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わがままと誤解? 「頑張っているのに報われない」考えの人は要注意 若者を中心に増える「非定型うつ病」

 コロナ禍で先行きが見えず不安な毎日。実は今、コロナ流行前と比べ、うつ病にかかる人が2倍以上に増えている。中でも若者を中心に増加傾向にあるのが「非定型うつ病」だという。

【映像】“非定型うつ病” 当事者の苦悩

 その名称どおり、従来の型には当てはまらないタイプのうつ病だ。一般的なうつ病は「自分はダメだ」など、自らを責める気持ちが強く現れる。その結果、気持ちが落ち込み食欲も低下。なかなか寝付けないなどの症状が出る。

 それに対し、非定型うつ病は「こうなった原因は他人にある」と相手を責める気持ちが強く現れ、気分の変動も激しく、過食や過眠といった症状などが現れる。つまり、一般的なうつ病とは正反対の症状のため、診断でも気づきにくく、さらに周囲からは単なるわがままと誤解されてしまう。

■他人と比較しやすい環境にいる若者がなりやすく?

 精神科医でうつ病に関する動画をYouTubeで配信している紫藤佑介氏は、非定型うつ病について「基本的にうつ病自体には変わりはない。うつ病の診断基準を満たすことがベースにあって、それにプラスアルファで非定型うつ病の特徴に当てはまるだろうという場合に診断される。なので、最初の不調はベースの部分がうつ病と近いところがある」と説明する。

 そのため、はじめから非定型うつ病を見極めるのは難しいといい、「定期的に通っている患者さんで、感情的な反応であったり普段の様子とかを聞いている感じから、非定型うつ病かもしれないと途中で考え始めることが多い。というのも、患者さんは最初に来た時にはつらいことを中心に話すので、ポジティブに捉えられる情報はあまり表向きには話さないことが多い。診察を重ねてその人の性格や特徴を加味した結果、典型的なうつ病というよりは非定型の特徴が強いだろうと診断する。後天的に知ることの方が多いので、最初からピンポイントで非定型うつ病と考える例はそんなに多くはない」とした。

 また、若い層に増えている要因として、「非定型うつ病は、社会的なうつ病とも考えられている。今までは仕事熱心で生真面目な人がなりやすかったのが、非定型うつ病はどちらかというと、他人と比較してしまったりとか、頑張っているのに報われないみたいな考えが強い人がなりやすい。社会に出て短い人だったり、若い世代の方が人と比較しやすい環境にあるので、そういうのもあって20代とか30代の方に増えているのではないか」との見方を示した。

 非定型うつ病は単なるわがままと誤解されやすいが、その違いはどのように理解したらいいのか。紫藤氏は「非定型うつ病の場合は“やりたくない”というより“やれない”というイメージだ。やらなきゃいけないと頭ではわかっているが、体がそれに順応してくれない」としたうえで、想像力を働かせることが必要だとした。

 「非定型うつ病も通常のうつ病もそうだが、誰にでも起こる可能性がある。仮に自分がなった時にどうなのか。辛いことはやる気が起きなくて、楽しいことだったら頑張れるというのは誰にでもあると思うが、それがどのくらいの程度でなっているのか。今までできたことができないのは本人にとっても明らかにおかしいと感じるだろうし、どうにかしないといけないと思っているからこそ精神科を受診しているので、(大事なのは)想像力ではないか。そういうものがあることを知った上で、“仮に自分がそうなった場合にどうするのだろう”と考える。完全に同じ経験はできないにしろ、本人の訴えているところに耳を傾けた上で、自分だったらどうできるのかな、ということを考えることが大事だと思う」

■多くの人が仕事を辞めてしまう現状…周囲の理解を促すには

 非定型うつ病になった人の多くが休職を繰り返し、仕事を辞めてしまうのが現状だ。うつ病を抱える人たちは社会とどう共存していけばいいのか。

 「1回うつ病になってしまうと、体力と気力って戻らない。1日8時間を5日間、完全週休2日だったとしても、ちょっと無理だなというふうに思ってしまった。お金を稼ぐために仕事しようっていう感覚でお金を追ってしまうと、稼げたとしても先に精神的にやられてしまう」

 こう語るのは2014年に「うつ病」と診断され、その後社会復帰したほっしーさん(31歳)。自身の病状を客観視することで体に負担をかけない働き方を見つけ、社会復帰できたという。

 その働き方というのが、うつ病になった経験をブログやYouTubeを通じて発信すること。ほっしーさんは「自分の好きなことをどうやったらお金に換えられるかな、って考えた結果の手段だった。その活動自体がメンタルにいいことなんじゃないかなって思う。自分の弱さっていうのを表に出せる社会になれば、もっとうつ病になる人とかメンタルをやられている人は減ると思う」と自らの体験から語った。

 非定型うつ病の治療法について、紫藤氏は「特別に大きな違いはないが、非定型うつ病は元々の性格特性や捉え方によって発症のしやすさはある。いわゆる認知行動療法というが、認知というのが考え方や捉え方、行動というのがその考えに基づいて行動を変えていくということで、要は生活指導とかの一環でもある。そのアプローチの方法が、通常のうつ病とは違うことはある」と説明する。

 では、職場の周りの人はどのような態度や対応をすればいいのだろうか。「基本的にはうつ病になった時点で、復活したとしても、もともとの本人のキャパシティよりも確実に下がってしまう。体力であったり精神的な力というのも落ちてしまうので、その前提条件を変えるしかないのかなと。今までできていたことを期待するというよりは、今できる限りの、パフォーマンスが落ちてしまった状態でできることを考えてあげる、仕事として与えてあげるというふうに考えないと。今までのパフォーマンスを期待しているとうまくできなかったり、どうしても周りがイライラしてしまうことにつながってしまうと思う」との考えを示した。(『ABEMA Prime』より)

映像:「発達性ディスレクシア」の当事者が抱える苦悩

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