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米国、英国、ドイツの大手紙誌が次々と……――安倍首相の歴史観に批判続出

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「先祖返りのような政治家」たちを率いる安倍晋三首相。(提供/AP・AFLO)

 今月に入って、安倍晋三首相に対する海外メディアの批判的な論調が目に付く。このうち、米『ロサンゼルス・タイムズ』紙一八日付の「歴史修正主義の東京的手法」と題した記事は、単に首相だけに留まらない日本の過去の無反省ぶりを告発する姿勢が顕著だ。

 筆者のビル・グッテンターグ、ダン・スターマン両氏は、南京大虐殺を描いたドキュメンタリー映画『南京』の製作を手がけた。それだけに「安倍首相率いる保守層の大半が、日本が女性に性奴隷を強制した事実を否定」し、安倍首相が同職在任中以外に「(日本は太平洋戦争で)西欧植民地主義のくびきをアジア諸国がかなぐり捨てるのを助けた」などと唱える靖国神社に参拝したことを批判する。

 さらに、「驚くべきは日本の指導者や数は限られても声の大きい多くの市民たちが、自国の戦争の歴史について事実に基づかない認識を抱いている点だ。南京におけるレイプも議論になっていない」として、「多くの中国人にとり、選挙で超保守派の国家主義者が首相になったのは、一連の侮辱の最新版と見なされている」と述べ、他国への配慮のなさに呆れている。

 この歴史歪曲への警戒は、英『エコノミスト』誌五日号の「日本の新内閣 バック・トゥー・ザ・フューチャー」と題した記事でも目立つ。閣僚一九人の過半数が、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」や、「戦時中の犯罪に対する“謝罪外交”を拒否する」右翼団体「日本会議」の系列議員である事実に注目。外交上、こうした「過去の亡霊」を党内だけに閉じ込めねばならないはずなのに、「安倍首相の新内閣でまず不可能になった」と結論付けている。

 独『シュピーゲル』誌一七日号(英語電子版)の記事「日本の首相が過去の危険を招く」は抑制的ながら、ドイツと同じ敗戦国の日本の首相が、「米国占領者によって平和的な憲法や比較的リベラルな教育制度、そして首相には全部気に入らない歴史認識を押し付けら」れたとか、東京裁判について「永遠に服従させるために侵略者の汚名を着せた」などと公言している点に驚きの目を向けている。

 同時に、「中・韓だけが、日本の新たな歴史修正主義の傾向を疑惑の目で見ているのではない」として、米国も「先祖返りのような政治家だらけの安倍内閣が、東アジアで緊張を高めないかと恐れている」と警告するのを忘れていない。

 その米国の『ニューヨーク・タイムズ』紙は元旦に、ドレーク大学のマリー・マッカーシー助教授(国際関係論)の論文を掲載。そこでは従軍「慰安婦」問題で謝罪を表明した「河野談話」を、「安倍晋三をはじめとする多くの保守主義者が決して認めず」、新内閣が「見直し」を示唆したことについて触れ、「こうした歴史修正主義がはびこる雰囲気は、日本と近隣諸国の関係を円滑にする上で最大の障害だ」と非難を加えている。

 さらに従軍「慰安婦」問題への安倍首相の態度は「東アジアで日・韓を最重要同盟国とする米国にとっても、深い懸念材料」と述べ、一歩踏み込んでこうした歴史認識が「日本の対外関係だけでなく、米国の戦略的利害にも関わる問題だ」とまで言い切っている。

 続いて同じ観点から首相批判に徹しているのが、同紙二日付の社説「日本の歴史を否定する別の試み」だ。冒頭、「アジアの安定のため、日韓関係ほど大事なものは他にあまりない」と強調しながら、首相が今総選挙前から『産経新聞』で「河野談話」のみならず、敗戦五〇年の節目で「植民地支配と侵略」を謝罪した「村山談話」の見直しも言明していると指摘。

 その結果、「安倍は今回の任期を、韓国との関係を炎上させ、協力をより困難にする大きな過ちからスタートしようとしている」と分析し、「犯罪を否定し、謝罪を薄めようとする」「安倍の恥ずべき衝動的行為は……地域における重要な協力関係を脅かす」と酷評している。

 こうした論調を反映してか、米ニューヨーク州議会上下両院では、日本軍の従軍「慰安婦」について、日本政府に公式に謝罪を求める決議案が一月一六日に上程された。

(成澤宗男・編集部、1月25日号)

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