- 2013年02月04日 20:43
スペイン国債が売られています。これは注意が必要です。
ユーロの信用回復が、世界的なリスクオンになり、嵐から避難していた資金が、避難先から、出てきているのが、現在の状態であることは、何回も説明しています。
避難先の円はどんどん売られており、ジャンク債や高利回り債が買われ、株式も買われています。
(もちろん、世界的な金融緩和も大きな理由なのです)
そのユーロの信用回復の象徴が、スペイン国債やイタリア国債の利回りの低下でした。
スペイン10年債は、一時5%割れまで買われたのですが(1月10日11日)、今晩5.4%を超えてきました。
ラホイ首相の不正資金疑惑があり、首相は疑惑を否定するも、野党の批判は収まらず、辞任要求となっています。
また、雇用省発表の失業者数が1月に再び増加に転じました。
スペインの景気懸念は、以前から言われていたので、さして驚くに値しませんが、政治が不安定となりますと、財政再建計画やOMTの要請などに不透明感が増しますから、ユーロの信用の回復に水を差すのですね。
【スペイン10年国債利回り 日足】
ユーロドルのチャートを逆した形とスペイン10年債のチャートって似ていますね。
スペイン国債の利回りが上昇しているということは、今までのリスクオンの動きが、お休みするかもしれないということです。
もちろん、一時的な動きであるのかもしれませんが…
もし、円が、世界的な資金の動きよりも、単にアベノミクスが主因で、円安に動いているのであれば、欧州の動きにかかわらず、ドル円は調整することなく、円はさらに安くなるのかもしれません。
また、スペインに加えて、イタリアも注目です。
2月は総選挙(24日~25日)があります。
1日の世論調査で、ベルルスコーニ前首相(中道右派)が、次期首相の最有力候補のベルサニ党首(民主党:中道左派)との差をじりじり詰めています。
世論調査の結果は、中道左派連合は32.8%、中道右派連合は27.8%なのです。
面白いことに、このベルルスコーニの躍進には、遠因として、野村証券が絡んでいると!
例のモンテ・デイ・パスキ・デイ・シエナ銀行の乱脈経営やデリバティブの派生商品での巨額損失(相手方の1社が野村証券でした)が大問題となっているのですが、このシエナ銀行のと関係が深いのが民主党なのです。
シエナ銀行は39億ユーロの政府支援を受けており、中道右派連合に有利になっているようです。
大きな流れ(リスクオン)には、変わりはないかもしれませんが、スペインやイタリアの政権交代が起きますと、様子見とかになりかねないということですね。