に熱心なことも影響しているのか、特にネット上では朝日への視線が厳しく、ミスが指摘されやすい」と状況を指摘しつつ、「朝日は優れた報道もある。そうした評価を傷つけないようにお互いにミスを起こさないようにしたい」と期待する。

朝日新聞社広報部は、取材に対し「真摯に受け止め、再発防止に努めて参ります」と回答した。

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