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「アメリカ型ビジネスエリート」が強引にすべてをリードする時代の終焉が、高市氏待望の空気に繋がっている。

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この記事で書いた「ビジネス右派」的な「いわゆるトップダウン」路線の延長にあるのが河野氏で、より柔軟な「いわゆるボトムアップ型協業」路線に舵を切ると予想されるのが岸田・高市氏ということになる。

私は、官邸の「強引さ」をそれ単体でダメなことだという議論は民主主義国家の主権者としてのオーナーシップがない失格的態度だと思っていて、

・昭和時代にあまりに組織間の縦割りの弊害が大きすぎたので、平成時代に官邸に権限を集中させようと決めた

という日本の「歩んできた歴史」への敬意がなさすぎると思うんですね。

・「官邸への権力集中が問題だ」となったのなら、「なるほど、じゃあ権限を集中しなくても縦割りの弊害が起きないような仕組みを考えなくてはいけませんね」と考え、主張し、具体的な仕組みを提案していく

こういう姿勢↑こそが、「民主主義国家の主権者」としての私たちの役割なんじゃないでしょうか。

例えば「戦前の日本の反省」だって、陸軍と海軍の縦割りが強すぎて全体としてバラバラでチグハグな全体戦略に突っ込んでいった事が破滅的な戦争になだれ込んでいった元凶そのものと言うことだってできるでしょう。

そういう「過去に必死に生きてきた日本人たち」の結論としての「官邸への権限集中」というものがある時に、ただそれ自体に文句言ってるんじゃなくて、

「じゃあ官邸への権力集中を回避しても、完全にバラバラの縦割り組織の調整がつかない空中分解状態にならないようにするにはどうしたらいいんだろうね?」

という視点について、「自分たちの責任」として主体的に考える姿勢こそが、民主主義そのものではないんでしょうか。

とにかく、”私個人の意見”としては、もうこの「権限集中路線」には限界が来ており、何らかの転換が必要な時期に来ていると思っており、今回は岸田・高市路線に期待しています。

そして、官僚に限らずなんですが「昭和の日本の組織」というのが本当に強烈な「縦割り」意識に支配されていた事はある程度以上の年齢の日本人なら身にしみてわかると思いますが、平成時代の意識変化を経て、今なら、「横断的な連携」を何らかの形で具現化できる準備は整っている状況なのではないか?という期待も持っています。

しかし、それでも自分としては、

岸田・高市路線では、結局単なる「何も前に進まないグダグダな社会」になってしまうのではないか?という危機感を裏腹な不安をかかえつつ…でも今進むべき道として後者なのだ

とも思っているわけです。

もちろん逆に、

河野氏の路線でワクチン接種については拙速だろうとなんだろうと強引に進めた事が「吉」と出たけど、たとえば自然エネルギー導入については「あと100歩ぐらい冷静かつ慎重な目配り」しながらやってくれないとマジで国が破滅するんだけど?

という不安感もあります。

どっちにしろ、単に「権威に中指たててやったらスカッとするよね」みたいなレベルで解消するような議論でなく、「自分だってその一員なのだ」という目で、どうすれば日本国が、そしてこの日本列島に生きる一億人強の未来の幸せがありえるのか?について考える姿勢こそが、今の私たちに必要なマインドセットなのではないでしょうか。

今、自民党政権の支持率が落ちているとは言っても、じゃあ野党の支持率が政権交代可能なレベルかというと全然そんなことないですよね。

私は経営コンサルタント業のかたわら、色んな立場の「個人」と文通を通じて人生を考える仕事もしているんですが(興味ある方はこちら)、そのクライアントの中で一時期まで徹底的に「反安倍!」だった医療関係者の女性が、最近

「残念ながら今回は消極的に自民党に入れるしかない。立民になんかなったらさらに人が死ぬ」

…と言っていて笑ってしまいました。

現政権の対策に不備があるなら、「どこは正しいがどこが間違っているのか」について丁寧に腑分けをして現場を混乱させないようにしながら適切に提案していくのがこういう時に野党が政権担当能力を示す「腕の見せ所」であるはずなのに、単純に

「自民党政権がいかに人の命を大事にしない絶対悪であるか」

を全否定的に叫んで仲間内で盛り上がるためなら科学的に認証されていないような暴論でもどんどん取り上げていくような姿勢が、

「心情的に反安倍だったのに、自分はどこに入れろって言うんだよ!」

…という少なからぬ潜在的野党支持層の「絶望」を招いていることを、野党関係者の人たちは真剣に受け止めるべきだと思います。

「対話」が開かれるなら「責任」も同じくやってくるわけですよ。

橋本龍太郎政権から25年以上続いた集権化の流れをついに逆流させるのならば、つまりオープンな議論を、対話をするなら、「野党側」だって単なる評論家的批判者ではなく「当事者意識」を持って政治に参加してくれないと困るんですよ!

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