- 2021年09月02日 09:44 (配信日時 09月01日 10:15)
「予報精度は気象庁より上」わざわざ有料の天気予報アプリを使う人が増えているワケ
1/3天気予報の「有料アプリ」を使う人がじわじわと増えている。ウェザーニューズの有料アプリの会員数はこの3年で約3倍、同社の個人向け事業はこの3年で売上高が1.5倍になっている。背景にはなにがあるのか。ITライターの酒井麻里子さんが取材した――。

「タダで当たり前」のはずの天気予報アプリに有料課金する人が急増
有料会員数がこの3年で約3倍に急増した天気予報アプリがある。株式会社ウェザーニューズが提供する「ウェザーニュース」だ。アプリの累計ダウンロード数は2600万回超。同社は具体的な有料会員数を公表していないが、アプリを含む個人向け事業の売上高はこの3年で42億円から61億円と1.5倍に成長している。
天気予報アプリは競争の激しいジャンルだ。ライバルは日本気象協会の「tenki.jp」や、ヤフーの「Yahoo!天気」で、いずれも地域・時間別の天気や雨雲レーダー、熱中症の危険度や災害情報など情報は豊富だ。「ウェザーニュース」も多くの機能を無料で使うことができる。
テレビやネットを開けばタダでいくらでも手に入る「天気予報」にわざわざお金を払う人が増えているのはなぜなのか。
ダウンロード数1位も月額330円は強気の価格設定
App Storeの「天気」カテゴリランキング(2021年8月17日時点、無料アプリ)では、1位がウェザーニュース、2位が「Yahoo!天気」、3位が「Yahoo!防災速報」、4位が「tenki.jp」となっている。また、Google Playではウェザーニュースが1位、Yahoo!天気が2位だ。
ちなみに、Yahoo!天気はすべての機能が無料。tenki.jpは月額110円を払うと「プレミアム会員」として気象衛星の画像や1時間ごとのピンポイント天気などが見られる。ウェザーニュースの月額330円(プラットフォームにより若干異なる)は、天気アプリとしては強気の価格設定といえる。
かつてはテレビ局などへの気象情報販売が主な事業
ウェザーニューズは、2009年に現在のスマホアプリの前身となる「ウェザーニュースタッチ」を配信し、2011年には有料制度(当時はiOS向けが350円、Androidは315円)を導入した。アプリとウェブを集計した月間利用者数(MAU)は、2019年5月の2600万に対して2021年5月は3800万と2年間で約1.5倍に増加している。
かつてはテレビ局等に天気予報の原稿を販売したり、鉄道や航空などの交通会社向けに気象情報を提供したりするのが主な事業だった。だが、直近ではアプリもその売り上げを急速に伸ばしている。広告なども含めた個人向けの「モバイル・インターネット気象事業」の売上高は、2019年には42億円だったのに対し、2021年には61億円までに成長。これは会社全体の売上高の3割にあたる。
有料会員には複数の台風進路予測などを提供
アプリでは現在地や登録した地点の天気や気温などの基本情報のほか、降水確率は「5分ごと」「1時間ごと」「今日明日」「週間天気」から切り替えて見ることができる。他社が1時間ごとであるのに対し、5分ごとの天気を提供しているのは業界唯一となる。
また、地図上に雨雲の状況を表示する雨雲レーダーや、台風の進路予測、各地のライブカメラ映像などに加え、季節にあわせた情報も豊富に提供。熱中症警戒度や花粉の飛散状況のほか、各地の紅葉や桜の開花時期なども毎年公開している。
これらのうち、5分ごとの天気を含む時系列の天気や1時間後までの雨雲レーダー、基本的な台風情報や季節の情報はアプリをダウンロードするだけで無料で閲覧できる。有料会員向けには、ウェザーニューズ、気象庁、JTWC(米国海・空軍合同台風警戒センター)の3団体の台風の進路予測を比較できる「3本予測」や、台風の公共交通機関への影響予測、現在地の降水量を予測する「大雨ピンポイント情報」、任意の地点の気象情報をプッシュ通知で受け取れる機能など、より詳細な気象情報を提供している。
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