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【アマゾン】、ついにウォルマートを抜く!歴史的な出来事は未曾有のイベントで急加速?

■ニューヨーク・タイムズ紙は17日、ネット通販最大手のアマゾンがチェーンストア最大手のウォルマートを売上高で初めて追い抜いたと報じた。

流通取引総額(Gross Merchandise Value)という条件はつくものの、30年以上に渡って米国流通を牽引してきたウォルマートがネット通販大手に抜かれたことは歴史的なイベントとなる。

同時に消費者の買い物の仕方がここ数年で大きく変化していることを浮き彫りにした形だ。

両者の売上高比較は、ファイナンシャルリサーチ企業のファクトセットが金融市場や業界の情報を基に推計したデータによる。

これによるとマーケットプレイス(サードパーティ業者が新商品もしくは中古品を出品販売する)を含むアマゾンの小売売上高は今年6月までの1年間で6,100億ドル(約67兆円)だった。

ほぼ同時期となる今年7月までのウォルマートの年間売上高は5,660億ドル(約62兆円)だった。

チェーンストア最大手はネット通販最大手に440億ドル(約5兆円)の差をつけられ、小売売上高トップの座を奪われることになったのだ。

ただアマゾンは、外部業者の売上高となるマーケットプレイスの販売分が売上の大半を占めており、その販売から徴収している手数料しか公表していない。

流通取引総額に加え推計データによるものなので、当時は売上高トップだったシアーズを1990年にウォルマートが抜いたこととは、意味合いも異なる。

多くの消費者が現在、ネット通販を頻繁に利用し、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響でさらにネット需要を押し上げた。

自宅待機命令や隔離生活のために、生鮮品までネットで購入し宅配してもらうことがニューノーマルとなっている。

新しい生活様式が追い風となりアマゾンの8月までの年間売上高は2,000億ドル(約22兆円)近くも増えたとみられているのだ。

ウォルマートは宅配サービスやカーブサイド・ピックアップを拡大し、ネットスーパーではアマゾンに猛追している。

昨年9月からはアマゾンのサブスクリプション「アマゾン・プレイム」に倣い、「ウォルマート・プラス(Walmart +)」も始めている。

 一方でアマゾンが2025年までにウォルマートに代わって米国最大の小売企業となるというレポートはすでに発表されている。

EC分析のエッジ・バイ・アセンシャル(Edge by Assential)によると2025年にアマゾンの小売売上高は6,316億ドル(約69兆円)となり、ウォルマートはガソリン売上を除くと5,233億ドル(約57兆円)になるという。

この予測はアマゾンの年平均成長率を14.9%で試算し、ウォルマートは同じく3.9%ではじき出した数字だ。激しい競争を繰り広げる小売りの巨頭が2025年に地位を逆転させ、約20%の差をつけるという。

市場ではウォルマートがアマゾンに追い抜かれるのは時間の問題というのが一般的なコンセンサスとなっているのだ。

 ウォルマートを小売売上高で抜いてしまったアマゾンも喜んでばかりはいられない。業界リーダーとしてこれまで以上に厳しい目を向けられることになるからだ。

アマゾンは約130万人の従業員を雇用しており、その多くが倉庫で商品のスキャンや梱包を行ない賃金は1時間あたり約15ドルと労働内容からすれば低いと指摘されている。また倉庫施設から漏れ出す劣悪な労働環境に関する不穏な話も後をたたないのだ。

最近ではブラッド・ストーン氏によるアマゾンについての最新作「Amazon Unbound: Jeff Bezos and the Invention of a Global Empire」(未邦訳)では、マーケットプレイスで大人気となっている商品や製品を、アマゾンがコピーしてプライベートブランドとして販売する商慣行も指摘されている。

 アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏がCEOを退任した年に、それまでベンチマークしていたウォルマートを抜き去ったことは時代のうねりを感じさせる。

変化の激しいアメリカ流通業界で再びウォルマートがトップに返り咲くのか、それともアマゾンがウォルマートとの差を広げるのかに大きな注目が集まる。

トップ画像:アマゾン配達トラック。アメリカのどの街にもウォルマートがあるように、いまや見かけない日はないというぐらい走っている。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤は流通月刊誌「激流」の海外情報で毎月、記事を書いています。最新号では多くの事例とともに「店数を増やして売り場を拡大しても『暮らしの豊かさ』を実現できない。米国の最新事例を参考に、日本人も使えなくなったチェーンストア理論から離れなければならない時代が来ているのだ」と結んでいます。残念ながら日本の一部の流通専門家には、いまだに「店を作れ」「お店がご利益」という人たちがいます。最新の事例も研究もせずに(若かりし頃にアメリカから学んだことを今も引きずり)無責任なことを説いているのです。新しいことを学ぶには、彼らにはしんどい年齢かもしれません。時代錯誤のコメントから謝罪に追いこれた元プロ野球選手ではありませんが、時代に合わなくなった価値観を持つ人を今も重宝するメディアにも問題があるようです。ルールの変わらないスポーツと違い、人の消費活動に、いつまでも続くようはルールや理論は適用できませn。売り場に縛られていては、消費の未来は見えてきません。ましてやDXの本質も...
 デジタルネイティブどころかSNSネイティブな消費者が増えてきます。ストアアプリさえ使えない専門家は、若い人に頭を下げてでも今の消費活動を学ぶべきです。まだ推測の段階ではありますが、ネット通販最大手がチェーンストア最大手を抜いたことはキチンと認識すべきです。

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