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月刊楽天koboちゃん 2013年02月号 -早くも息切れ?

月1連載の楽天koboちゃん、先月大方の予想通り20万冊の約束を破った楽天koboだが、実は楽天三木谷社長は予め次のような予防線を張っていた。以下はINTERNET Watchからの引用である。

――量としては、これまで目標として挙げていた20万冊という数を年内に目指すのか、それともある程度近い時期に、また別の数字を出されるのでしょうか。

20万冊を目標として掲げていて、今現在は6万5000冊ということで、あと2カ月で13万5000冊ということになります。今後、結構大きな塊で、1万冊、2万冊という単位で入ってくる予定があり、そのタイミングが年内であれば20万冊までいけると思うが、それが多少ずれれば、(来年)1月になってしまうということもあるかもしれない。

さすが楽天のトップに立つ三木谷社長、コミットメントの重さを知っている。従業員の規範となるべき社長が守れもしない約束なんてするわけ軽々しくするはずがないではないか。きっと今月は軽く20万冊達成しているに決まっている。彼の言葉を信じて、今月の結果を見てみることにしよう。

所詮口だけですよ

2013年1月31日時点の日本語書籍数は116,186コボ(楽天koboの独自単位系コボについては、月刊楽天koboちゃん 2012年10月号参照)。12月末からわずか5,000冊(5%)ほどしか増えていない。もはや20万冊なんて約束は忘れてしまったかのようだ。楽天koboにとってコミットメントなんてその程度なのか。

それではその内訳を見てみよう。

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  • 日本語コンテンツ総数116,186コボ(前月比105%)
  • 青空文庫を含む無料コンテンツが20,145コボ(前月比102%)
  • 楽譜が29,824コボ(前月比101%)
  • 復刻版古書が3,763 コボ(前月比103%)
  • 画像1枚だけからなるバーチャルアートが2,197コボ(前月比103%)
  • パブーの有償コンテンツ(バーチャルアート除く)が3,961コボ(前月比101%)
  • 残りは56,296コボ(前月比109%)

結局、〆切を伸ばした1月においても、20万冊が達成される気配さえ感じられなかったわけだ。

岩手県下7市町村の新成人1,644名にkobo Touchを寄贈

楽天と岩手県は、地域活性化と教育支援を目的に、岩手県下の7市町村の新成人1,644名にkobo Touchを寄贈する「楽天ふるさとプロジェクト」を1月12日に開始した。読書を通してより一層故郷を思い、知恵を伝えていただきたいという崇高な理想があるようだが、ネット上ではわずか3ヶ月で型落ち品となったkobo Touchの実質的な在庫処分ではないかという見方が大勢のようだ。

国内電子書籍市場は早くもKindleの支配が進む

インプレスR&Dは、電子書籍ストア利用動向調査.OnDeck 2012年12月調査版において、電子書籍ストアの利用率に関する調査結果を発表している(INTERNET Watch)。

画像を見る

調査によれば登場からわずか2ヶ月のKindleストアが初登場で1位となり、2位以下を大きく引き離すシェアを獲得している。楽天koboは前回調査時の8.5%から1.1 ポイント減の7.4%となっており、じわりとシェアが低下している。物理的な本が手元に残らない電子書籍では、いつサービスが終了するかわからないようなストアを使うのは勇気がいる。悪評ばかりが目立つ楽天koboがこの後シェア増加に転じられるかどうかは厳しいと言わざるを得ない。

三木谷社長「世界と戦う準備整う」

日経新聞は1月7日に『三木谷社長「世界と戦う準備整う」(ルポ迫真スペシャル)』として、三木谷社長がkoboを買収し電子書籍の世界展開を始めた経緯を紹介している。これによれば、三木谷社長は「打倒アマゾン」に向けた世界戦略を着々と進めていたという。

多くの事業ドメインを持つ楽天の強みを生かし、損を覚悟でシェアを取りにいっても別の事業で稼いだ利益で穴を埋めることができる。仏物流大手のアルファ・ダイレクト・サービシズ(ADS)を買収したのも、Amazonに対抗できる物流システムをつくり上げるためだ。批判の多い英語公用化も世界進出への布石の一つだ。そしてついに、世界190カ国でサービスを提供しているkoboの買収に至ったわけだ。

1つ1つ打ってきた布石が1本の線になり、いよいよ世界戦争の準備が整った。

「アップルのiPhoneと日本メーカーのスマホ。機能で見ればほとんど同じ。でも最後のちょっとした差が埋められない。僕らは日本企業にもできるんだ、ということを証明しなくてはならない」。三木谷は本気だ。

実際、Koboは年末商戦で「世界の電子書籍市場シェアの20%を獲得した」と表明しており、世界市場では健闘していると言っても良い。ただこれはカナダKobo社の功績であり、楽天が何かの役に立ったとは考えにくい。日本国内を見れば、三木谷社長の威勢の良い言葉だけが先行している状況だ。偉そうなことを言う前に、日本国内をどうにかするのが先だろう。

日本企業にはやっぱりできない、ということを証明することにならなければ良いが。

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