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衆院選「野党間で競合する選挙区では予備選を」国民民主党玉木雄一郎代表

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©︎Japan In-depth編集部

安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)

【まとめ】

・次の内閣も短命に終わり、参議院選前にまた総裁選をやっている可能性あり。

・リベラルだけでなく、中道、穏健保守まで幅広く包み込む政治体制にしなくてはいけない

・総選挙前に、野党間で競合する選挙区があれば予備選をやれば良い。

年内に行われる衆院選。今月17日告示、29日投開票の自民党総裁選が盛り上がる中、野党の存在感が薄れている。菅総理の電撃辞任宣言で、野党の選挙戦略も大きく狂った。立憲民主党は野党大同団結に向け、国民民主党に秋波を送るが、果たしてその行方は。代表の玉木雄一郎衆議院議員に聞いた。

安倍: 菅総理が辞任を決断するに至った経緯をどう見ているか?

玉木氏: 困難な状況の中で安倍政権を引き継ぎ、一年間、デルタ株の感染拡大の中で奮闘してこられたと思う。しかしあれだけ持ち上げておいて、選挙が近いからといって引きずり下ろした自民党全体の体質は問題だと感じている。現職の総理大臣が辞任するということは、それを選んだ全ての自民党議員にも責任があるが、振り返って反省したり国民に申し訳ないといった態度の人はほぼ皆無。結局選挙のためか?と思ってしまう。

新しい政策などを(候補者は)それぞれ話しているが、なぜ今まで言わなかったのか、あるいは今すぐ必要なら与党だから臨時国会を開いて法改正なり予算編成なりすればいいじゃないかと。しかしそれもしない。結局は選挙のために菅総理が引きずり下ろされた。いろんな候補の名前が出ているが、常に後援のキングメーカーの名前もセット。自民党の古い体質は変わっていないという気がします。

一番言いたいのは、このことによってコロナ対策に空白が生じているのではないか、あるいは大事な判断・決断が、レイムダック化した菅総理のもとではできなくなって、これが新たな後手後手を生み出しつつあるのではないか、ということが一番の懸念。我々は切れ目なくコロナ対策に必要な政策を訴えてきたし、今でも速やかな臨時国会の開会を求めていきたい。

安倍: コロナ対策、ワクチン接種も増えてきたとはいえ、もっとできたのではないかという意見もある。

玉木氏: 国会でも提案したが、残念だし悔しい。(感染拡大が小康状態だった)3月の時点で病床確保をもっとやっておけということを田村厚労大臣にも総理にも申し上げた。それまで8000人が一日のピークだったが、その2倍程度、16000人は耐えられる病床を確保しますということで、6月までに確保したことになっていたが、実はできていなかった。加えてピークとして考えていたその16000人も、デルタ株で20000人を超えた。つまり想定が甘かった。そしてその甘い想定さえ達成できていなかった。

一番のネックであった病床確保について、喉元過ぎれば暑さ忘れる、で対策を怠っていた。その結果、治療を受けたくても受けられない、入院したくてもできない、そして自宅療養中に亡くなるという命が失われるケースを出してしまった。これが最大の政治の失敗だ。

安倍: 国産ワクチンを作ることができなかった。今後、広義の安全保障という意味においワクチンの問題はどう解決する?

玉木氏: 国民民主党としては、いざという時の備えを強固にする国づくりに変えていく必要があると考えている。これから食料も不足して争奪戦になるかもしれない。もちろん尖閣や北朝鮮など安全保障の問題もあるし、いわゆる経済安全保障、日本の重要技術を持つ会社が買収されて技術が海外に流出するなど、災害はもちろんのこと、あらゆることに備えていかなくてはいけない。

その中で今回、痛恨の極みは国産のワクチンと国産の治療薬を早期に開発できなかったこと。これは日本の科学技術力の低下を表している。なのでもう一度、科学技術立国日本を取り戻すために、人づくりなど教育や科学技術分野の予算を倍増させて大胆に投資を行っていくべきだ。

そのために我々は教育国債を発行する。現在は橋や道路などのインフラには赤字国債である建設国債を発行して投資できるが、これから大事なのは科学技術や人づくり、教育。こういった分野は国債発行してでも私はやるべきだと。予算を倍増させろと。そうじゃないとコロナと同じようにいざという時に治療薬がありません、ワクチンがありません、を繰り返すと思う。今回の教訓を胸に刻んでもう一回、人づくり、科学技術立国日本ということを日本は目指すべき。

安倍: 憲法に緊急事態要項がないことは知られており、だからロックダウンできないんだという話もある。現行法制、もしくは新しい法律を作るのでもいいがもう少し何かやらないといくら緊急事態宣言を延長しても変わらない。

玉木氏: 3つの法改正を今提案している。1つは万全の経済的保障とセットでの一定の外出規制を入れていく。これは災害対策基本法などでも、あるいは原子力対策基本法でも、例えば原発がメルトダウンしたので警戒区域に指定して住むことさえ認めないなど、かなり私権制限している。憲法改正しなくても現行法制下でやろうと思えばできるが、ビビってやってこなかった。だから、ただ動くな、行くな、だと働けなくなるので、そこはきちんとした保障が必要です。また、行くなとなったら子どもの学びの機会が失われるので、オンライン教育の環境、保護者のリモートワークの環境、これをきちんと整えることとセットで外出規制を入れていくということを法律上整備すべきです。

2つめは、諸外国に比べて未だに遅れている水際対策です。日本は島国なので、外から人が入ってくることをシャットアウトできればかなり国内感染を防げるはずなのに、未だに水際がズルズルになっている。

3つめは緊急時の医療体制。日本特有の問題ですが、民間の医療機関が多いというのは普段は良い。しかし緊急時には民間の医療機関に対しても患者の受け入れや医師の派遣について、公的な指揮命令がある程度及ぶような仕組みに変えておかないと。今でもこれだけ医療が大変だといっているのに、コロナを全く診ていないお医者さんもいっぱいいる。医者一人育成するのにかなり税金も投入されているし、診療報酬という形で公的資金が投入されている訳だから、有事においては準公務員のような扱いにして、医者や医療機関に対し、国や都道府県の指揮命令が及ぶような法体系はこの際用意すべきですね。

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