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岡口基一裁判官に対する弾劾裁判所の動きが急すぎる 職務停止は結論ありきか

岡口基一裁判官が弾劾裁判所に訴追されましたが、今般、職務停止となりました。
職務停止決定の原物です  停止決定をした理由は私にも教えられていません

 確かに理由は何1つ書かれていません。しかし、実際に裁く人たちが、理由も付さずに職務停止を決めることは結論の先取りにしか見えません。
 その理由は答えられないとも言っているのはもっと問題です。
岡口裁判官を職務停止 SNS投稿問題で弾劾裁判所決定」(朝日新聞2021年8月11日)
「裁判官弾劾法は「弾劾裁判所が相当と認めるときに訴追を受けた裁判官の職務を停止できる」と規定。過去に訴追された9件の裁判官はいずれも職務を停止されている。弾劾裁判所は今回の判断理由について「答えられない」としている。」
 ここで大事なのは、ノーコメントではなく「答えられない」と述べている点です。答えられないようなことをするのかということになります。
 過去の先例に従っただけなのか、何も考えてないのか、よくわかりませんが、本当に主体的に考えているのか疑わしくなります。

 最高裁は、ノーコメントです。

ツイートで訴追の仙台高裁裁判官の職務停止を決定 弾劾裁判所」(NHK2021年8月11日)
仙台高等裁判所の岡口基一裁判官の職務が停止されたことについて、最高裁判所広報課は、「弾劾裁判所の決定なので、コメントは差し控えたい。仙台高裁では応援態勢をとるなどして事件処理に支障を生じさせないようにすると承知している」としています。
 その判断にはコメントしづらい立場であるでしょうが、とはいえコメントしてはならないという立場でもありません。
 今般、訴追の対象となったものは、いくつにも別れていますが(行為は別々なので)、大きくは、①性犯罪被害者へのコメント、②犬の飼い主に対するコメント、③ ①の遺族へのコメント等一連のコメントに大別されます。
 そうなるといずれも最高裁判所の分限裁判で戒告処分を受けたり、所属庁から厳重注意処分を受けたものです。
 今般の訴追は最高裁などの判断が否定されたということにもなります。
 最高裁として訴追要求を出さず、分限裁判で過料を選択することなく戒告としたという判断が真っ向から否定されたということになります。
 その意味ではコメントを出してもいいのではと思います。

2021年8月8日撮影

 ところで表現の自由という観点からの立論もあります。
 これは1つの整理として参考になります。
 思想的には相容れない方ですが、表現の自由に対する考え方は同じです。
 もっとも裁判官としてその発言が許されるかどうかという問題であり、そこは個人的立場での発信とは異なるので、表現の自由がそのまま妥当するものではなく、表現の自由から論じるよりも裁判官の独立という観点から論じるべきものではないかと考えます。
 いずれにせよ、職務停止も問題だし、罷免はあってはならないと言えます。

岡口基一裁判官の訴追(罷免)は行き過ぎ 裁判官の身分を失わせるのはあまりにバランスを欠く

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