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念のため、TPP論点整理

今一度、TPPについての論点整理をしてみたいと思います。

私の主張は、ルールを作れる側に立てるならば、参加すればよい。しかし、ルールを作る側に立てなければ参加するべきではない。これが私の一貫した主張です。

ご承知のとおり、TPPは、一口で云えば、アメリカナイズ制度です。

日本がTPPに参加した場合、10カ国合計のGDPのうち、日米で90%を超えることを国民の多くは知らされていません。TPPは疑いなく、「日米貿易協定」なのです。だから、どちらの側が優位に立てるかが重要なのです。

関税撤廃が輸出を促進させると期待を寄せる気持ちは分かりますが、輸出の大幅な増大には結びつきません。我が国は既に開国されているからです。具体的に見てみます。

全品目の平均関税は2.6%、これは米国のそれよりも低いのです。米国のトラックに課される関税は25%と高いのですが、乗用車は2.5%、ベアリングは9%。同様に、今矢面に立たされている農業についても一部を除いて同様。農産品の平均関税率は12%で米国の6%よりは高いのですが、EUの20%よりは低い。「第三の開国」という表現は、思慮を欠いた非常に不適切な表現であると言わざるを得ません。もしも、関税撤廃をしても、急激な円高に晒されれば、利益は吹っ飛びます。

国家としては、関税撤廃より円高対応を優先すべきである。これはアベノミクスの肝。TPPを気にする事なく、先ずはひたすらに円高対策をすればよいのです。

「米国企業が日本に参入できないのは日本の構造的なものである。だから、制度を変えろ」というのが米国の主張であり、これは戦後一貫しています。

TPP交渉の「場外」で、フォードと米国自動車工業会は日本に対して、ハイブリッド車の中身と技術を教えろという内容の要求を突きつけてきています。日本はTPPに参加すれば輸出が多くなって状況はよくなりそうだと見込んでいて、それより円高の方が大問題だと考えている現状です。そこで車を売りたいけど日本の優秀なハイブリッド車の性能が障壁になっている米国は、ハイブリッド車の技術を「渡せ」か「やめろ」と、そういう意味合いに取れる要求を突き付けてきたのです。

つまりルールを変えてきた。こういう例は今までにもあって、例えばF1では1988年にマクラーレン・ホンダが16戦中15勝と圧倒的強さを誇っていたのですが、翌年にルールが変わってターボエンジンが禁止されてしまいました。勝てないならルールを変えてくるのが外国の戦略で、TPPにおいては交渉のルール作りが競争になるわけなんですよ。TPPについて慎重な準備が必要と言うのはそういう意味で、相手がどう出てくるか分からないのです。私は根っからの保険屋なので、ことに臨むには準備が9割だと思っています。今後何を突き付けられても、国益を守るだけの理論武装をしていきたいと思っています。TPPについては、日本の文化的なものを崩しにかかられると考えて準備した方がいいと思っています。

安倍政権において必要な事は、米国に対しては、このままでは、「我が国の国益を損ねる懸念がある」、「これだけは、守りたい」と国家としての意志を持って臨むこと。場合によっては、「制度については日本化した方が良いですよ」と云う事ぐらいのことを言ってやってもよいと思います。

もちろん、TPP参加が対中政策において功を奏する、だから積極的にするべきだという主張にも耳を傾ける価値はあると思います。当然の事ながら、繰り返します。ルールを作る側に立てるかどうかが論点であり、我々はその一点絞って監視する必要があります。

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