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高市早苗氏が自民総裁選への出馬表明 日本経済強靱化計画「サナエノミクス」など説明

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共同通信社

高市早苗前総務相は8日、記者会見をおこない自民党総裁選(17日告示、29日投開票)に立候補すると表明した。

高市氏は「日本を守る責任と未来を開く覚悟をもって、ここに自民党総裁選挙への立候補を表明いたします」と話した。また、「国の究極の使命は、国民のみなさまの生命と財産を守り抜くこと。領土、領海、領空、資源、これを守り抜くこと。そして国家の主権と名誉を守り抜くことだと考えております。その使命を果たすために私のすべてを懸けて働くことをお誓い申し上げます」と話した。

さらに日本経済を建て直し、成長軌道に乗せる日本経済強靱化計画として、金融緩和、緊急時の機動的な財政出動、大胆な危機管理投資・成長投資の“三本の矢”からなる「サナエノミクス」で物価安定目標2%の達成を目指すなど、具体的な政策を50分近くにわたって説明した。

正式に立候補を表明しているのは、先月26日に表明した岸田文雄前政調会長に続き2人目。

【会見全文】

みなさまこんにちは。衆議院議員の高市早苗でございます。

本日記者会見の機会を賜りました。みなさま、まことにありがとうございます。私、高市早苗は、日本を守る責任と未来を開く覚悟をもって、ここに自民党総裁選挙への立候補を表明いたします。

冒頭に感染症や重病、相次ぐ災害、また事故や犯罪によって大切なご家族をなくされたみなさまの深いお悲しみに思いをいたし、心よりお悔やみを申し上げます。

現在闘病中、治療中のみなさまの1日も早いご回復をお祈り申し上げます。またコロナ禍にあって医療提供や経済社会の活動維持のために懸命に働き続けてくださっている多くの方々のご貢献に対しまして、深く敬意を表し、感謝を申し上げます。

私は国の究極の使命は国民のみなさまの生命と財産を守り抜くこと、領土、領海、領空、資源、これを守り抜くこと、そして国家の主権と名誉を守り抜くことだと考えております。その使命を果たすために私のすべてを懸けて働くことをお誓い申し上げます。

まずは、現下の困難な状況を乗りきらなくてはなりません。新型コロナウイルス感染症については治療薬の早期投与による重傷者、死亡者の数の極小化、自宅療養者の数を限りなく減らしていくこと、そして飲食、宿泊、小売、交通のみならずサプライチェーン全体に及んでおります、多くの事業者のみなさまの経営基盤を維持するための大胆な財政支援、そしてコロナ後も見据えた日本経済の建て直しに向けて急いで対策を講じてまいります。

感染症対策につきましては後ほどご説明を申し上げます。

私は日本を守るために、自然災害、感染症や難病、サイバー攻撃、食料安全保障、経済安全保障や国防にかかる脅威など様々なリスクの最小化に向けた対策強化に最優先で取り組みます。

私は未来を開くために、雇用と所得の拡大につながる大胆な危機管理投資、成長投資、そして分厚い中間層を再構築する取り組み、人材力の強化に取り組んでまいります。日本全国どこに住んでいても安全に生活することができ、必要な医療、福祉や質の高い教育を受けることができ、働く場所がある、そんな地方を増やしていくことによって、災害時のリスク分散とともに豊かな地方経済への道を開いてまいります。

これまでも私は主権者の代表としての矜持を胸に、私自身も家族の看病や介護、そして見送りなどに苦労した生活者の1人として、お出会いした方々の切実なお声を伺いながら、数多くの法律案や政府の施策を自ら発案し実現してまいりました。全世代の安心感創出に向けた諸政策を力強く実行してまいります。

日本経済強靱化計画「サナエノミクス」三本の矢

続けて、具体的な政策についてご説明を申し上げます。

まず日本経済強靱化計画で経済を建て直し、成長軌道に乗せてまいります。日本経済強靱化計画、いわゆる「サナエノミクス」の三本の矢は金融緩和、緊急時の機動的な財政出動、そして大胆な危機管理投資、成長投資でございます。

これらの取り組みを総動員して物価安定目標2%の達成を目指してまいります。この物価安定目標2%を達成するまでには時限的にプライマリーバランス、いわゆる基礎的財政収支規律を凍結をして、戦略的な財政出動を優先させていただきます。プライマリーバランスが赤字であっても、名目金利を上回る名目成長率を達成していけば財政は改善します。また行き過ぎたインフレの兆候がもしもみられた場合には、年間の投資額を柔軟に調整いたします。

そしてリスクを最小化するための危機管理投資でございますが、これは同様の課題を抱えている諸外国に対して、製品やサービスを輸出していく、このことによって成長投資にもなります。雇用と所得を増やし、消費マインドを改善し、結果的には税収増を目指していく。こういった取り組みでございます。また大胆な危機管理投資、成長投資の恩恵は未来の納税者にも及びます。

強い経済は中長期的な財政再建に資するものでもございますし、全世代に必要な社会保障を充実させるためには不可欠でございます。また外交力や国防力、そして科学技術力や文化力の強化、また豊かな教育の実現にも直結するものでございます。

大規模な財政出動をともなうことになるこの3本目の矢。大胆な危機管理投資、及び成長投資についてご説明を申し上げます。この危機管理投資によって安全で強靱な国を作ってまいります。危機管理投資というのは、様々なリスクの最小化に関する研究開発の強化、人材育成、そして安全と安心を確保できる製品、サービスの開発や社会実装、また、重要物資の調達などに資する財政出動や税制措置をおこなっていくことでございます。

大規模災害や感染症の発生など緊急時においても生活、医療、産業、衛生などに必要な物資については国内で生産、調達することを可能にするものでございます。また、感染症、重病、難病の克服に向けて今はまだ日本が弱いと言われている「創薬力」、薬を創る力の強化に向けた重点投資をおこなってまいります。

また防衛、インテリジェンス、海上保安、警察、消防、ここには救急も含まれます、入国管理、検疫、医療、保健を担っている各機関の体制拡充に取り組んでまいります。消防団員の方々の年額報酬、出動手当の適切な支給については引き続き、地方公共団体に要請をしてまいります。

激甚化する自然災害 10年間で約100兆円規模の周期計画

また自然災害が激甚化してきております。気候変動の影響を大きく受けております。この中で、水害や土砂災害の防止対策、耐震化対策、送電網、通信網の強靱化など、10年間で約100兆円規模の周期計画を構築し、集中的に実施をいたします。

また厳しい気候に耐えうる土木技術、建築技術の研究開発、また農地や牧地に止まらず河川流域全体、市街地全体を再設計するグリーンインフラ技術、大変注目をされておりますが、ここに投資をしてまいります。さらに老朽化した集合住宅の増改築を促進してまいります。また約10年後から大量に廃棄が予想されております初期型の太陽光パネルの安全な処分ルールの策定、つまり鉛やセレンが含まれている製品、これをこのまま埋めますと、土壌汚染が起こってしまいます。また表面を上にして廃棄しますと取り外しても発電は続けますので、感電の危険もございます。

まずは安全な処分ルールの策定とともに、いま、アルミはリサイクルできますが、その他の部分についてリサイクルが非常に難しい、こういったお声も伺っておりますので、しっかりとしたリサイクル技術の開発に取り組んでまいります。

また、今使われている感染防止用のアクリル板についても、同じような悩みのお声を市町村から伺っております。これも市区町村任せにしてしまっては大変負担が大きいことだと考えておりますので、環境に配慮した安くできる処分方法、この研究と費用支援に取り組んでまいります。

またこれは総務大臣時代に取り組みをいたしました案件ですが、医療テレメーター、つまり患者の心拍数や呼吸数のデータを、ナースステーションに送る、この医療テレメーターの電波遮蔽の問題や、混信の問題が起きてございました。別のフロアの患者さんのデータを受信していたり、また電波そのものがナースステーションに届かない、数百メートル離れた別の病院のデータが受信されている。

こういった問題の解消に取り組んでまいりましたけれども、医療機関によっては予算の都合でなかなかこの取り組みが進んでいないというお声もまたさらに最近聞きましたので、この取り組みを強化してまいります。

食料安全保障 自給率改善に投資

また食料安全保障、本当に大切な問題でございます。日本で気候が変動していく中でいかに農業を強くし、そして食料自給率を上げていく、さらには輸出にも取り組んでいく、こういった取り組みを、これを危機管理投資として是非実行させてください。

そして成長投資と人材力の強化で豊かな未来を切り開いてまいります。この成長投資というのは日本に強みのある技術分野をさらに強化し、新分野も含めて研究成果の有効活用と国際競争力の強化に向けた戦略的な支援をおこなっていくことでございます。

現在、日本に強みのある分野はたくさんございます。例えばロボット、マテリアル、半導体、量子工学、電磁波、電子顕微鏡、アニメやゲームもそうでございます。これらの分野につきまして技術成果を有効活用すること、また人材育成をおこなうこと、また国際展開に向けた応援をおこなうなど、戦略的な支援を進めてまいります。また産学官における、AIの活用による生産性の向上や高付加価値な財・サービスの創出、中小企業のデジタル化やロボットの導入への支援の強化、また6G、ビヨンド5Gの研究開発と社会実装を実現いたします。

それから今、通信関係の消費電力が急増していくと言われております。特にAI、データセンター、ネットワーク系の省電力化に向けた研究開発の推進、そして安定的な電力供給体制の構築に取り組んでまいります。特に経済安全保障上の理由から国外に置いてあるデータセンターを国内に回帰させようという声も上がっている中で、データセンターの消費電力、非常に大きいものがございますので、これは待ったなしの研究開発案件でございますし、世界中の国がデジタル化を進めていますので、一刻も早く省電力化に成功いたしましたらこれは大きく国際展開が可能な成長分野だと私は考えております。

電力の安定供給にもずいぶん多くの課題があると思います。治水ダム、また遊水池、貯水池、また貯水槽、用水路など、水力発電に活用するこの取り組みも進めてまいりとうございますし、また水素、蓄電池産業への支援強化もしっかりと進めてまいります。

スパコンに次ぐ国家プロジェクトは「小型核融合炉」

またスーパーコンピューター「富岳」の開発が終わりました。次の大型国家プロジェクトといたしまして、小型核融合炉、これはウランとプルトニウムが必要ございません。高レベル放射性廃棄物がでない、高効率発電設備ということで、今、世界中が競って研究開発をおこない、多くの実験炉も設立されております。この小型の核融合炉、安全で非常に高効率で環境にも大変優しい、この研究に向けて、現在、日本の中で素晴らしい技術要素がございます。

具体的には京都大学のスタートアップであるフュージョニアリング、この会社が素晴らしい技術を持っておられますが、残念ながら、投資額がたりません。他所の国に比べると二桁足りないという状況でございますので、しっかりと国家プロジェクトとして応援をし、いつでも早く実現に向けてこの小型の商用炉を作っていく。これを目指したいと考えております。

もう一つの国家プロジェクトとしては国産量子コンピューターの開発でございます。それから、合わせまして、量子技術イノベーション、これをしっかりと進めてまいります。量子暗号通信、また量子計測、センシング、また量子マテリアル、量子シミュレーションなど、技術領域を支援していきます。この量子技術というのは何か遠いところにある技術のようにお感じの方もおられるかもしれませんが、食品や薬品の本当に微量の異物を検知したり、また認知症やうつ病の解明、そして創薬。様々な私たちの生活を安全にし豊かにする技術でもございます。

またこれから、必要になってくるのはAI教育、そして社会人の方が今、リカレント教育として働きながら学んでおられますけれども、どうしても仕事の比率がとっても高くて、ちょっとずつしかお勉強できないという方がございます。働きながらではありますけれど、持続的にもう少し長い時間、勉強を続けていけるような「持続教育」というものを推進させていただきます。

また学校現場において、実学重視、実学を重視するルートも作っていかなくてはなりません。これは高専や専門学校の拡充をするとともに、実学志向の大学への編入を拡大していくこと、また大学においても予算の問題があって、相当、みなさま古い装置を使って実験研究をしておられますが、やはり今からの時代、最先端の設備を使った大学教育が必要でございます。

また今、成功事例も出てきておりますが、東京大学とダイキンが取り組んでおられますけれども、日本企業の海外の拠点においてインターンシップをおこなう、これによって非常に客観的に外から日本を見ることができ、最前線の国際ビジネスの現場を体験できる。大学生が体験できる。こういった実学重視の教育にも取り組んでまいりたいと思います。

そして必ずしも全ての方が高等教育を思う存分受けられるという状況にはまだ至ってはおりません。ですからフリーアクセスができる教材クラウド、これをしっかりと作成して、様々な事情を抱えておられる方々の学びの機会を増やしてまいります。

また幅広い世代を対象に、これは地域ぐるみでやったほうがいいと思うのですが、防災教育、防犯教育、消費者教育、投資教育、情報セキュリティ教育、食育、スポーツ文化芸術活動なども応援してまいります。

新型コロナ対策 死亡者極小化と自宅療養者減少が重点課題

それから次に新型コロナウイルス感染症対策の強化について申し上げます。先ほども申し上げましたが私は重症者数、そして死亡者数の極小化、そして自宅療養者数の減少というものを目指して重点的に取り組ませていただきたいと思います。

早めに治療薬を投与できる環境整備、これは治療薬処方が可能な場所の範囲を拡大すること、また国が管理する宿泊研修施設であったり、地方公共団体の管理施設の活用であったり、また搬送移送が非常に今困っているという状況ですので、厚生労働省のシステム、G-MISと救急用タブレットの連携などによって、 この移送搬送体制の円滑化を図りたいと思っております。

またワクチン接種の円滑化、マスク、消毒、手洗い、それからお手洗いの使い方などですね、必要な予防対策、これにも引き続き注力をしてまいります。あと現在は海外生産に依存している治療薬、主に軽症用から中等症用でございますが、国産生産体制、国内での生産体制、この構築に向けて精一杯の努力をしてまいりたいと思っております。

また緊急時に新薬を迅速に実用化できる、この薬事承認制度の確立を急いでまいります。現在も治療薬についてはすでに申請が出ているものもございます。一刻も早い承認が必要だと思われますので、ここは緊急時ということで、十分にみなさまの健康に大きな影響が出ないということの確認は必要ではありますが、緊急時の薬事承認制度というものは自民党からも内閣に対して提言しておりますので、一刻も早く適切な段階で治療が受けられる、この環境を整えることにまずは力を注がせていただきます。

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