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【レストラン】、人手不足で配膳ロボットが拡大!飲食業でも業態の境界線が曖昧になる?

■アメリカの流通業界ではロボットの導入が著しいが、レストラン業界でも深刻な人手不足からロボットを導入する事例が増えつつある。

レストランビジネスが徐々に回復する一方で、飲食店は給仕スタッフとして配膳ロボットを雇用するようになっている。

レストラン内のロボットは厨房とホールを往復しながら、料理を運んだり使用済みの食器をキッチンにまで戻す自律走行型となる。

見た目は高さが1メートル程度の移動式の本棚のようで、幾つかの棚となるトレーにタッチスクリーン、そしてセンサーやカメラが搭載されている。

レストランロボットはレーザー光を用いたリモートセンシング技術である「ライダー(LiDAR)」を使いながら、人や障害物を避けながら移動するのだ。

ロボットによっては挨拶をしたり、ジョークを言ったり、バースデーソングを歌ったりもする。

しかしレストランロボットはウエイターやウエイトレスの代替ではなく、あくまでも補助の役割を担い、レストランオペレーションの効率を図ったものだ。

 例えば北カリフォルニアのストックトン地区にある地中海シーフード・レストラン「シュガー・メディテレニアン・ビストロ(Sugar Mediterranean Bistro)」ではリッチテック・ロボティクス(Richtech Robotics)の給仕ロボット「メトラディ(Metradee)」を採用している。

4つの棚をもつメトラディの使い方は料理を置いた後、タッチスクリーンでテーブル番号を入力するだけだ。

テーブルに到着すると一緒に同行したスタッフが料理を配膳する。もしくはテーブルのお客が飲み物などをセルフサービスでロボットの棚か取ることになる。

食事の終わったテーブルでは、スタッフが使用済みの食器をロボットの棚に置き、キッチンにまで運ばせることになる。

テキサス州マッキニー地区にあるレストラン「レイヤード(Layered)」も人手不足から屋内用のデリバリーロボット「ベラボット(Bellabot)」を導入している。

ピューデュー・ロボティクス(Pudu Robotics)が開発したネコ型配膳ロボットのベラボットは高さ1.2メートルで3Dカメラやセンサー等によって障害物や人とのすれ違いも避けることが可能な自律走行型ロボットだ。

耳の形をした頭の部分がタッチセンサーとなり、AIを駆使しネコの表情を多彩に見せる。4段のトレーで最大40キログラムまで積載可能なベラボットも配膳や下げ膳で活躍しながら、英語や日本語など多言語によるボイスコマンドも可能なのだ。

バーのあるレイヤードでもウエイターやウエイトレスの代替ではなく、あくまでも補助役にベラボットを採用したのだ。

フロリダ州マイアミ郊外ケンドール地区にあるキューバン・レストランの「サルジオ・レストラン(Sergio's Resaturant)」でもベアロボティクス(Bear Robotics)の給仕ロボット「アストロ(Astro:Automatic Service Tray Removal Organizer)」を採用している。

フロリダ州ハリウッド地区にあるシーフードレストラン「ミスターQクラブ・ハウス(Mr.Q Crab House)」でも人手不足を理由に3万ドル(約330万円)かけて配膳ロボット3台採用している。

フルサービスのレストランではキッチンスタッフがアストロに料理を載せ、無線でホールスタッフに準備ができたことを伝える。

お客と挨拶を交わし談笑しつつホールスタッフがロボットの到着を確認した後、そのテーブルに行き配膳するのだ。

 レストランオーナーによると今は時給を上げて募集してもなかなか採用に結びつかないというのだ。コロナ感染はワクチン接種の拡大で一時期に比べれば落ち着いてきてはいるが、人と接する機会の多いウエイターやウエイトレスの仕事に抵抗を示す人は少なくはない。

ロボット採用ではお客からの評判も良いため今後はさらに給仕ロボットを導入するレストランは増えることになるだろう。

トップ動画:ピューデュー・ロボティクス(Pudu Robotics)が開発したネコ型配膳ロボットのベラボットのPR動画。AIを駆使しネコの表情を多彩に見せながら、4段のトレーで最大40キログラムまで積載可能だ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。

モバイルオーダーがファストフードやレストランで急速に普及したように給仕ロボットも急激に拡大しそうです。ロボットの導入はアメリカでは以前まで、人の仕事を奪うと忌み嫌われていました。しかし飲食業界は時短営業に追い込まれたり、値上げしたりと深刻な人手不足に陥っています。

ホスピタリティ業界での人手不足問題は最近、ニュースでもよく取り上げられることからロボット導入に理解を示す人も増えています。ロボット開発のスタートアップも異口同音に「ロボットは人の代替ではない」「ロボットでは接客等のサービスの代りはできない」と強調しています。

予想されるのはフルサービス・レストランにロボットが導入されるとチップとかも変わってくると思います。重い料理をロボットが運んでいるからとチップをケチるお客も出てきます。で、料理を運んだり戻したりする必要が少なくなればホールスタッフは(チップが減らされないよう)接客により集中します。一方で、飲食業の業態の境界線も曖昧になります。

 例えば食品スーパーにレストランを合体させたグローサラントでは、お客がモバイルオーダーで注文すると、ロボットが料理をデリコーナーからテーブルまで運んでくる、というレジスタッフから接客係りまで不要にすることが可能です。非接触でローコストなIT導入で、飲食業も業態の枠組みをさらに破壊することになります。

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