- 2021年08月07日 15:11 (配信日時 08月06日 08:15)
攻撃的、反抗的…職場の「苦手な人」と仕事をしなければならないときに効く"禅の言葉"
1/2攻撃的な物言いをする上司、いつも自慢話をする同僚、何かと反発してくる部下……、どこの職場にも苦手なタイプの人がいますが、いくら苦手な人でも、仕事となると逃げたり避けたりすることはできません。そんなときに自分の心を落ち着けるための禅の言葉とは。禅瞑想アプリ「InTrip」をリリースし、話題を集める両足院副住職の伊藤東凌さんに教わりました――。
「苦手な人とは?」を考える
「苦手な人」と一口にいっても、いろいろなタイプの人がいます。まず、これを細分化して考えてみましょう。私が思い浮かぶタイプは、次の5つです。
① 可能性を阻む人
② 怖いと感じている人
③ 過去に嫌なことをされた人
④ 生理的にいやな人
⑤ 高圧的な態度の人
それぞれについて、順に説明しましょう。

撮影=Hiroshi Homma
新しいことを始めると反発してくる「可能性を阻む人」
仕事上で自分が何か新しい挑戦をしようとすると、反発したり、反対意見を言ったりして可能性を阻む人がいます。生き方が後ろ向きで、愚痴ばかり言っているから苦手と感じる人も多いでしょう。確かに近くにいると、その人のネガティブな影響を受けてしまうので、できるだけ関わりたくありませんよね。
でもどうしても仕事をしなければいけないとしたら。そのときに大切なのは、自分がいっしょに仕事をすることをちゃんと引き受けて、その人とベストな距離感を自分で決めていくということです。すべては自分次第。これを禅語で「主人公」と言います。
主人公というのは、一般的に物語の中心人物を指しますが、禅の場合は、すべて自分が選択したものとして引き受けて、その中で最大限に輝くということをあらわします。
そもそも会社というのは自分で選んで入っているわけですから、そこを引き受けないと、いつまでも環境のせいにして、成長のチャンスを摘むことになってしまいます。そういう生き方はつらい。ですから、会社に入ったことも、その人と仕事をすることも、まずは自分が引き受けることが大切なのです。

コミュニケーションは「実験」の繰り返し
距離感をはかるときは、いろいろと実験してみるしかありません。そうすると「いったん持ち上げると、気持ちを察してくれる」「聞くことに徹すれば、本音で話してくれる」など、距離感の最適解が見つかってきます。コミュニケーションに正解はありません。同じシチュエーションでも相手の気分や、こちらの声色や姿勢で変わってきますので、ていねいなコミュニケーションを積み重ねていってほしいですね。
こうした経験が役立つのは、仕事だけでありません。自分の人生を切りひらいていくときも、アンチになる人や可能性を阻む人が出てきますから、仕事を予行練習ととらえるといいでしょうね。
「自分の無知がさらされる」恐怖
自分自身が「この人は苦手だ」と、単に思い込んでいるケースもあります。もともと人は自分の知らないことを相手が知っていると「自分の無知がさらされる」「自分のポジションが危うくなる」など、恐れの感情がわいてきます。恐れは嫌い、苦手と近い感情ですから、こういった人に出会うと「あっ、苦手」と、ざっくりととらえてしまうのです。これは非常にもったいないことです。質問形式でもいいので、どんどんその人から話を聞き出したほうがいいですね。
本来、誰にとっても世の中は知らないことだらけなのに、現代社会ははったりが必要な場面が多いので、知識が必要と思いすぎている人が多い。でも「これはどういうことですか? 知らないので教えてください」と相手に聞いて、その人がていねいに教えてくれたら、苦手どころか「あの人、最高に面白い!」となるかもしれないのです。
「教えてください」と言って嫌がる人は、あまりいませんから、そもそも気持ちのいいことが起こりやすい。それをせずに苦手と決めつけるのは本当に惜しいことです。ぜひ実験的にトライしてみてください。

妄想が膨らんで苦手になるケース
「あのときに、あの人からこんなことをされた」という記憶から、苦手になるパターンです。
これは、そもそも事実かどうか怪しい。たとえば「あの人があなたのことを低く評価したらしい」と同僚から聞いたとしても、そこから「あの人は昔から私のことを低く評価している」「あのときも誘われなかった」と考えるのは妄想です。まず、それが事実かどうか、冷静に検証することが第一の解決法になります。
妄想ではなく、約束にすっぽかされた、遅刻したなど、本当に何かされた場合は、約束や時間を守るのが大事と思っている人からすると、自分の中の大事な価値観が裏切られたと感じて苦手になるわけですね。
ただ、これは一回の事件やできごとで「あの人は苦手」と決めつけて、自分から人との関わりを減らしている可能性があります。この場合、過去の出来事を自分の中で再編集するのがおすすめです。
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