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自民党総裁選

 週刊ポストから「有力OBに聞く、総裁に誰を選びますか、その理由は」という取材があった。

 私は明確に「岸田文雄氏がふさわしいと思う」と答えた。理由は「総裁は総理大臣になる人だから、心から信頼できる人物でなければならない。岸田氏は誠実で安心できる人物、何よりも大局を見る目がある」と答えた。

 彼が外務大臣の時、私の自宅に来ることが決まっていたが、丁度その時間にトランプ氏が大統領に決定し、テレビを見ると彼は大忙しといった状態であった。「これでは来られないな、変更を言ってくるだろう」と家族で話していたら、なんと約束の時間にたがわず来宅した。真面目な人なのだ。

 一部マスコミで「決められない政治家」などと書かれたこともあったが、落ち着いて大局を読む、という性格が分かっていないからだと私は思っている。

 今回の立候補にあたって、彼は「党役員任期1年、3回まで」としたが、これは明らかに「二階幹事長おろし」で、事実そのような結果になった。陰で文句は言っても誰も鈴をつけられなかったのに、これはまさに「決められる政治家」ということではないか。

 なんとなく河野太郎氏が一番人気と言われているが、「世代交代」をもっともだと考える人が多いということであろう。

 私のような年配者になると、物事に慎重で、あまり人生経験のない人では心細いという思いが強い。

 私が現職の時代、河野氏に対するイメージはあまりよくなかった。彼は政審(政策審議会)の理事であった頃、説明に来る部会長の話にじっくり耳を傾けず、度々声を荒げて、自己主張をぶちまくっていた。私が財政部会長で説明に行ったときはさすがに一言も発しなかった。うるさ型としては一枚も二枚も上であることを承知していたからだともっぱらの評判であった。

 あれから年月が経って経験も積んで立派になったと思うが、週刊文春によると相変わらず官僚の説明を聞かず、唯我独尊とのことであった。

 小泉進次郎氏が河野氏支持に回ったが、私はこの人をあまり評価していない。菅首相のもとに4日間通い続けて辞任を迫ったという。出馬しないとなると、記者団の前で「こんなに仕事をした政権に正当な評価を受けていない」と嘆いて見せて涙まで流した。そんなに思っているなら黙って最後まで支えて運命を共にするのが側近ではないか。

 第一、電話で済むのに何回も官邸の首相のもとに、これ見よがしに通うのは、明らかにマスコミ向け、話題づくりなのだ。最近の人気は衰えているが若いからいいというものではないのだ。

 石破茂氏がやはり河野氏支持に回った。本人はギリギリまで出処進退を明らかにしなかったが、自派「水月会」17人では推薦人が足りないし、派閥で絶対出るべきと言った議員は2人だけで、これでは出馬しようがない。

 私がテロ特委員長(国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会委員長)の時、彼は防衛庁長官で、なかなか立派だと感じたこともあったが、これで総裁への目は無くなった。

 高市早苗氏は議員になる前から奈良で出会ってよく知っている。

 私が連載を書いている月刊誌「Hanada」の10月号のインタビューで「わが政権構想」を語っているのを読んだが、立派な内容で、大きく成長したと感心した。

 女性の総裁候補は小池百合子氏以来13年ぶりだから、これはひょっとして人気が出るのではないかと思ったが、その後のアンケートを見るとさっぱり支持が上がらない。

 昔の総裁選挙ではお金の噂が多かった。何人もの候補者からお金をもらって、2人からだと「ニッカ」、3人からだと「サントリー」、もっと多くからだと「オールドパー」などと言われたと聞いている。

 さすがに現代はそんなことは全く無くなり、むしろ今回の場合、派閥を超えて各個人の考えで人物を選ぶという傾向にある。

 はっきり言って誰が総裁になるにせよ、1人では政治を進めることは出来ないから、どのような人材を側近に据えるか、「総裁チーム」にこそ私は大いに関心を持っている。

 総裁選は17日告示、投開票はなんと私の誕生日の29日だ。堂々の論戦で政策を国民に向けて語ってもらいたいものである。

 蛇足を加えるならば野党の体たらくぶりだ。立憲民主党の枝野代表は政権交代を言うが、あの民主党政権時代、惨憺たる悪夢であった。誰もがその事を覚えているが、枝野氏も同様で、ただ言って見せるだけのお粗末ぶりである。

 9月8日には4野党で共通政策を締結したが、社民は福島瑞穂参議院議員1名、れいわ新選組は山本太郎前参議院議員と2名の参議院議員、これで4野党政策協定とは、悪い冗談のようで、ただ笑わせるだけである。

 逆に言えば、だからこそ自民党はしっかりしなくてはならないのだ。

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