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大衆を愚劣へ導く切り込み隊長

隊長との往復書簡の続きです。

イケダハヤト師の繊細な計画とやらを爆砕した件について: やまもといちろうBLOG(ブログ)


子どものいじめと変わらない

仕事できない云々は、ぼくに落ち度があるので仕方ない話です。いつもコミュニケーションコストが低い環境で仕事をしているので、基本的に説明不足なのです。失礼しました。あなたがぼくを信頼してくれると思ったのが間違いだった、ということで非を認めます。


ずっと気になっていたテーマについて、ついに回答をいただきました。ありがとうございます。

最後に、イケダハヤト師からの質問というのがあるらしいんですが… 「あなたが人を裁く理由、私刑を行う理由を、教えてください」ってことですか? 私は別に人を裁いていないし、私刑してるつもりもないんで、馬鹿馬鹿しくて回答する筋合いもないってことなのですけれども。

強いて言うならば、批判することにも批判されることにも寛容でそれを「芸」にしているという程度のことです。イケダ師が私を含め誰かから批判されたくないという話であれば、イケダ師は早めに息を引き取ったほうがいいというアドバイスぐらいになるでしょうか。


まず、ぼくはこういう商売をしているので批判されることは、なんら嫌ではありません(いちいち飛んでくる罵詈雑言は不愉快ですが)。でなければこんな書簡をやりとりしません。ぶっちゃけ隊長と同じく「美味しい」とすら思ってますよ。残念なことに、そんなにセンシティブな生き物ではありません。


ぼくが当初から問題視しているのは、行為として、あなたがやっていることが、子どものいじめと変わらないということです(「笑い者」というマイルドな表現を使いましたが、要するにあなたは「いじめ」の天才です)。

子どもの頃、優等生(たとえば学級委員長)を笑い者にする悪ガキっていましたよね。で、たとえば委員長の両親が新興宗教の信者であることが判明した瞬間、「あの真面目野郎、実は○○なんだぜー」と言いふらして笑いを誘うような人間です。

彼は人気者なので、周辺には大量の取り巻きがいます。彼の巧みなユーモアセンスによって、取り巻きたちは単細胞生物のごとく笑いに乗っかることでしょう。そうして彼は自己肯定感を高め、自分の城を固めていきます。


一方で委員長は当然不愉快な思いをしますが、いじめっ子は自分の「他罰性」にとことん鈍感です。

私は別に人を裁いていないし、私刑してるつもりもないんで、馬鹿馬鹿しくて回答する筋合いもないってことなのですけれども。

イケダハヤト師の繊細な計画とやらを爆砕した件について: やまもといちろうBLOG(ブログ)


鈍感なばかりではなく、「面白い」という理由で、他人をあげつらい、人を貶めることを肯定します。「面白いから叩く」わけですね。子どものような理屈です。

イケダハヤト師にとっては正義感という映り方をするようです。それもあるかもしれないし、ないかもしれない。こちらとしては、面白いから話題を取り上げているだけなんですけどね。話題を消費する過程です。

イケダハヤト師は笑い者になる才能がある: やまもといちろうBLOG(ブログ)



さらに厄介なことに、こういう人間は自分が弱者であることすら正当化します。「おれは落ちこぼれだから、目立っている優等生を叩く権利がある」というロジックです。ネトウヨ的な被害者意識といってもいいでしょう。

(人を笑い者にする)理由は簡単、私自身が笑い者だからで、たいしたことのない人間であるからなんですが、たぶんイケダハヤト師にはそれがなかなか理解できないのでありましょう。

理由を教えるために、イケダハヤト師とイベントをやろう(提案): やまもといちろうBLOG(ブログ)



ぼくは隊長は「たいしたことのない人間」だとは思いません。「自分がたいしたことのない人間」だから「誰かを笑い者にする」というのは未熟な態度だと思います。

己の弱さを理由に人を笑い者にするのではなく、むしろ「自分は社会的な強者だからこそ、”落ち度がある”人間に対しても、寛容な態度を貫く」という美徳を備えてほしいと願います。

自分の正しさを主張して譲らないよりは、自分に不正を帰するほうが高貴である。自分が正しい場合にはとりわけそうだ。ただ、そうするに足るだけ豊かでなくてはならない。(「ツァラトゥストラ」)

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「他者を笑い者にする」悪徳を次世代へ引き継ぎたいのか?

これは狡い質問かもしれませんが…。

隊長はお子さんがいると聞いていますが、自分のような大人になってほしいのでしょうか。ぼくはそこがピンときません。

自分の子どもが「面白いから」という理由で、誰かを笑い者にするような人間になってほしいのでしょうか。また逆に、自分の子どもが「面白いから」という理由で、笑い者にされていたら、どんな気分になるでしょうか。

事前に合意でもあれば別ですが、他人を笑い者にするという悪徳は、簡単に容認されるべきではありません。ぼくは自分の子どもたちに、そんな野蛮な文化は残したくありません。

あなたがやっていることは、プロレス以下です。プロレスは事前の合意と、対戦相手に対するリスペクトがあります。あなたにはその両方が欠けています。


大衆を愚劣へ導く切り込み隊長

隊長は自著「ネット右翼の矛盾」のなかでこんなことを書いています。

もう、差別感情というよりは、自己のアイデンティティを成り立たせるために自分よりも下の階層を作り上げ、ネット上で盛大に叩いて憂さを晴らしている行為の連鎖、集積としか説明のしようがない。ある種のルサンチマンとも言える。

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これはネット右翼について書いている箇所ですが、ご自身がブログでやっていることと、どう変わらないのでしょうか。あなたはまさに「自己のアイデンティティを成り立たせるために自分よりも下の階層を作り上げ、ネット上で盛大に叩いて憂さを晴らして」いますよね。違うというのなら、どう違うのでしょうか。ぼくには同じに見えるので、ぜひ教えてください。

「切り込み隊長」の悪徳は、無数の暴力を喚起してしまう点にもあります。切り込み隊長が叩き始めることで、それを号令にして、数千〜数万人が「ネット上で盛大に叩いて憂さを晴ら」すわけです。さすが自ら「切り込み隊長」と名乗るだけはあります。自分の攻撃性について、よくわかっていらっしゃいます。

ぼくの目から見ると、あなたは人間を愚劣で安直な方向に導く、まさに「切り込み隊長」です

あなたの号令によって、人は堕落していくでしょう。「おれが大衆のストレスを解消してやっているんだ」と正当化するのかもしれませんが、こういう「憂さ晴らし」は、長い目で見て結局当人のためにならないとぼくは思います。


あなたは平和主義者でもなんでもないです。

あぁ、なんという二枚舌でしょう。くらくらします。こういうことばを吐く裏で、あなたは「無思慮に行動したくなる衝動」を煽り、人々の暴力性を高めているんですよ。

血が流れるかもしれません。

もう、中国本土で日本人が怪我をしているようですが…。

さまざまな情報が流れて心が揺さぶられ、無力感に苛まれたり、無思慮に行動したくなる衝動に囚われるかもしれませんが、主権を守る、領土を守る戦いは局地戦が間違ってでも発生してしまったらそこで終わる可能性はむしろ低くなります。

戦争にならないように願いましょう。外交や、国民としての態度をもって、領土を譲る以外のあらゆる平和的、外交的手段が講じられるように、礼を失さず日本人として然るべき態度で中国人と接し続けることを誇りとしましょう。

中国に対して理性的な態度を取るといっても、どう取ったらいいのか分からない人のために: やまもといちろうBLOG(ブログ)



長くなってしまったのでまとめます。

・ぼくは自分が叩かれることを嫌がっているのではありません。不愉快ではありますが、こういう往復書簡は美味しいとすら思っています。
・自分の弱さを理由に他人をあざ笑うのは辞めましょう。ぼくもあなたも、強者なのですから。


追加で質問です。もしよろしければお答えください。

・あなたがやっていることは、「面白いからという理由で(目立っている)優等生を笑い者にする」子どものいじめと、「どこがどう」違うのか?
・あなたは大衆の暴力を喚起しているが、それについてはどう考えるのか?ご自身が誇る平和主義とどう両立するのか?
・あなたは自分の子どもが、自分のようになることについてどう考えるのか?


隊長が「武装解除」してくれることを望みます。あなたにかぎらず、ネット社会は礼を失した、安易な攻撃に流れる人が多すぎます。

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