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ネット選挙解禁 論点について

政権発足直後に、安倍首相がインターネット選挙運動の解禁に言及、夏の参院選からの実現に期待が集まっています。本件は、私自身が議員時代にかなり積極的に取り組みながら実現しなかった案件です。この機会に、私が考える、実現までの論点について触れたいと思います。

まず、なぜ民主党政権で実現できず、自民党政権に復帰して実現しそうかと言う点です。これは、一言で言えば、ネット選挙解禁に対する民主党政権の「気合い」「思い」が不足していたということです。具体的には、選挙制度を取り扱う委員会(倫選特)での議論はそのほとんどのエネルギーが「一票の格差」問題に集中し、この課題が解決されなければ他の課題に手を付けてはいけない状況と、民主党自体が思い込んでいたことです。

結果として、一票の格差という憲法問題と、定数削減と言う政治改革の話を野田首相がごっちゃまぜにして解決不能になり、ネット選挙を表で論ずることなく衆議院解散となってしまいました。もっと合理的に「できることからやりましょう」とすれば、ネット選挙解禁くらいは実現できたはずと、自らの力不足を改めて悔いる思いです。(もちろん、2009以前の自民党政権では、解禁する気がほぼ全くありませんでしたから、民主党ばかりを悪く書くのも行き過ぎかも知れません。)

もう一点、民主党政権時と今との違いがあります。それは、民主党にも自民党にも、未だ残る「ネット選挙を解禁すると誹謗中傷が正当化されて好ましくない」というような意見を言う議員が実際におりましたが、今はいらっしゃらなくなりました。消費増税のような大きな課題はあらゆる議員がそれぞれの意見を述べますが、ネット選挙くらいのタマであれば、特定少数の議員の意向が結構大きく作用します。国会議員の多くが賛成していると思われる課題で、しかし前進していないものは、一部少数の議員がハードルになっているというケースの好例です。もちろん、それを乗り越えなければなりませんが、これまでのネット選挙に対する対応は、乗り越えるためのパワー、外的環境が不足していたことが大きな失敗の要因です。

いずれにせよ、安倍政権になり、推進派急先鋒の世耕さんが官房副長官として官邸に入られたわけですから、かなり期待をして見守りたいと思います。

さて、中味の論点は新聞各紙でも報じられている通り、いくつかが挙げられます。主には、解禁の範囲や、メールを送信できる範囲、有料広告の可否、ネット上への本人情報開示義務の是非、誹謗中傷や虚偽事項公表などに対する罰則強化有無などでしょう(機会があれば、細かく、個々の論点について記したいと思います)。一部政党は、将来のネット上での投票を検討する項目を入れるべきと主張しますが、これは切り分けて考えた方が賢明です。

いずれにせよ、論点は整理されていますから、あとは各党がまとめたものを持ち寄り、実務者が数時間、ひざ詰めで話し合い、合意を見れば解禁されます。国会審議自体は、衆参両院委員会一日、両院本会議一日(というか一瞬の起立)で済みますから、手続きに入れば一週間で仕上がります。
誹謗中傷対策を万全に、とかいう議員もいますが、はっきり言って、100%の対策などできるはずもなく、ある程度の解禁をしてみないと、どんな問題が実際に起こるか、わかりません。不確定な未来のことを、ダメだ危ないとだけ叫んで、前に進めないのであれば、それは邪魔をしているだけに過ぎません。だいたい、ネット選挙が禁止されていること自体、今の時代状況からして異常です。

国会の状況にもよるでしょうが、最速で補正予算成立後、本予算審議入り前の2月から3月にも、本件が表舞台に出ると期待されます。私も、出来得る後押しをしたいと思います。

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