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【会見全文】河野太郎氏が自民総裁選へ出馬表明 原発政策、女性・女系天皇問題などをめぐり考え述べる

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共同通信社

「原発ゼロ」の考えは変わったのか

―― エネルギー政策について。かつて河野大臣は超党派で原発ゼロの会というものを作って政策提言として、政治がなすべき第一は原発ゼロに向かうという決断に到ると提言にまとめていると思います。先日のぶら下がりでは、安全が確認された原発を当面使っていくことはあると述べられているが、お考えが変わったということなのか、それともこれまでの自論を抑えていることなのか。国民にはわかりにくく見えます。この点をわかりやすくご説明いただけますでしょうか。

いずれ原子力はゼロになるのだろうと思っておりますが、カーボンニュートラル、2050年までにこれを達成して気候変動を抑えていくということになると、まず石炭、石油から止めていかなければなりません。そしていずれは天然ガスからも脱却しなければなりません。

そうすると2050年にカーボンニュートラルを実現するためには、ひとつはきちんと省エネをやる、そしてもうひとつは、今度エネ基(エネルギー基本計画)にもありますように、再生可能エネルギーを最大限、最優先で導入していく、それでも足りないところは安全が確認された原発を当面は再稼働していく、それが現実的なのだろうと思っています。

――経済政策について。消費税減税は総理になるとありえるか。安倍晋三前首相のもとで消費税を2回上げたことについてどう思うのかということと、プライマリーバランスの黒字化、2025年度目標を堅持するのか。以上三点をお願いします。

コロナ禍ですからプライマリーバランスについては様々な議論をしていかなければならないと思っております。消費税を上げた、これは私も支持をしてまいりました。(消費税減税については)今のところ考えておりません。

――若者・若手の政策やメッセージがあれば教えてください。

先ほどから申し上げているように、若い人には、ぜひ色んなことにチャレンジしていっていただきたいと思います。世の中ってこんなものだというしたり顔に惑わされずに、やりたいことがあったら思い切って手を伸ばして掴みとっていただきたいというふうに思っています。

――北朝鮮による日本人拉致問題について。安倍内閣、菅内閣では最重要課題と位置付け取り組んでまいりました。総理になった暁には河野太郎内閣ではこの問題をどう位置付けるのでしょうか。

安倍内閣の外務大臣として北朝鮮の外務大臣と様々接触をいたしました。河野太郎内閣ができればこの問題の解決に向けて全力をあげていきたいと思います。

――衆院解散について。総裁選を経て、総理に就任された場合、国会で所信表明、あるいは代表質問に臨む考えはおありでしょうか。衆院解散に関しては11月7日や11月14日の投開票日が有力な選択肢となっていますが、河野さんの解散戦略を教えてください。

私もそれなりの自信を持ってここに立っておりますが、今のご質問についてスラスラと答えるほど自信過剰ではございません。

対露、対中外交への取り組み方は

――対ロシア外交について。安倍政権は1956年の日ソ共同宣言を平和条約交渉の基礎に位置付け、四島返還から二島返還方針に事実上転換しました。菅政権も安倍政権の対露外交を継承するとしていましたが、北方四島の共同経済活動を含め、交渉は行き詰まっています。安倍政権以降の対露外交をどう評価しているでしょうか。首相になったら、日ソ共同宣言を基礎にした交渉を引き継ぐか。もしくは対露交渉方針を転換するのか、北方領土問題にどう取り組むのか教えてください。

安倍内閣、あるいは現時点での菅内閣の方針について申し上げるのは避けますが、日露の間で平和条約を締結し、もちろん領土問題を解決し、平和条約を締結していくというのは非常に重要なことだと思っております。

――防衛大臣のご経験をお持つちだが、対外的に拡張主義を続ける中国共産党、対内的にはウイグル人、チベット人などに人権弾圧をしているが、欧米諸国が厳しい制裁措置を含む態度で臨んでいるが、河野大臣は当選されたら、どういった対応をする考えでしょうか。

一方的な現状変更の試みに対しては、国際社会で一致してそれに対して反対していく、そしてそういった試みに対してはそれなりのコストが伴うということをはっきりさせていかなければならないと思っています。民主主義、人権、自由、法の支配、こうした共通の価値観を持っている国々と一緒に外交を進めていきたいと思っています。

――冒頭で規制改革の実績について述べていらっしゃいました。菅内閣が掲げてきたこととほとんどかぶっていると思うのですが、この菅内閣のレガシーを引き継いで、さらにその政策を引き継いでいきたいという考えなのか。またその政策を引き継ぐ場合は、菅総理からの支援を得たいという考えなのか。支援という意味で、これまで自民党総裁選挙は派閥が中心と言われてきましたが、その派閥と総裁選挙のあり方で、どういった総裁選挙にしていくのが望ましいと考えているのかお聞かせください。

たくさんご質問いただきましたけれども、新しい価値を世の中に生み出していく改革というのは常に必要なんだと思います。世の中を便利にする、世の中に新しい価値を生み出していく、そういう改革はやっていかなければならないと思っています。

自由民主党の総裁選挙ということで、自由民主党所属の議員、あるいは党員のみなさんの選挙でございますが、国のリーダーを選ぶということに直結していることを考えれば、広く国民のみなさまからのご支持をいただいてこの総裁選挙に勝ち抜いてまいりたいと思います。

森友問題の再調査をする考えはあるか

――森友学園問題を再調査するお考えはありますでしょうか。

すでに検察その他色々動いているわけですから必要はないと思います。

――出馬にあたっての決断について。出馬について菅総理と話したのか、サインは得たのか、出馬はいつどのような形で決断されたのか教えてください。

菅総理には今朝、今日、出馬会見をやるということを報告いたしました。

今回、出馬をするということになりました。以前から、この国のリーダーとして国を引っ張っていきたいという思いがございました。菅総理が総裁選挙に出馬されないということを明言されましたので、そこから具体的に色々今回は考え始めました。

――派閥について。麻生会長と連日お会いされています。派閥幹部とも意見交換されてきたと思いますが、麻生会長の支持を得られているとお考えでしょうか。

会長からは激励をいただいたので、支持を得ていると思っております。

自身で考える強み、弱みは

――総裁選の告示まで1週間となりました。すでに立候補を表明している岸田氏、高市氏と比べ、どの点がご自身は総理、総裁にふさわしいのか、ご自身の強みは何であるかお聞かせください。また逆にご自身の弱みをどう認識しておられ、どう改善したいとお考えでしょうか。

ありがとうございます。実行力、突破力というところは誰にも引けを取らないというふうに思っておりますし、今回のワクチンの接種を1,741の市区町村、そして47の都道府県、ここと様々調整をしながら、今の時点では世界最速、アメリカに接種率で肩を並べたというところまで持ってきたということを考えると、調整力においても優れているのでないかなと自負していいのかなと思っております。

短所については、様々な仲間から、今日も色々ご指摘をいただきましたので、そうしたことをしっかり学びながら前に進んでいきたいと思っています。

菅政権のコロナ対応についての評価は

――コロナ対策についてお聞かせください。今までの菅政権におけるコロナ対策、対応に問題はないとお考えでしょうか。いただいたリーフレットによりますと、ワクチン接種をさらに進める、そして、3回目の接種を行っていくと書かれております。ワクチン接種が進んでいく中でも首都圏では、感染者、陽性者が増え、それから自宅療養の方も多くいらっしゃいます。そういう方々に対する対応を今後どうお考えか、お聞かせください。

ワクチン接種が、接種率でアメリカと肩を並べ、このペースでいけば、恐らく10月の頭にはG7でトップの接種率に近づいてくるんだと思います。ワクチンの接種率が高いということは安心安全に繋がっていきますし、日本の経済を前に進める上で、あるいは日本の競争力を高めていく上で、非常に大きな意味を持っていると思っております。

今日も規制改革推進会議で、コロナの抗原キットの販売を一般の薬局でできるようにルール改正をする議論をやります。有事の対応を平時の法律、体制、システムでやってきた。それをワクチンの分野では色々なぎ倒してやってまいりましたが、コロナの対応全般についても、やはり有事と平時、ここをしっかりと将来にわたって切り分けていくということを考えていく必要があるんだろうと思います。

平時と有事の切り分け、それと国と地方の権限のあり方、こういうものはワクチンの経験からコロナ全体についても考えていく必要があるのかもしれません。

――冒頭で情報を国民と共有して、危機を乗り越えていきたいと高々に宣言されて、とても清新な印象を受けましたけれども、振り返ってみますと安倍・菅政権の中で国民が最も政治に対する絶望感を抱いたことの1つは、都合の悪いことは隠す、あるいはなかったことにするという、具体的には先ほどの質問でありましたが、公文書の破棄や改ざんということをずっと目の当たりにして、国民の間に絶望感が広がっているのが現実だと思います。先ほどの質問で具体的に森友問題に関する財務省の報告に関しては、再調査の必要はないと断言されましたが、このようなお答えで国民は納得するとお考えでしょうか。

この問題については、すでに検察、司法まで動いているものでございます。私がやってきた、たとえばワクチンについてはあらゆるデータを都道府県、市区町村に開示をして、そして、お互いの意思疎通を図りながらやってまいりました。そういう数字についても逐一、記者会見で報告をしながらやってまいりました。ですから、私の政権では、情報は常に国民のみなさまに開示をし、それに基づいて色々と議論をし、多くのみなさんに納得をしていただいて政策を実行してまいりたいと思っております。

憲法改正、皇位継承問題についての考え方は

――憲法改正について。このパンフレットには新しい時代にふさわしい憲法改正を進めると書いてありますが、具体的にどのような内容を想定されているのでしょうか。自民党の改憲四項目を踏襲するのか。しない場合はその理由と、具体的な現行憲法の、どの部分を改めた方がいいとお考えなのでしょうか。また仮に総裁になった場合、改憲に向けた議論の手続きはどのタイミングで始めるお考えなのか教えてください。

憲法改正というのは非常に大きな問題ですから、どのタイミングでというのは様々な政治日程、あるいはそのときの重要課題を考え合わせながらやっていかなければいけないんだろうと思っています。自由民主党の中で、あるいは国会の中で、憲法改正の議論、色々行われておりますから、しっかりとそれを見極めながら、重要課題と合わせて対応していきたいと思います。

――皇位継承について。配布されたパンフレットには政府の有識者会議の議論を尊重すると明記されています。これまで発言されてきたような女性・女系天皇を含む検討の必要性について、今のお考えをお願いできますでしょうか。

有識者会議は、非常に堅実な議論をしていただいて、多くの方がなるほどと思えるような最終の取りまとめを出してくれるのではないかと期待をしているところでございます。126代にわたり続いてきているこの天皇という地位でございますから、有識者会議にしっかりとした取りまとめをいただいた上で、国民のみなさまに広くそれを説明をし、ご支援をいただいて、ご支持をいただいて前に進んでいかなければいけないんだろうと思います。

――慰安婦問題について。パンフレットのキャッチフレーズに「日本を前に進める」というのは非常に素晴らしく、河野候補はこれまで2人の候補よりもお若いというところで将来に希望がもてます。しかし、世界には日本の足を引っ張る問題が多くて、そのひとつがいつ終わるとも分からない慰安婦問題だと思います。その根拠とされているのが確固たる資料がないのに1993年に発表された河野談話ですが、この河野談話についてどういうふうにお考えですか。もし河野政権が成立したときに、93年の河野談話を新たに上書きするような感じの新しい談話などを作るつもりはあるでしょうか。

これまで自由民主党政権が継承してきた歴史認識については、それを受け継いでいきたいと思います。

総理大臣になってもツイッターは続けるのか

――河野さんは総理、総裁になってからもツイッターなどSNSを通じた情報発信を行っていきたいとお考えでしょうか。

はい。

――政策パンフレットに「自民党を変える」と書かれていますが、自民党の何が問題で、河野さんはどこをどう変えたいのでしょうか。

自由民主党というのは、私も25年前に初めて当選しましたが、かなり活発に色々な議論をさせていただきました。私は自由民主党が色んなことを活発に議論し、まとまるときはまとまる、そういう自由民主党に支えてもらいたいと思っています。

――それは、派閥や長老の意見に耳を傾けないということになってくるんでしょうか。

聞くべき意見というのはたくさんあります。誰かの意見に耳を傾けないとか、こういう意見には耳を傾けないということなく、満遍なく耳を傾けるというのがリーダーの仕事だと思います。

福島第一原発の海洋放出 地元の理解得られるか

――東京電力・福島第一原発の処理水について。政府は4月、海洋放出の方針を決めましたが、地元では風評被害の懸念が根強く残っています。海洋放出に関するご自身の見解と、どのように関係者の理解を得ていくお考えでしょうか。

様々な議論を経て決められたことだと思います。ご理解をいただけるように、きちんと説明をすると同時に、科学的なデータをお示ししながらやっていかないといけないと思っています。外国から様々ご意見をいただいている部分がありますが、科学的なデータに基づいた議論をしていかなければいけないのだろうと思っています。

――出馬に関連して(河野)洋平さんとどのようなお話をされたのか。菅総理に続いて総裁となれば2代続けて神奈川からの選出となります。思うところをぜひ聞かせてください。

たまたま神奈川から2代続くのかもしれませんが、日本の総理大臣でございますから、「神奈川県の総理」というよりは「日本の総理大臣」として頑張ってまいりたいというふうに思っております。親父も元気にしているようでございます。安心しました。

――原発について。河野さんはずっと国民から脱原発派と見られていたと思いますが、先ほど「いずれゼロになるだろうが、当面は再稼働が現実的」とおっしゃいました。脱原発というのは色んな考え方があると思いますが、河野さんご自身としては自分を今現在、脱原発派とお考えか、理由と合わせてお聞かせください。

どういう定義で脱原発というのかは、人によって違うと思いますから、何かひとつの言葉でくくるのはやめておいた方がいいと思います。

――沖縄県の辺野古新基地政策について。河野さんが防衛大臣を務めて昨年4月に沖縄防衛局が沖縄県に提出した設計変更の申請書ですと、本島南部の糸満市、八重瀬町を加えて、埋め立て土砂の最終候補地にしています。一方で糸満市などからは先の大戦の沖縄戦の犠牲者の遺骨が毎年何十柱、何百柱と多くの遺骨が収骨されていて県民は南部の土砂を使用することに強い抵抗感を抱いています。先ほど河野さんは、多くのみなさまに納得いただいて政策を実現する、実行するということをおっしゃいましたが、この多くの沖縄県民が反対する辺野古新基地政策のぜひをどうするか、南部の土砂使用の計画について河野さんのお考えをお願いします。

普天間飛行場の安全性を除去するということから考えれば、移転は一刻も早くやらなければいけないというふうに思っております。現在の、日本が置かれている状況を考えれば、必要なことだと思っておりますので、粘り強くご説明を申し上げなければいけないというふうに思っております。

工事の方法につきましても様々ご議論があるようですが、安全性の除去を1日も早くするための移転をどのように進めていくか、地元と意思疎通しながら進めてまいりたいと思います。

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