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岸田文雄氏が外交・安全保障政策を発表 ウイグルめぐり人権問題担当の補佐官設置も【会見全文】

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共同通信社

自民党総裁選(17日告示、29日投開票)への出馬を表明している岸田文雄前政調会長は13日、3度目の政策発表会見を国会内で行い、外交・安全保障政策について説明した。

岸田氏は、日本の強みである他国からの信頼を基礎に、「民主主義を守る覚悟」、「平和と安定を守り抜く覚悟」、「地球規模課題において世界を主導し、人類に貢献する覚悟」という3つの覚悟で外交を進めると説明。

また中国当局が新疆ウイグル自治区で人権弾圧を行っているとされる疑惑では、人権問題担当の首相補佐官を設置し、積極的に問題に向き合う考えを示した。人権問題について省庁横断的に調整する役割を担うポストで、日本の姿勢を世界に示す点でも設置する意義があるとしている。

総裁選をめぐっては、岸田氏は先月26日に出馬表明会見を開き「新型コロナ対策」、「新しい資本主義の構築」、「外交・安全保障」の3つの政策を訴えると語った。その後、今月2日に新型コロナ関連、8日に経済関連の政策を発表したのに続き、今回で3度目の政策発表会見となった。

これまで3回にわたる政策発表会見の内容全文は以下の通り。

【コロナ対策関連】2021年9月2日

みなさん、おはようございます。衆議院議員の岸田文雄です。

先般8月26日、出馬表明をさせていただきましたが、その際に3つの政策を中心に、政策についてお話をさせていただきました。その中で今日は特にコロナ対策について深掘りをし、お話をさせていただきたいと思います。お忙しい中こうした記者発表の場を設けていただき、協力をいただいておりますことに心から厚く御礼を申し上げます。

コロナ対策ということで申し上げさせていただくわけですが、まずもってコロナ対策について日々ご努力をいただいております医療従事者のみなさま方、政府の方針にご協力いただいている多くのみなさま方に心から感謝を申し上げたいと思います。

しかし残念ながら国民のみなさんの中には、コロナ対策、説明が十分ではないのではないか。さらにはコロナ対策の現状把握、現状認識、楽観的すぎやしないか、こういった声が多数あります。私はこうした声を踏まえて、コロナとの戦いに当たり2つの原則に基づいて対応していきたいと思っています。

「ゼロコロナ」ではなく「ウィズコロナ」

お手元に資料がおありの方は、資料も見ていただきながら話を聞いていただければと思いますが、2つの原則。1つは国民の協力を得る、納得感ある説明です。私は政府の方針の内容、必要性、さらには決定に至るまでのプロセス、こうしたものを自ら丁寧に説明をしてまいります。そしてもう1つの原則は、「多分よくなるだろう」ではなくして、危機対応、危機に対する対応として、特に、常に最悪の事態を想定して、危機管理を行うということです。

そうしたこの姿勢のもとに、先手、先手で徹底した対応を続けていきます。また、このゴール、目標を明確にして対応してまいります。

コロナウイルス、非常に変異のスピードが速いことが指摘をされています。残念ながらこうした変異のスピードを考えますと、ゼロにすることはなかなか難しい。よって当面は季節インフルエンザと同様、従来の医療体制で対応可能なものとして、通常に近い社会経済活動を1日も早く取り戻すこと、これを目標としていきたいと思います。

要は「ゼロコロナ」ではなくして、「ウィズコロナ」。コロナとの共存です。

そのためにワクチン接種の加速、そして治療薬、特に経口治療薬の開発と普及。これが必須であると思います。ワクチン接種については11月中に希望者全員の接種を完了する、これを目指します。経口薬については年内に開発、普及することを目指して、しっかり全面的に支援をしてまいります。

しかしながらそれまでの間、11月、12月まで時間があります。それまでの間はとりわけ感染力の強いデルタ株を前にして徹底した人流抑制、そしてこの人流抑制を可能にする、人流抑制に協力していただけるための経済対策、そして病床、医療人材の確保、これらに全力で取り組む必要があると考えています。

コロナ対策の全体像

これがコロナ対策の全体像ということになるわけですが、ここにその全体像についてパネルを用意いたしました。全体像を表現したのがこのパネルであります。


このパネルはお手元にもお配りしているかと思いますが、このパネルの下の部分、これが現状です。真ん中から上の部分、これが当面の目標というものを掲げています。このパネルにおいては、水の流れを感染者の流れと考えていただき、下に落ちる水が病床ですとか、大型宿泊施設に入りきれば当面目標を達したということになるわけですが。

現状の部分を見てみますと、水の勢いが強くて病床のプールからも、軽症者用のプールからも水があふれ出てしまっている。こういった状況にあります。つまり現状においては、医療難民が発生し、感染したら入院できないかもしれない。こうした不安の声が広がっている。これが実情です。

ワクチン接種を加速させ、治療薬、経口治療薬の普及をしっかりと進めていき、このことによって重症者を防ぎ、感染者の数を減らすことを目指していくわけですが、この図でいきますと、1番の蛇口を絞っていくということです。ワクチン、治療薬。この蛇口をどんどんと絞っていく。こういったことを目指します。

しかし先ほど申し上げた通り、蛇口を閉めるために11月、12月、まだ時間がかかってしまう。この蛇口が閉まるまでの間は緊急に病床を確保する、軽症者用の大型宿泊施設を借り上げて、受けられる量を増やしていく。こうした努力を続けていかなければなりません。

また、ステイホーム可能な経済対策、人流抑制にご協力いただくために、経済対策、納得感のある説明を行うことによって、人流を抑制する。この図でいきますと、蛇口2をしっかり閉めていかなければいけない。これが全体像であると思っています。

そしてこうして水が漏れない体制を緊急的に作りながら、ワクチン接種が11月中に希望者全員に完了し、そして年内に経口治療薬の普及が進むならば、すなわち1の蛇口が閉まっていったならば、逆に人流抑制の2の蛇口は緩めることができるということになります。

こうした全体像をしっかり我々は認識しながら、意識しながらこの様々な対策を進めていかなければならないと考えます。

ただしこのコロナウイルスは変異を繰り返していきます。ですから常に最悪の事態を想定した臨機応変な対応が求められます。このためこうした体制ができたとしても、社会経済活動を再開していくためにはできるだけ通常の社会経済活動を取り戻すためには、電子的なワクチンパスポート、十分な検査体制、こうしたものが必要になります。

ぜひこうした体制を作り上げ、そうしてコロナとの共存を果たすためにワクチンパスポート、十分な検査体制、こうしたものも整備していく。こうしたコロナ対策の全体像について、みなで意識をしながらこれが当面の目標であるというふうにしっかりと意識しながらそれぞれの努力を続けていく。こうしたことが大事であると考えます。

コロナ対策の4本柱

そしてこうした全体像に基づいて、いま特に求められるコロナ対策について岸田4本柱として発表をさせていただきたいと思います。こちらのパネルです。


この4つの柱、まず1つ目は医療難民ゼロです。医療難民ゼロという柱、1番大切なことは医療提供体制を拡充するということです。国、地方自治体に与えられた権限をフル活用して、病床、医療人材の確保を徹底いたします。具体的には国の総合調整権限のもと、国が主導して野戦病院等の臨時医療施設の開設、大規模宿泊施設の借り上げ、こうしたことを実施いたします。

また発熱患者や自宅療養者への対応について、医師会をはじめとする地域の開業医の先生方に、より積極的に往診にご協力をいただきます。そのことで必要な医療へのアクセスできないような状況を改善してまいります。

そして2本目の柱。ステイホーム可能な経済対策です。国民のみなさんに安心感と納得感をもって人流抑制にご協力いただけるように、政府方針により不利益を受けられる方々、コロナの影響によって困っておられる方々、こうした方々に対して、十分な経済対策、数十兆円規模で速やかに実施をいたします。

まず、来年春までを見通せる家賃支援給付金ですとか、持続化給付金の再支給など、地域、業種を限定しない、固定費等の事業継続支援を事業規模に応じて実施いたします。

また非正規、女性、子育て世代、また学生、こうしたコロナでお困りのみなさま方に直接給付金、これを支給いたします。学校休校に伴い休業せざるを得ない親御さん向けに、臨時的な休業手当、これも創設しなければなりません。

そして3本目の柱。通常に近い社会経済活動を再開する、この再開に向けた電子的ワクチン接種証明の活用、そして検査の無料化・拡充です。

先ほど申し上げたように通常医療提供体制で対応可能となったあともコロナウイルスは変異を繰り返すために、先手、先手で再度の感染拡大を防ぐ仕組みが必要です。そのため電子的ワクチン接種証明を積極的に活用するとともに、予約不要の無料PCR検査所の拡大、さらには在宅検査手段の普及、こうしたものを図ってまいります。

そして最後の柱。これは感染症有事対応の抜本的強化です。コロナは感染症による公衆衛生上の問題が、経済問題、さらには外交問題にも発展する有事対応であること。今回の事態はそれを示しました。わが国における公衆衛生分野の危機管理能力を抜本的に強化するために今後を見据えた法改正と、そして新たな危機対応組織の立ち上げが必要です。国、地方が人流抑制、そして医療資源確保についてより強い権限をもつことができるための法改正を行います。また、公衆衛生上の危機発生時に、国、地方を通じた強い指揮権限を有する「健康危機管理庁」を創設いたします。

合わせて現在国立国際医療研究センターと、国立感染症研究所に分散している臨床医療、疫学調査、そして基礎研究、この3機能を統合する「健康危機管理機構」を創設いたします。そして健康危機管理庁のもと感染症危機管理に関する国家戦略を確立してまいります。

岸田文雄への意見BOXを設置

以上このコロナ対策の全体像と、岸田4本柱について説明させていただきました。詳しくはお手元に資料をお配りしている方はそれを見ていただければと思っています。

こうした政策を発信させていただき、政策に対するご意見を伺うためにも、出馬表明のときにも申し上げさせていただきましたが、岸田文雄への意見BOXを開設いたしました。QRコードを読み込んだうえでフォームに書き込んでいただくか、あるいはTwitterでハッシュタグを付けて投稿をいただく。こうした形になるわけですが、ぜひ多くのご意見を承りたいと思います。

もちろんすべての意見にお返しすることはできませんが、定期的にYouTubeですとかTwitterにおいてお返しをさせていただきたいと思っております。詳細につきましては岸田事務所の方にお問い合わせをいただければと思います。以上私の方からの説明とさせていただきます。ご清聴まことにありがとうございました。

【経済政策関連】2021年9月8日

みなさん、おはようございます。衆議院議員の岸田文雄でございます。本日もこの政策発表の場、ご協力をいただいておりますこと、心から厚く御礼申し上げます。

前回私はコロナ対策について説明をさせていただきました。それに続きまして、今回は経済政策について説明をさせていただきます。

これから私が説明させていただきます、私の経済政策。一言で言うのならば小泉改革以降の新自由主義的政策を転換するということであります。

世界はすでに単純な規制改革、構造改革路線から脱却し、国と民間が協調共同して産業を興し、国民の懐、あるいは生活を豊かにする、こうした方向に舵を切っています。私たち日本も今こそ政策路線の変更をしなければ、企業倫理も社会の絆も保つことができません。

私は新しい日本型の資本主義の構築に向けて先頭に立ってまいります。まず、マクロ経済運営ですが、最大の目標はデフレからの脱却。これは変わりません。したがって、大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして成長戦略、この3原則については堅持をいたします。

同時にコロナ禍の中で、すでに2年経とうとしています。先日会見で申し上げた通り、数十兆円規模の経済対策、これを早急に取りまとめたいと考えます。なお今後の財政についてですが、財政は国の信用の礎でありますので、財政再建の旗を降ろすことはいたしませんが、経済あっての財政です。経済の正常化を図りつつ、財政の安定化、健全化についても考えてまいります。

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