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菅首相退陣へ

 9月3日、菅首相は自身の任期満了に伴う総裁選に不出馬を表明し、わずか就任1年での退陣となった。

 政治の世界では一寸先は闇と言われてきたが、本当にそうだと改めて思う。

 私が2度目の大臣として自治大臣兼国家公安委員長に就任した時代もそうだった。

 平成8年1月3日、村山富市首相と恒例の閣僚伊勢神宮参拝を行い、翌日初閣議、さあ今年も頑張ろうと首相を中心にして乾杯し、大臣たちはそれぞれの役所に新年挨拶に出かけた。

 私はまず警察庁で職員に訓示、記者会見を終えると次は自治省へ、ところが大勢の記者が待っていて、「今、総理が辞意を表明しました」と言うではないか。「そんなバカな」と思ったが、村山内閣の幕切れも、全く予期しない突然のことであった。

 マスコミ報道によれば菅首相は自分の続投の為に様々な手を打ったという。

 岸田氏の総裁選立候補が決まるや、その中で党役員任期を最長3年としたことに対抗し、いち早く二階幹事長の交代を打ち出し、あわせて党人事、閣僚交代を示唆した。更に総選挙時期も前倒しにして総裁選前に行うと考えているとの憶測もひろがった。

 党内は若手を中心に騒然となり、菅の顔では戦えないと一気に菅下ろしの動きが激しくなったのである。

 二階幹事長を交代させることによって、肝心の後ろ盾がいなくなる。二階派が菅氏を支えなくなるのは当然で、派閥を持たない菅氏にとっては決定的にマイナス、これでは総裁選に出ても勝ち目はないと判断したのではないか。

 もし、報道のように本当に延命の為に小細工を考えていたとしたら、まさに「策士策に溺れた」ということになる。

 菅首相は感染症対策で失敗し、内閣支持率も下がり続けたとマスコミを中心に多くの人が考えているようだが、私はやるべきことはやって来たと思っている。

 ワクチン接種も接種回数は世界で5位、コロナ致死率はG20中最も低いのだ。いいことは誰も褒めてくれない。それが世論と言うものである。

 これからのリーダーは、人流抑制のための私権制限や医師や看護師らにコロナ業務への従事を命ずる権限を知事に付与する法改正など、大胆な手を打つことが必要だ。しかし、これらのことは誰がやっても批判され続けていくものである。

 誰が何と言おうが正しいこと、為すべきことを断固進める不退転の覚悟こそこれからのリーダーに求められることではないか。

 立憲民主党の枝野代表は「こうした状況を作った自民党に政権を運営する資格はない」と、政権交代を言うが、民主党政権時代の惨憺たる悪夢を再び願う国民はいない。むしろ「闘いやすい菅」が辞任して一番困っているのが立民で、支持率も一向に上がらない。

 総裁選で各候補が国家観、愛国心、政策を正々堂々と論じ、国民の支持を取り戻してほしいと強く願っている。

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