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JRは安全志向なのか

大雪のはずが…「国民に迷惑かけた」 予報外れ気象庁(産経新聞)
 発達した低気圧と寒気の影響で6日、関東地方をはじめとした太平洋側では広い範囲で雪となった。しかし降雪量は軒並み少なく、気象庁が予報していた「大雪」には遠く及ばない結果に。同庁は首都圏が大雪に見舞われた1月14日も「雪が積もる可能性は少ない」として予報を外した前例があっただけに、担当者は「国民のみなさまに迷惑をかけた」としている。

 先週は大雪の予報が出たものの、都心部では雪が舞う程度で積雪には至らず、まぁ外れて良かったと言うべきでしょうか。予報は大外れとなりましたけれど、刻一刻と移り変わるのが天気予報というもの、実際の天候はその時にならないと分からないわけです。もうちょっと当てになる予報が望まれるところではありますが、人類にはもう少し時間が必要なのかも知れません。気象庁サイドが「外れても当然、それくらい理解しろ」とでも居直るようなら腹も立ちますが、陳謝しているというのなら咎め立てしても意味がないというものです。

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 ……で、やっぱりコイツは前任者以上にアホだと再認識させられる発言を披露しているのが現・東京都知事です。ちょっと言っていることが理解できない部分もありますが、どうやら猪瀬の脳内では「成人の日に外れたので過剰に積雪量を2度も見積もった」「気象庁の自己保身」なのだとか。どこに根拠があるのでしょうね。逆に過小に見積もったとしても猪瀬には噛みつかれそうなところ、気象庁という「官」を叩けば世間のウケは悪くないとでも考えたのではと推測されますけれど、現代の技術で100%に近い的中を求めるのは無理というものです。非難に値するとしたら精度を上げる努力を放棄したときですが、それっぽい根拠すら猪瀬は示していません。

雪:首都圏で警戒、交通網混雑 常磐線、ガラスにひび(毎日新聞)
 気象庁は5日昼、6日正午までに23区で最大10センチの降雪を見込んでいた。ところが都心は6日未明の気温が高く、午前6時半ごろにみぞれが雪になった以降も、再び雨やみぞれに変わった。

 JR東日本は6日午前、首都圏各線で通常の7割程度に本数を減らして運行した。常磐線では午前8時ごろ、金町−亀有間を走行中の我孫子発代々木上原行き電車の緊急ブザーが鳴った。亀有駅に停車し確認したところ、車両と車両の間にあるドアのガラスにひびが入っていた。けが人はなく、応急措置を施し約10分の遅れで運転を再開した。車内の混雑によって破損した可能性がある。

 一方、非難を免れないのはJRです。ほとんど雪が降ることもない「普通の雨」の中、他の私鉄各線が軒並み平常運転をキープした一方、JRは運行本数を大幅に減らし、多大な混乱を招きました。全国紙で詳細が報道されることはなかったようですが、秋葉原駅(山手線)では人身事故も起こりました。当日の山手線ホームは黄色い線の外側に出ない限り身動きの取れない状態で、押し倒されないように踏ん張るだけでも一苦労だったわけで、ちょっと足がよろめいてしまった人もいたのでしょうか。続報が出なかったからには大事には至らなかったものと推測されますけれど、一つ間違えればどうだったのやら。

 そして常磐線ではドアのガラスにひびが入ったとか。車内の混雑によって破損した可能性があるそうで、これもほんの少しの違いで重大事故につながった恐れがあります。いずれもJRが他の路線と同様に平常運転していれば起こりえなかった事態と言えますが、JRに反省の意があるのかは大いに疑わしいところです。JRのように時間に遅れるのが当たり前の会社なら、天気予報だって外れるのが当たり前ぐらいに思っていて欲しいもの、しかしJRは過剰な積雪だけを想定し、積もるほどは降らない事態には備えていなかったと言えます。感覚的には、猪瀬に近いのかも知れません。

 一昨年3月に東北で大地震が起こったとき、東京都心部は震度5でしたがJRは断固として電車を止めた上、駅構内から利用客を締め出すという素晴らしい対応を取ったことで知られています。私鉄各線が早期復旧を目指し当日中に動き出した路線も多い中、JRは早々に「絶対に電車は動かしません」と宣言、せっかく動き出した私鉄にも乗客が殺到して運行困難になってしまいました。結果として自動車や徒歩で帰宅する人も多く、道路は人と車で溢れる状態に、この状態で火災などが発生すると消防や救急などの車両が動けず深刻な事態に発展した恐れがあったと後に伝えられたものです。JRが電車を止めることに拘った結果、逆に危険は増したと言えるでしょうか。

 その後も私鉄各線が平常運行を目指す中JRは運行を断固拒否、このため私鉄で「運転手が出勤できないため運行できません」みたいな笑えない話にまでつながったのは記憶に新しいところですけれど、まぁJRはどうしようもありません。とにかく運転を止めれば良い、というのが社是なのかも知れませんが、それは単に通勤客の不便や時間の無駄に止まらぬリスクを産んでいるように思います。今回の大雪を当て込んだ間引き運転でも、結果として重大事故につながる危険性を増大させました。JRの判断は果たして妥当なものであるのかどうか、それは今後のためにこそ問われるべきものでしょう。

 間引き運転から平常運転への移行は難しくとも、平常運行から間引き運転への移行は得意技であり、本数を減らす手並みの鮮やかさは私も認めるところです。ならば「当日の天候次第で対応」することも可能だったはず、運行ペースを落とすのは雪が積もり初めてからでも良さそうなもの、しかし何が何でも通勤時間帯に間引き運転をするのだとJRの意思は堅かったと言えます。あんまり、電車を動かすことが好きではないのかも知れませんね。よく「後ろの電車が遅れているため、当駅で時間調整をいたします」と称して電車を止めていますけれど、その次の駅では「次の電車をご利用ください、電車は続いてまいります」みたいにアナウンスしているのを聞かされるわけで、まぁこれがJRにとっての当たり前なのかも知れませんが……

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