- 2021年08月03日 11:52 (配信日時 08月02日 21:02)
「日本アニメ」実はヤバい? 『鬼滅』大ヒットの影で下請け制作会社の赤字割合は「過去最高」
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日本のアニメ業界、実はけっこうヤバいのでは? アニメファンの背筋が凍ってしまうようなレポートを、帝国データバンクが発表した。
2020年のアニメ界といえば、映画『鬼滅の刃 無限列車編』が国内興収400億超えの未曾有のヒットを飛ばし、イケイケだった印象がある。帝国データバンクが8月2日に発表したレポートによると、その裏でアニメの制作市場は「10年ぶりに減少」していたという。全体から見れば2510億円(前年比1.8%減)の「微減」なので心配なさそうだが、中身を見ていくと、そんなに安心してばかりはいられないような内容となっている。
小さな「専門スタジオ」の赤字がヤバい
まず気になったが、業界の6割を超える「小さなアニメ制作会社」が、とても厳しそうな点だ。アニメ制作会社は、ざっくりいうと「元請け」「グロス請け」「下請け」という規模感に分かれる。
たとえばテレビアニメの場合、製作委員会から1シリーズまるごと仕事を受注する大手「元請け」。そしてTVシリーズなどの仕事を1話単位で請け負う「グロス請け」。そして、元請けから仕事を回してもらう「下請け」の専門スタジオという感じで、どんどん会社の規模感が小さくなっていく。
元請けの中でも、人気のある自社版権を持っている「大手」はまだいい。全体としてはやや減収だったものの、動画配信やグッズ販売などで持ちこたえ、黒字・増収のケースもあった。しかし、「中堅」以下はアニメーターの採用・育成コストやCG対応の設備投資などの負担が重くなってきているという。
日本動画協会の「アニメ産業レポート2020」によると、近年、大人向け作品の増加や地デジ化などでアニメ作品に高いクオリティが求められるようになっている。それに加え、高スキルのクリエイター不足や働き方改革などの影響で、制作費は上昇傾向にある。
下請けとしてアニメ制作に携わる「専門スタジオ」の多くは、シビアな現実と向き合っている。帝国データバンクのレポートによると、専門スタジオの2020年の平均売上高は3億800万円(前年比マイナス600万円)で、48.9%が「減収」となり、過去10年間で最悪の数字。さらに、42.6%のスタジオが「赤字」で、赤字割合は過去最高だったという。
アニメ制作会社は約300社あるが、6割超の会社が従業員20人以下。5人以下の会社も約100社ある。他のスタジオで経験を積んだ人たちが独立開業し、小規模で船出するというケースが多いのだが、今回の場合、積極的な人材登用やデジタル化への投資などを行っていたところをコロナによる受注減が直撃してしまった、ということのようだ。



