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【カブール発のラストフライト】

アメリカ軍のアフガニスタンからの撤退が完了し、20年に及ぶ「アメリカ史上、もっとも長い戦争」が終わりました。

バイデン米大統領に対する批判は保守的なメディアの社説からリベラルなメディアの社説まで広がっています。



保守的なWSJの社説Last Flight From Kabul(カブール発のラストフライト)の副題は「数千人が取り残されるなか、不名誉な日として記憶されるだろう」です。

この中で、「アメリカ軍の最後のひとりが30日、期限の31日を前に離れ、この結果、20年に及ぶ戦いは終わったが、アメリカに協力したアフガニスタン人の通訳など数千人の希望をないがしろにした」と指摘した上で「アメリカの歴史上、恥ずべき日だ」と総括しています。

さらに残された人たちは6万人に達するという推計を紹介。

そもそも8月31日はバイデン大統領が911から20年の日に「史上最長の戦争を終わらせた」と宣言するために勝手に決めた期限で、期限内に希望者の退避を完了できないとしてNATOなどから延長を求められたにもかかわらず、それを拒否したと批判しました。

さらに「大統領と側近らは責任の明確化や何がなぜうなくいかなかったかを退避後に時間をとってやればよいと繰り返してきた。それはただちに始めるべきだ。この規模の国家安全保障上の災いは責任の明確化が必要で、まずはトップから始めるべきだろう」と締めくくっています。

リベラルなWashington Postの社説はAmerica is leaving thousands of people behind in Afghanistan. This is a moral disaster.(アメリカは数千人をアフガニスタンに置き去りにした。これは道徳上の人災だ)です。

この中で、「7月末から12万2000人もの人たちがカブールから航空機で退避し、確かに大勢ではあるが十分ではなかった」といいます。

アメリカに協力したアフガニスタン人の通訳らが大勢取り残されとして、バイデン大統領と政権による戦略的、戦術的な誤りによる「道徳上の人災だ」と総括。

バイデン政権は残された人たちについて「決して忘れられるわけではない」として引き続き待避に尽力するとしているとのこと。

しかし、ロシアと中国がアメリカが打ち出した国際声明に名を連ねていないことから、31日以降の退避に向けて、カブールに国連主導の「安全地帯」を設けるというフランスのマクロン大統領の提唱の実現が難しいということを示唆。

ブリンケン国務長官がタリバンに対して「大いなるレバレッジがある」と言っているからには、退避が完了までそのレバレッジを必死に使うべきだとまとめています。

FTの社説はAmerica's 'forever war' is along way from over(アメリカの「最長の戦い」は完了からほど遠い)で、副題は「カブールで起きたテロはアフガニスタンが再びジハードの保護区になりかねないことを示している」です。

この中で、アメリカの20年に及ぶ戦争は多くのアメリカ人が殺害された同時多発テロに始まり、13人のアメリカ兵が亡くなったテロで終わるとして、20年前に比べて死者は少ないものの、影響はやはり計り知れないと指摘。

バイデン大統領については大規模な退避の計画性のなさと軍の撤退への固執を疑問視しています。

さらに、「最長の戦い」は「最長の平和」とはならず、新たなジハードの脅威につながった総括としています。

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