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レーダー照射事件は国連に提訴せよ

3月上旬に上梓する本のタイトルは「この国を守るには何が必要か」に決まった。紙数の関係で画像が減ったから、「紙上講演会」ほどではなくなったが、日米安保の実態と、昔から平然と嘘をつき、責任を転嫁する“中華思想”に凝り固まった国との付き合い方を、体験的に取りまとめてみたもの。

「日本が侵略国家だ!」と勘違い?している村山、加藤、河野氏らに読んでもらいたいが、どうせ読まないだろうから、代わりに学校で習わなかった日本の近現代史に疑問を持っている若い方々に、気楽に読んでほしいと思っている。

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≪「ジャパニズム」最新号から≫


さて、先般来問題になっている中国艦艇の射撃レーダー照射事件は、「中国軍の挑発沈静化 日本政府、『軍独断』の見方(産経)」と報じられたように、この国の「指揮系統」がめちゃくちゃであることをうかがわせた。

尤も「民主国家ではないからシビリアンコントロールとは無縁」だが、それにしても軍を掌握できていない専制国家の先は見えている。

軍人だって人間集団だ。企業にも社長人事が気に食わない社員がいるように、人間の組織とはそういうもの、不平不満がたまっているうえ、中堅~高級指導者は「元紅衛兵…」となれば結果は知れている。ここ1~2年が山だろう。


ところで産経は「主張」で、レーダー照射事件を国連へ問題提起するよう求めているが同感である。

中国との2国間協議ではわが外務省に勝ち目がない。相手はうそつきであり、メンツにこだわる「中華主義者」だから、まじめで正直な日本人じゃとても太刀打できっこない。

紹介した「この国を守るには何が必要か」にも書いたが、支那事変に至るまでの間の日支交渉は、シナの謀略と悪宣伝に振り回されて世界を敵に回してしまい、結果として敗戦したことが証明している。


今回の事案で小野寺五典防衛相は「武力による威嚇を禁じた国連憲章違反の可能性を指摘した」が、これに対して中国側は予想通り「日本が事実をねじ曲げ、中国脅威論を言い立てている」と、事実関係を全面否定した。これが「中華思想+唯物史観」の典型的行動なのだ。


我が国は国防の基本方針の中で「国連の活動を支持」しているのだから国連を“大いに活用”して、全世界に中国の正体を公表してほしい。安倍晋三首相が「中国の問題行動を積極的に公表する」と発言したのは頼もしい。

「主張」も「安倍首相は米韓などと連携して『国際社会のルール違反』を国連などに提起し、事実の徹底究明と厳正な対応を求めるべきだ」と書いたが同感である。

国連憲章2条4項は「武力による威嚇や行使をいかなる国の領土保全に対しても慎まなければならない」と定めているが、今までやりたい放題だった常任理事国の正体もこれで浮き彫りになるだろう。

その上、中国は言うに事欠いて「日本側が至近距離で監視活動をしたことが根本的原因」と日本に責任を押しつけてきたが、ならば2001年に海南島近海の公海上を飛行していた米海軍のEP3Cと中国海軍のJ8との衝突事件(海南島事件)はどうだったのか説明すべきだろう。


2005年秋、北京での日中安保対話に参加した海軍少将(OB)は、「米海軍機が領空侵犯した」と大変な鼻息だったが、彼は国際的な領空の概念を持っていなかったから私が注意すると、節を曲げず、墜落した王大尉は私の部下で家族ぐるみの付き合いだったと憤った。

部下をかばう気持ちは分かるが、提督が国際法を知らないのじゃこの種事件は多発する。しっかり国際法を学ぶよう諭したのだが、実は彼の主張が「正しかった」ことにあとで気が付いた。中国は既に『領海法』をかってに決めていたから「どこでも領空」だったのである。

この時海南島に緊急着陸したEP3Cの乗員が、王大尉が接近してきて「彼個人のメルアド」を書いたメモを提示していたことを撮影していた。それでプロペラに接触して墜落したのだが、このことは彼には「領空侵犯阻止」の意思よりも、米海軍と「友好関係?」を結びたいという意思が強かったのだろう。

もちろん中国海軍としてはこんな行為はご法度だから、その後彼をとりあえず「英雄」として祭り、同種事件再発を防止したと思われる。しかしこの時は王大尉が接触するほどの「至近距離で“監視活動”をしたことが根本的原因」だったのだからそれを先に説明するよう外務省は仕向けるべきである。

≪中国が一党独裁国家で、人民解放軍が党の直轄指導下にあるとしても、国際社会の平和と安定を脅かす行動の弁明にはならない≫という『主張』の説は全く正しい。

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≪海南島に緊急着陸したEP3C=国防省公表≫

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≪接触直前の王大尉の最後の姿:メルアドはこの直後に提示された=同≫


国連に提示して解決したこの種の事例としては1983年9月1日の「大韓航空機撃墜事件」がある。大韓航空のジャンボ機がソ連領空を侵犯したので、ソ連防空軍機がこれを撃墜、乗員乗客269人全員が死亡した事件である。

この事件は1978年に、同じ大韓機が航法ミスでソ連の軍事要塞、コラ半島上空を侵犯した時、ソ連軍機が撃墜に失敗して凍結した湖に不時着させてしまい、ソ連は急きょ「救助作戦」に切り替えて国際的な非難をかわしたが、軍内部では責任者が処刑されたという。

この例に学んだ極東軍管区指揮官が、樺太領空を離脱したジャンボ機を追跡させて公海上で撃墜したのが真因だと言われているが、領空侵犯という、いわば国家主権を侵すことが、共産国にとっては如何に重大なものかを示すものでもある。

「別に減るものじゃなし…」という領侵事件に対するわが国の感覚とは根本的に姿勢が違うのだ。

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≪大韓機撃墜事件:読売≫

この時も今の中国政府同様、ソ連は自己弁明に努め、ソ連軍参謀総長が「航法灯を点灯していなかった」とか「警告に応答しなかった」などと大ウソをついてごまかそうとしたが、すべてを掌握していたレーガン大統領はソ連政府を「うそつき」と非難、韓国の全斗煥大統領もソ連を激しく非難、さらに西側諸国が一致してソ連の対応を非難した。

そして我が国も陸上幕僚監部調査第2部別室が傍受した、当時としては機密情報であるソ連軍機の傍受テープが、米国側によって国連安保理事会で各国大使に公開され「ソ連軍機による撃墜の事実」が証明されるにいたった。

ここに至ってもなおソ連参謀総長オガルコフが「大韓航空機は民間機を装ったスパイ機であった」との声明を発表する傲岸さで、提出された非難決議は、常任理事国であるソ連が拒否権を使って否決した。

更にソ連は回収した「ブラックボックス」をほとぼりが冷める1990年まで隠匿するなど、その悪辣さは自由主義国の想像をはるかに超えていたことは周知のことだろう。

冷戦終結後の1991年11月になってKGB議長顧問が、当時の佐々淳行内閣安全保障室長に事実を伝え、その後を継いだロシア政府は秘匿していたブラックボックスをICAOに提出すると共に遺族たちへの遺品引渡しを行った。これが共産国の実態なのだ。

今回の件も、中国があくまでしらを切りとおし、責任転嫁するのであれば、「前例」に従って中国の悪辣さを国際的にオープンすべきであろう。

付け加えると、海南島事件以後、中国海空軍機の訓練は、ベレンコ中尉亡命当時のように、搭載燃料量がかなり「制限」されているという。

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≪ベレンコ注意亡命事件:毎日≫


J7、8という旧式機は土台無理だが、メイド・イン・チャイナのラビ(イスラエル)模倣機も、さほど足が長くないうえに搭載燃料が少ないらしいから、尖閣上空に達して空自機に“歓迎”されると、お家に帰れなくなるのじゃあないか?

北京に戻ったKJ君に聞いてみたいものだが、それよりも彼は今PM2・5対策の方が先で、カナダの新鮮な空気が恋しいに違いない。

そのうちに北朝鮮が大規模な地下核実験をする。そうなれば北京にも地殻変動の波が押し寄せ、巨大地震が起きる可能性が大きい。

気の毒だが、それまでの間はメイド・イン「ジャパン」の空気清浄機で我慢することだ。日本製にお世話になるのは嫌いだろうけれど…

いずれにせよ、習政権の前途は苦渋に満ちたものになるだろう。

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