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冬の第六波までに今度こそしっかりとした体制づくりを

田原総一朗です。

なぜこんなにも増えるのか。新型コロナウイルス感染拡大が止まらない。8月5日、東京都の新規感染者が5042人と、ついに5000人を超えた。

全国では1万5263人と、いずれも過去最多を更新した。

その要因として、いまや関東での感染者の9割を占めると言われている、変異型デルタ株の感染力が非常に強いことがある。そしてもう一つ、東京などの都市部で人出が減っていないことだ。その理由には、「緊急事態宣言」への慣れがあるだろう。また、8日まで開かれていたオリンピックのせいだという意見もある。

たしかに、世界から多くのアスリート、関係者を招いておいて、国民には外出を控えろ、県をまたぐ移動はするな、と言ってもまったく説得力がない。しかもオリンピックは、多くの競技で選手と選手が接近する。

こんな大会を開いておいて、危機感を持てというのが難しいという意見もわかる。「パラリンピックは中止にしてはどうか」という意見も、ここにきて出ている。

そんなとき、突如菅首相が、「中等症以下は自宅療養とする」と宣言したから大騒ぎになった。野党はもちろん、与党からも批判が噴出した。いわく「ダイヤモンドプリンセス号の二の舞だ」と。

ダイヤモンドプリンセス号で感染者が出た際、日本政府は下船、入院をさせなかった。その結果、船内で感染を広げてしまい、感染者712名、13名もの犠牲者を出してしまった。自宅療養の場合、どんなに気を付けても、家族に感染するリスクは非常に高い。つまり「ダイヤモンドプリンセス号」のように、感染者を増やしてしまうという見方だ。

また、一人暮らしの方が急変した場合、すばやく連絡できるのか。そして救急車はかけつけられるのか……。批判の結果、政府は、中等症患者でも入院可能な例を示すなど、説明文書を修正した。しかし、この緊急時に、あまりにも安易であり、迂闊ではないか。

菅首相の発言の背景には、医療のひっ迫があることはわかる。しかし、日本の病院の病床数は世界一多い。感染者が急増したとはいえ、欧米よりまだまだ少ない日本で、「お手上げ」してしまうのは、あまりにも無策だろう。いったいこの1年半あまり、政府は何をしていたのか。

7月31日放送の「朝まで生テレビ!」に出ていただいた、上昌弘さん(NPO医療ガバナンス研究所理事長)によれば、「新型コロナは季節性があり、冬にまた大爆発する。他の国はすでに冬に備えている」という。今の日本は目の前の火事を消すのに必死だが、一方で冬にやってくるだろう第六波を見据えて、今度こそしっかりと対策を打ち立ててほしい。

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