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「コロナ診療における最大の敵は行政や周辺医療機関の無知と無関心」コロナ小説「臨床の砦」夏川草介著

日本人なら絶対に読むべき本。コロナ第3波を題材にしたコロナ小説「臨床の砦」夏川草介著。

どれだけコロナ報道があっても多くの人にとって現実感のないコロナがこの小説によってまざまざと目の前に突きつけられてくる。

コロナの現場で戦う数少ない医療従事者目線から日本社会を取り巻くコロナの有り様が立体的に浮かび上がってくる。

印象に残った言葉は2つ。1つは「コロナは通り魔」。突然に襲いかかってくるその恐ろしさ。しかも誰がターゲットになるかはわからないロシアンルーレット的恐怖。

そしてもう1つはこれ。「コロナ診療における最大の敵はウイルスではなく行政や周辺医療機関の無知と無関心」。

ごく限られた医療従事者だけが自分の感染リスクや命と引き換えに1年以上も戦い続けているのにコロナに関わらない医療従事者や現場を知らない行政がどれほどコロナの現場に対して無知無関心なのか。だから日本はコロナ敗戦する。

この小説は第3波で終わっている。第3波は一部の医療従事者のいわば「気合と根性」で乗り切れたのかもしれないが次に必ず来る第4波はそうはいかないと警告する。

そして日本は第4波で多くの人が亡くなった。さらに第5波が訪れワクチン効果で死者はまだ第3波や第4波ほどいかないものの重症者数は過去最高になり軽症だろうが1ヶ月で55万人もが感染しこの小説の懸念をはるかに超えて自宅療養という放置により何十人もの救える命が見殺しになった。

ごく限られた医療従事者だけががんばっていてそれ以外はたいしたことないと思い込んでいる。結果、コロナ人災、コロナ敗戦、コロナ被害は拡大していく。この小説の予想通り、第4波、第5波はそのようになった。

ぜひ読んでください。

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