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日本銀行・白川方明総裁 辞任発表緊急会見 全文文字起こし(2013/2/5)

2013年2月5日、日本銀行・白川方明総裁が、3月19日付をもって職を辞することを緊急記者会見で発表した。

自身の任期は4月8日にもかかわらず、山口広秀、西村清彦副総裁の任期である3月19日に、前倒しをして辞任する理由はなにか。いつ辞任を決意し、なぜこのタイミングで発表を決断したのか。

記者会見の様子を全文文字起こしをし、ここに記録として掲載する。
(編集部註:一部文章を整えています。)

 (文字起こし / シノドス編集部・金子昂)

白川
 夜たいへん遅いところにお集まりいただきまして誠に恐縮に存じています。日ごろお世話になっております日銀記者クラブの皆さんに、本日総理に対して申し上げたことを私の口から直接ご説明したいと思って、お集まりいただいた次第でございます。
 
本日、官邸に参りまして、総理に対し私の進退についてお話申し上げました。ご承知の通り、私の総裁としての任期は4月8日に到来します。ふたりの副総裁の任期は3月19日に到来いたします。私としましては総裁、ふたりの副総裁、新しい体制が同時にスタートできるように、3月19日をもって職を辞することを総理に申し上げました。以上です。
 
 
――なぜこのタイミングで、前倒しで辞めることを決めて発表されたのか。あわせて政府からの圧力はあったのかお答えください。
 
1月22日に日本銀行として、最適な対応はなにかを考え、金融緩和の思い切った前進を決定いたしました。
 
私としては、この決定した内容につきまして、国内外で総裁である私の言葉でしっかり説明する必要があると思っていました。先週は、決定会合後の記者会見、それから講演で、国内では説明を行いました。
 
それから先週末といいますか、この土曜日、日曜日にソウルでBISの特別総裁会議がありまして、各国の中央銀行の総裁に対しても、直接今回の決定について説明をいたしました。そうした国内外での説明を行うことによりまして、私自身の進退について話をする環境が整ったと判断いたしまして総理に申し上げました。
 
ご質問にございました、政府からの圧力はまったくございません。いま申し上げたように、私自身の判断で、このタイミングで総理に申し上げることが適当であると判断しました。
 
 
――前回の決定会合後の会見では、辞任の意向について否定するような答えをされていたと思いますが、今回前倒しでやめられることを決められたタイミングはいつなのでしょうか。
 
いま申し上げました通り、国内外でしっかり私の口で説明する必要があると申し上げました。
 
先週末、ソウルで各国の総裁に対し説明をし、昨日のお昼にソウルから帰ってまいりました。私としては各国に対してもしっかり説明をしたということで、そうしたことを見極めて、最終的に本日判断したということであります。
 
この前の記者会見で申し上げましたけれど、総裁としての職務、職責はしっかり果たすつもりでございます。3月19日は、あくまでも総裁、それからふたりの副総裁という新しい体制が同時にスタートすることが可能になるようにするためでありまして、3月19日まで、総裁としての職責をしっかり果たす、これはまったく記者会見当時も変わっていませんし、就任以来これはまったく変わっていない。そういう思いです。
 
 
――政府が金融緩和にたいして圧力を強めています。これに対しての抗議の辞任という意味合いはあるのでしょうか。
 
まったくありません。あくまでも新しい体制が同時にスタートできることを目的としたものであります。
 
 
――今日官邸で報告された際に総理とはどのようなやりとりをされたのでしょうか。
 
いま皆さんに申し上げたことを、総理に私のほうから申し上げました。総理は私の説明をしっかりお聞きになっていたと受け止めました。
 
 
――新しい体制について、どういった風にしてほしいという要望を総理になさったのでしょうか。
 
今日の目的はあくまでも私が職を辞することの説明でした。
 
 
――総理からはどういう言葉が。
 
私の口から申し上げることはよくないと思います。私からはさきほど申し上げたことをしっかりご説明し、総理もしっかりとお聞きになっていたことに尽きます。
 
 
――新しい体制はいつからスタートするのでしょうか。
 
新しい体制自体は、内閣が候補者を決めて、国会に提示し、国会両院の同意を得て、内閣が任命するものであります。したがっていつスタートするかは、内閣、それから国会が決める話ですから私がコメントすることは不適切だと思います。
 
私としては同時に新しい体制がスタートすることが可能になるように、19日付をもって職を辞することです。
 
 
――いつ頃からお考えになっていたのでしょうか。
 
先ほど申し上げたことにつきます。週末に海外の中央銀行に対してもしっかり説明し、その結果、自分の進退についてお話をする環境が整ったということで、最終的に今日決断しました。
 
 
――仮に国会の事情で、3月19日までに総裁が決まっていない場合どうなさいますか。
 
仮定の質問におこたえするのは不適切だと思います。
 
 
――総理とお話したのは諮問会議後ですか。
 
総理にお会いしたのは諮問会議後でございます。
 
 
――4月8日までに務められるのと、3月19日に辞められることにはどういうメリットがあるのでしょうか。
 
先ほどの説明と重なりますが、新しい体制が同時にスタートできるわけですね。私自身の任期満了は4月8日ですが、新しい副総裁の任期、仕事のはじまりは3月20日になっています。そうすると3週間弱のズレがあるわけです。
 
新しい体制のもとで、金融政策をしっかり議論してく、あるいは中央銀行の政策を考えていくことには、やはり同時スタートがもっとも自然だと。この自然さのメリットは大きいと判断しました。
 
 
――前回の反省があるからですか。
 
前回の国会についてコメントすることは適当でないと思います。私自身は、今のこの状況の中で日本銀行としてしっかり仕事をして、日本経済に貢献する観点からみて、同時発足、同時スタートのメリットがあると判断しました。
 
 
――日本銀行として体制が変わっても、金融政策において重要なことはどういうことでしょうか。
 
新しい体制になってからのことについて、私がコメントすることは不適切だと思います。
 
ただ日本銀行の金融政策、日本銀行の使命については法律にしっかり書かれているわけです。金融政策の使命は、物価の安定を通じて国民経済の健全な発展に資すること。それから決済システムの円滑な運行の確保をもって、金融システムの安定に貢献していくこと。
 
つまり物価の安定と金融システムの安定を通じて、経済の発展に貢献していくという使命、これは法律にはっきり書かれていますから、どういう体制になっても、もっとも大事な使命だと思っています。
 
夜遅くまで、申し訳ありませんでした。3月19日まで、日本銀行総裁としての職責を、全力をもってやっていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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